表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
東方救嬢期 〜男の娘の幻想入り〜  作者: ASADE
第一章 幻想郷巡り。……にしたいです。(作者の願望)
30/50

第26話 月光の下、貫く真念

どうもさんこんにちは!またまたまたまたお久しぶりのASADEです!

いや〜時が経つのは早いですね!もうこんなに期間が空いちゃってま〜あっはっは!

……すみませんでした

 side ???


「……姫様、お時間です」


 私は小さく、そう言葉を並べた。

 それに反応するようにして、一枚の薄い隔たりを通した影が、小さく動きを見せる。

 透き通るような声が、あたりに反響をした。その言葉に私は(こうべ)を垂れ続け、彼女が話し終えるまでの時間、静かにその時を待つ。

 そしてそのとき、先ほど私が入ってきた扉が、小さく開かれた。同時、声が響く。


「お師匠様、姫様、もう奴らが近くまで来ております」

「……わかったわ」


 そんな声が聞こえるとともに、服が擦れる音が弱々しくも響き渡り、隔たりの向こうの影が、ゆっくりと立ち上がった。

 私は静かに一歩身を引き、その姿が露わとなる時を、静かに待った。

 何十秒、もしくは何分間か経ち、やっと、その姿が露わにされた。

 ……“緋色”に輝く瞳を持ち、妖麗とした雰囲気を一身にしてまとった、我等が姫様のお姿が。


「やるわよ、永琳、優曇華。……これ以上私たちが、脅かされない為に」


 私はチクリとなった心の音を遮断して、小さくその言葉に首肯した。

 誰か、この方を“救ってくれる”ようにと、そう、心の底から願いながら。



 side藍奈

 

「ここは……竹林?」


 あれから、僕たちは静かに薄暗がりの中を飛び続け、気がつけば、竹林の目の前までやってきていた。

 まぁ僕はついてきただけだからあんまり道わかんないんですけどね。帰り道しかわからない。


「えぇ。迷いの竹林、って言われてるところよ」

「迷いの……ですか。でも、霊夢さんなら直感だけで抜けられそうですよね」

「抜けられるわよ」

「……すごいですね」


 言葉が出ないほどである。

 そんなことを話していたその時、ふと、奥の方から誰かの気配を感じた。

 そしてその瞬間、僕は臨戦体制を取る。

 これは……明確な、敵意を含んだ気配だった。

 霊夢さんもそれを感じたのだろう。いつの間にか手にしていたお祓い棒を構え、そちらに体を向けていた。

 すると、その気配はゆっくりと僕らに近づいてきて、暗く不明瞭だったその姿を、偽物の月明かりが鏡のようにはっきりと浮き彫りにした。

 ……端的に言えば、それは……人間の姿をした、子うさぎだった。

 背は僕の1回りほど小さく、赤い瞳を持ち、

 “悍ましい程の何か”を纏う。そんな……妖怪。


「やぁやぁやぁ……そこの幸薄そうなお姉さん方。どうしてこんなところに? ……もしかして、迷い込んだのかい?」

「……てゐ……なのよね……?」

「あんた何言ってるの? そんなの、当たり前じゃない。……まぁ、なんにせよ、あなたたちがこの先に行こうとしてるってことは……私の敵で、良いのよね?」

「ハ!出会い頭から敵意剥き出しのやつがよくゆーぜ!」


 そんな言葉が聞こえたと同時、僕らは声のした方へ反射的に顔を向ける。

 ……上だ。

 急速に何かが、まるで彗星の如く落ちてくる。

 ……そう、それは紛れもなく———


「待たせたな!スーパー魔理沙ちゃん、ここに見参だぜ!」


 ———魔理沙さん、その人だった。


「あら、魔理沙来てたのね」

「当然だぜ!だって私は、異変解決のプロフェッショナルなんだからな!」


 胸を張りそういう魔理沙さんをみて、どこか緊張の糸がほつれてしまったことを感じた。

 すごいパワーである。

 

「どうでも良いけど、とりあえずこいつの相手しといてくれないかしら?私たちは先に進むから」

「……貸し1だぜ?」

「はいはい、なんでも良いからお願いね〜。……こいつ、なんかおかしいわ」

「……あぁ、見ればわかるぜ」


 小さく、そんな声が耳に届く。


「ま、多分倒したら元に戻ると思うから。それじゃ、あとはよろしくね〜。藍奈、行くわよ」

「は、はい」

「気をつけてな〜」

「誰にいってんのよ。……そっちこそ、足元掬われるんじゃないわよ」

「もちろんだぜ」


 そう言って、霊夢さんは進行方向を直しながら、言葉を投げてきた。


「行くわよ、藍奈」

「……はい」


 今度は、先ほどよりも気合の籠った声だった。

 そんな会話を最後に、僕たちは竹林の中へと入っていく。

 竹林に入ってから数分もしないうちに、開けた場所に出た。

 これも勘というやつなのだろうか?

 もしそうだったら、本当にすごいと思う。

 ……ただ、開けた場所と、そう一口に言ってもそこには、何もなかった。……更地だったのだ。

 あるのは至る所に鎮座する焦げ後と、静かに漂う焦げ臭さだけ。

 思わず息を呑み、辺りを見渡す。

 気配を探りつつ、地面に足をつけ、ゆっくりとした足取りでそこに足を踏み入れる。

 ……瞬間、僕らは一斉に地面を蹴って、後退していた。

 次の瞬間、突如として出現した火柱が、僕らのいた場所にピンポイントで現れ、辺りの微かに残っていた芝を瞬く間に、悉く焼き焦がした。その威力は、一瞬でも触れて仕舞えば命はないと、そう錯覚してしまうほどである。

 どこから攻撃をされたのかわからない。いきなり地面から生えてきたのだ、分かるわけがない。

 キョロキョロと視線を右往左往させること数秒、中空に人影をとらえた。

 一瞬、目が眩んだ。今は夜で、周りはとても暗い。のにも関わらず、その人影からは、光が発せられていたから。だから一瞬、眩んでしまった。

 だんだんと目が慣れていき、その姿が明瞭に捉えられるようになる。

 ……そして思わず、目を疑った。

 その女性は背中に、炎の翼を生やしていたのだ。ボウボウと燃え盛る炎の翼、その両翼を。

 見るからに暑そうだけど……火傷しないのかな?と、最初に出たそんな思考を振り払い、観察をする。

 その女性は銀髪のロングヘアー、髪には白地に赤の入った大きなリボンが一つと、毛先に小さなリボンを複数つけていた。

 上は白のカッターシャツで、下は赤いもんぺのようなズボンをサスペンダーで吊っており、その各所には護符が貼られている。

 そして、そのどす黒く濁る紅色の瞳には、何一つ、映りはしていなかった。あるのは一縷に……恨みだけ。

 そこまで考えたと同時、静かに、声が響く。


「……お前たちも、あいつらの差金か?」


 瞬間、その女性の背後に、無数の弾幕が生成される。

 そして彼女は、炎を纏った左腕を、大きく一直線に薙いだ。言葉を交わす時間すら与えてもらえないようだ。

 次々と流れてくる弾幕を交わし続けながら、思考を回転させ、打開策を練る。

 そしてふと、疑問が思考を横切った。

 その疑問とは、あの女性が何故あの炎を纏えるのか、という単純なものだった。

 それは彼女の能力だから、ということです直ぐに結論をつけることができることは、頭ではわかっているつもりなのだ。だがどこか、どうしても違和感を覚えてしまう。

 ……まるで体が能力についていっていないような……そんな違和感。

 ……

 多分、この人は以前霊夢さんが言っていた、不老不死の人の1人なのだろう。白い髪に長髪、そしてもんぺが前に聞いたものそのままだ。

 そして、この人は多分……いや、ほぼ間違いなく、不死鳥(フェニックス)藤原妹紅(ふじわらのもこう)、その人だ。

 ……まさかここまで酷い戦いができ、そしてこっちで見ることになるとは思わなかったが。

 なんにせよ、ここで時間を潰し続けていれば、人里の人々などの住民に被害が出てしまうかもしれない。

 ……ならば、選択肢は一つだ。


「霊夢さん」


 攻撃の合間を縫ってその人に近づき、静かに声をかける。


「却下よ」

「……まだ何も言ってないんですけど……」

「どうせ先に行ってとかいうんでしょ?」

「……まぁ、そうなんですけど……ね!」


 そう言いながら、またも眼前に迫るか弾幕を、バク宙をすることにより避けた。

 その勢いで後ろにズリズリと勢いをころしながら下がり、動きが止まると同時声を上げる。


「僕には、この異変を解決できるほどの力はありません」

「……っどの口が、言ってん……の!」


 いつの間にかあの人に接近をしていた霊夢さんはあの女性を少し後退させつつ、そんなことを言う。


「この口です」

「わかってるわよそんなの!」


 ツッコミと流れてくる弾幕を流しつつ、僕は言葉を続ける。


「僕はこの先の方々と渡り合えるような力はないと思うんです。だからここは僕が引き受けなければ、この異変が長引き犠牲者が増えてしまう可能性があります」


 この異変は、月に関する異変だ。

 妖怪が活発化をするのに、月が出ているから以上の理由はない。だから、被害が拡大するのなんて、本当に時間の問題と言って差し支えないのだ。

 僕は初めて見る霊夢さんの戦闘技術を前に思った、格好いい、もっと見ていたいと言う気持ちを押し殺して、言葉を並べた。


「だから、先に元凶を倒してください。僕がこの人を食い止めている、そのうちに」


 「あなたが1番わかっているはずでしょう?」と言う言葉が、立て続けに漏れた。

 そうすると霊夢さんは、苦虫を噛み締めたような顔を一瞬だけして、近接戦闘に入っていたその人との距離をお腹を蹴ることにより、距離を置かせた。


「わかった。私は博麗の巫女で、本来は人里を守ると言う役目も任せれているもの。そこまで言うのならば、お言葉に甘えさせてもらうわ。……ただし」


 そう前置きをして、霊夢さんは、僕に向かってこう言った。


「死ぬんじゃないわよ、絶対に。“今の”あいつなら……妹紅なら、殺りかねないわよ」

「……もちろんです」


 端的に僕がそう返すと、霊夢さんはふっと小さく笑みをこぼして、原因があるであろう方向へと、体を向け進み始めた。


「行かせると思うか?」

「———僕が、行かせるんですよ」


 自分に言い聞かせる意味も込めて、叫ぶような力強さで、僕はその人に向かいそう言った。

 彼女は気がつけば、霊夢さんとの距離を多く見積もって6メートル程まで詰めていた。

 速い……だけど、まだ間に合う。

 瞬間地を蹴り、その人との距離を急激に縮め、勢いをそのままのせた回し蹴りを放った。すると彼女の体は、7、8本先の竹までいとも簡単に飛ばされた。

 できるだけ優しくやりたかったが、どうも、そんな余裕をこいている隙はないようだ。そんなことをしていたら、僕の方がやられてしまう。

 ……本来のこの人は、きっととても心の温かい人なのだろう。そして、熱い人なのだろう。戦いを通し、嫌となるほどそれを実感した。……僕にとってその事実は、思わず手を緩めてしまいそうになる程僕心を揺らすには、十分すぎるものだった。

 でも……いや、だからこそだ。だからこそ、僕は今出せる本気で相手をして、倒さないといけない。……助けないといけない。

 揺らりと立ち上がる彼女を視界の中心に収めてさながら、そう、決意を改めた。

 そして、僕は言葉を並べる。


「さぁ……第二ラウンドの、始まりですよ」


 と、一度は言ってみたいと思っていた、その言葉を。

 こういうのって一度は言ってみたいよね。後で恥ずか死するけど。


どうも皆さんこんにちは!多分ほとんどの人から忘れられてると思うけどこれからも普通に投稿続けるつもりのASADEです!

すみませんガチ許してくださいこれ徹夜中の合間合間を縫いながら作ってやっとできたやつなんですお願いします()

これからももっと投稿遅くなる可能性もあるので、どうか気長によろしくお願いいたします。

それじゃあ今回はこの辺で。

それではみなさん、さようなら〜!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ