第29話 発動
お久しぶりな投稿ですよ!
すみません時間ない+浮かばないで散々だったんですほうとうに。
……と、いうか……見てくれる人が、いればいいなぁ……(泣)
side妹紅
———死
幾度となく経験したそれに、私は何も感じることができなくなっていた。……だけど、“今”は違う。
私は今、本当の意味で死にそうになっているのだ。……私という存在が、消えようとしているのだ。
私は誰かに操られるほど弱くはない。そう自負していたはずが今は、こんなザマと化している。
なんでこんなことになってしまったのかなんて、わからない。わかるはずがない。
……だけどただ1つ、言えることがあるとするのなら。
今、私の能力は……否。
……私は、“暴走”をしていた。
誰かに、“暴走するように”仕向けられたのだ。
憎悪が、憎しみが、憤りが、憤懣が。
悲嘆が、痛哭が、哀惜が……絶望が。
溢れて膨れて、しかたない。
あぁ……どうせなら、私の心の自由まで奪って欲しかった。
体だけでなく、心まで。でも多分、それはできないのだろう。
できたとしても、ほんの数秒。……だって私は、不死身だから。
でもいつか、そうなるのだと思う。だって今も尚、この思考は、掠れていっているのだから。
世では感情に振り回されてはいけないと言われていると聞く。それは、誰かに被害を被るからという理由もあるの思うが、1番は、自分が辛いからなんじゃないかと思った。
痛い。
身体中、どこからともなく焼け焦げてしまったかのような痛みが迸り、メキメキと再生して、それが繰り返される。
こんな苦痛を、何故私が受けなければならないのか?
……こレは、ダれのせイダ?
………………い……や、違う……違う、だろ。
これは全て……全て私だ、私のせいだ。
矛先を誤るな、誤ったら、本当に死んでしまう。……目の前の人間を、殺してしまう。私諸共、死んでしまうのだ。
私まで飲まれてはダメだ、ダメだ、ダメだダメだダメだダメだ。
……だけど、どうしようもないくらい、辛くて、苦しい。これが感情のせいか、この体のせいかはわからないけれど。
……………………もしかしたら死は、今の私にとって、救済なのかもしれない。
死ぬんじゃなくて、殺してくれる、なのかもしれない。
あぁ……そうだ。そうだ……だったら……なら。
早く……早く、早く———
———私を———。
その、言葉を言った後のことだったと思う。
1つの、たった1つの言霊が響いた。私を救わんとする、そんな言霊が。
私は精一杯の力を振り絞って、その言霊に。……1つの、言葉を送った———。
side 藍奈
籠った熱が踊り出す。真夏の猛暑の炎天下、その太陽に当てられたかの如く、全てが、揺らぎ、さざめき、踊り出す。
煮えたぎるマグマの中のように。身体中の血液が、沸騰するような感覚を覚えた。
思わず、後退をしてしまう。……まずいなんてレベルじゃない。そう、直感が叫んでいた。
正直言って、お手上げだった。
「……」
彼女と目が合ったその瞬間、とてつもない悪寒が全身を駆け巡り、一瞬、体が動かなくなった。
あぁ……なんて冷たく、悲しい目をしているんだ。
言うなれば、底なしの深淵。もしくは、屍に目を向けるときのように、冷め切った悪魔のような、悪意に塗れた、そんな眼光。
……いや、怖気付いてる暇なんてない。
たとえどれほど絶望的な状況であっても、どれほどの恐怖を感じたとしても。そんなこと、関係ないのだ。
今は、やれるやらないかの話じゃない。
やるか、やらないかの話なのだから。
覚悟を決めろ。
どんな突拍子のないことだとしても、それが現実だと受け止める覚悟を。
どんなにやられそうになったとしても、立ち続ける。その覚悟を。
“救うため”の、その覚悟を。
そんな自分を奮い立たせるためだけの、なんの意味もなさない言葉を心中で並べ続けていた、その刹那。彼女を取り囲むように、そして全てから隔絶するかのように、円形に弾幕が展開された。同時、無数の弾幕が僕を襲う。
それを必要最低限の動きで避けていたその時。とてつもない速度で、鷹をを彷彿とさせるような形を模した弾幕が僕を襲った。
咄嗟のことすぎて対応が遅れ、頬に少し掠めてしまう。
鮮血が舞い、仕舞いにはダラリと頬を伝い垂れ続け、地面へと落ちていく。熱いなんて、感じる隙もなかった。
……これほどまでの威力があるのか。
そんなことを考えている間にも、それは幾度となく僕を襲っていた。
威力は落ちない。速度も少しずつではあるものの、確実に増してきている。……このままであれば……確実に僕は———
———死ぬことになるだろう。
次の瞬間。何故か、言葉が溢れた。
「だめだ」
「……」
「そんなこと考えちゃだめだ」
これは、僕が僕に向けた言葉じゃない。
それに、自分で自分が何を言っているのかすらも、あやふやだった。体を酷使しているせいで、思考すら鈍ってしまったのだろうか。
……だけどどうしても、この言葉の奔流は、留まるところを知らなかった。
……何故なのだろうか。
「死ぬなんて、考えてはだめだ」
……いや、違う。
これは……
「自分勝手に、死んじゃだめだ」
……これは———
「死ぬことは、救済なんかじゃない」
「……」
「だから……だから僕は、あなたに———」
———“誰”の言葉だ?
瞬間、綻かけていた心が。……決意が、再生する。
何故かこの時、僕の頭の中には、霊夢さんとの約束が駆けていた。
そして、最後の。たった1つの、決意の言葉を。
「救いを」
“カノ女”に、向けた。
その瞬間のことだった。どこからか、声が響き渡る。
それは正しく、僕がずっと待ち望んでいた言葉であって。
それに呼応するかの如く、1つの言葉が宙を舞う。
「……整った」
思わず、笑みが溢れた。
静かに、その目前に現れプカプカと浮遊する“カード”に、手を伸ばす。
……“これ”でもしカノ女が倒れなければ、僕の敗北は、揺るがないものとなってしまう。
だけど何故か、そうならないと言う確信を、僕は持っていた。
そして、たった一言。僕は宣言をする。
自分勝手な妄想で。
自分勝手な幻想で。
自分勝手な、真念で。
……ただ一重に、救うために。
「———発動!!!!」
———そして、次の瞬間。この戦いに、終止符が打たれたのだった———。
「……終わった」
そんな言葉が口から漏れて、思わず膝をついてしまう。
あぁ……僕は、どのくらいの間戦っていたのだろうか。
肉体的、そして精神的な疲労が一度にのしかかったような感覚が、僕を襲う。肩からは息が止まらず、咳が出た。
ここで一度休めたら……なんて帰り考えはしたものの、そんなことをしてる暇なんて、当然あるはずがない。
太腿を叩き、自分を鼓舞する。戦闘音は未だ、遠いところで鳴っていた。
今の僕ではなんの役にも立たないとわかっていながら、そんなことを考える自分に反吐が出た。……どれほど独りよがりなんだ、と。
だけど今の僕には、そんな簡単すぎる事実すら届くことはなかった。
全身に力一杯力を入れて、弱々しくも立ち上がる。
足がおぼつき、身体が揺れた。
自分の体力の無さに僅かな苛立ちを感じながら、ゆっくりと、宙に浮いた。
まだ、霊力は枯渇してない。……まだ動ける。
その時、小さく彼女の姿が目に入った。
思わず足を止めてしまう。
……このまま置いていっていいのか?そんな思いが、一つ溢れた。だけど、そうは言っても、なにもできることはない。時間も何もかもないのだ。当たり前だ。
だけど、どうしてもこのままは嫌だった。
もしも……荒唐無稽な世迷言が受け入れられるのならば。
……寝袋とかが欲しいなぁ……
と、そんなことを考えた、その瞬間の出来事だった。
ポワポワとした、暖かい光の粒子が周囲を満たした。
……? え?
え?……え、なんで? どゆこと??
……まさか……敵か!?
そう思った次の瞬間、僕は後退をしていた。
その光は少しずつ、段々と収束をしていく。
なにが出ても良いように、臨戦体制を取る。
そうして、あたりの粒子が完全に消えたと同時、その意味のわからない光景に、僕は、瞠目をしていた。
「……」
言葉が出ないとは、まさにこのことだ。頭をよぎったそのひとつの思考が、延々と反芻された。
だって、意味がわからないだろう。こんな、すごい真面目な状況で……いきなり、寝袋が現れるなんて……!
……
……
……
……まぁ、考えるのめんどくさいからもういいかな。(思(略))
できる限り無心で、尚且つ丁寧に彼女を寝袋の中に入れる。
それができた頃には、僕は先ほどの1.2倍くらいの疲れを感じていた。
……とりあえず、進もうかな。
こうして、僕は霊夢さんたちと合流するべく、先に進んで行ったのだった。
あえて言おう。……すごい、ムードブレイカー(?)だと。
……帰ったら、色々試してみようかな……♪
ふふっと、思わず、笑いが溢れた。
どうも皆さんこんにちは!やっと投稿できたことにすごい安心感を抱いているASADE です!
短くても投稿できてよかったと思う反面、本当に言い回しとかが出てこない上に時間のやりくりが下手な自分に頭蓋腹たってたんですよね!
……今後もこういうの結構続くかもですけど、どぅーか、どぅーか温かい目で見てください、お願いします。
……本当に(懇願)
それじゃあ今回はこの辺で。それではみなさん、サラダバーー!




