第11話 『フランドール・スカーレット』という少女
文字数ガガガガガ
何処かデジャヴを感じますね。
まぁそんなことはさておいて、よかったら楽しんでいってください♪
「藍奈、少し良いかしら?」
あれから数分掛けてお皿を全て洗い終え、咲夜と雑談していると、レミリアさんに呼ばれた。
「はい。どうかしましたか?レミリアさん。」
「……先に、場所を移して良いかしら?」
「……わかりました。ごめんね、咲夜。そう言うことだから……」
「えぇ、わかっているわ。紛れもない、お嬢様となお話ですもの。」
咲夜は、あの一言で全てを理解したような、そんな風に見えた。
レミリアさんと僕は、先程の場所とそう離れていない個室で、話を再開した。
因みに此処は、防音の結界というものが張られており、聞こえないようになっているという。
「……少し、頼み事を聞いてもらえないかしら?……“咲夜を救った貴方にしか、頼めないこと”なの。」
レミリアさんは、獅子が我が子を先人の谷へ落とす時の様な、不安に染まった面持ちで、そう言ってくる。
そして、その声は少しだけ、震えていた。
……これは……
僕は咲夜が僕達についてのことを話したのかなと、そんなことを考えながら、言葉を並べる。
「……もしかして、ここの“地下の方”のことですか?」
「……!? ……えぇ、そうよ。」
僕がそう言うと、レミリアさんは目を見張り、驚愕の色を浮かべて、次の瞬間には悲しそうな顔をしながらそう言う。
それを見た僕は、小さな子供に言い聞かせる様に、優しく言った。
「……概ね、それの内容は把握しました。……だから、そんなに不安がらなくても、断りなんてしませんから大丈夫ですよ。……だって、“家族”なのでしょう?」
「……! ……えぇ、そう、よ。」
次の瞬間。レミリアさんの瞳から、一筋の涙が流れた。
その涙は、悲しみによっての涙なのか、それとも、僕が断らなかったことに対しての安堵の涙なのか、それとも、別の何かなのか。
僕には、知る由もなかった。
「……あの子は、自身の能力を制御できずに、能力に……狂気に、飲まれてしまった。」
ポタポタと頬を伝い床に落ち続ける涙になんか気にも止めず、レミリアさんは言葉を吐き出し続ける。
「あの子の能力は、『ありとあらゆるものを破壊する程度の能力』。だから私は、皆に危険が及ばぬように。あの子に、もう何も壊させない為に。あの子を、地下へと追いやった。……否、追いやってしまった。
あの子は一度、能力を暴走させて、家族を傷つけた。それを私は恐れた。また、同じようなことが起こってしまうのではないかと。だから私は、地下へと、あの子を閉じ込めた。
……だけど、これは言い訳にしかならないし、もっともっと、他の方法が、良い方法があったかもしれないのに。……私は……逃げてしまった。……あの子から。家族を守るという言い訳を、盾にして。あの子にもう傷ついて欲しくないというこの想いをを、盾にして。
だから私には……あの子を、本当の意味で救い出すことは……でき」
「レミリアさん。」
僕はレミリアさんの言葉を遮って、言葉を並べる。
「逆ですよ。レミリアさん。僕では、その子を“本当の意味で”救うことはできません。」
「逆?いいえ、そんなことない。咲夜とも深い関係があり、あろうことが私でも運命が見えない貴方にしか」
「違うんですよ。レミリアさん」
僕は、少し力が篭ってしまった言葉を、レミリアさんに投げる。
「レミリアさんは、もしも自分が傷ついたとして、寄り添ってくれる人が赤の他人と親族や仲の良い友達だったら、どちらが良いですか?」
「それはもちろん……って、あ……」
「そうです、そう言うことなんですよ」
レミリアさんがハッとしたような顔をした。
少しだけ理解できたのだろう。気持ちが。
……身近なものほど気づかない。
レミリアさんは、そういう状態に陥ってしまっていたのだろう。
「だから僕は、“本当の意味”でその方を救うことはできません。……だから、貴女が。姉である、貴女自身が、“本当の意味”で、救うんです。……僕も微力ながら、精一杯お手伝いしますから。一緒に、家族を。」
言葉がおかしいかもしれない。
何を言っているのか、完全に、完璧に伝わっていないかもしれない。
だけど、それで良い。
何故なら、この言葉は、僕の気持ちを乗せた、“本当の言葉”だから。
レミリアさんは、自身の瞳から流れ落ち続ける涙なんて気にも留めず、美しい輝きを放つ月のような笑みを浮かべて、改めて、こう言った。
「貴方とならば、あの子を……フランを、救うことができるかもしれない。
だから、お願い。……あの子を、フランドール・スカーレットを……私の“最愛の”妹を、私と一緒に、救って、欲しい。」
それは、懇願。
家族のために、威厳も何もかもを殴り捨てて、他人を頼った、勇気ある決断。
だから僕は、レミリアさんのその勇気に、その家族への想いに。最大限応えるように、こう言った。
「勿論です。」
と。そう、端的な一言を。
あれから、あぁ言った次の瞬間にレミリアさんは崩れ落ちて、今も嗚咽を上げながら僕の胸の中で涙を流し続けている。
「……ありがとう。もう、大丈夫よ。」
そんな声が聞こえたと同時に、レミリアさんは僕の胸の中から離れた。
「そうですか。それならよかったです。」
そう言いながら、レミリアさんの頭を撫でる。
「あ、藍奈?」
「はい?どうかされましたか?……って、す、すみません!」
……無意識って怖いね。
「い、いいえ、大丈」
レミリアさんが言いかけたその瞬間。
地下から耳をつん裂くような破裂音が館中に轟いた。
「レミリアさん……これは、まさか……!?」
「……えぇ、これは……間違いなく……。……こんなところで油を売っている場合じゃなさそうね。」
そう言うと同時に、レミリアさんは宙に浮き、風のような速さで爆心地へと向かった。僕もそれに続くように、出来るだけ周りに被害が出ないように、力強く地を蹴った。
数秒後、レミリアさんの背中を捉え、少しスピードを上げながら、叫ぶ。
「レミリアさん!」
「藍奈!爆心地はこの先よ!」
「はい!早く行きましょう!」
そう言い合いながら、僕達は更に速度を上げた。
そうして、僕たちは爆心地へとたどり着いていた。
……そこは、先程まで、ここがフロントだったとは思えないような光景だった。
今では砂埃が充満し、瓦礫が無数に積まれている、まるで戦争でも起きたのかと思ってしまうほど、悲惨な光景だった。
そして、その上空(とは言ってもこの館の2階の高さほど)には霊夢さんと魔理沙さん。そして1人の少女が浮いていた。
その少女はレミリアさんと同じくらいの身長で、ピンクの服に水色の髪といったレミリアさんと違い、全体的に赤が強調されている。
朱色の瞳に薄い黄色の髪を持ち、それをサイドテールにまとめ、その上からナイトキャップと呼ばれるドアノブカバーに似た独特な帽子を被っている。
服装も真紅を基調としており、半袖とミニスカートを着用。スカートは一枚の布を腰に巻いて二つのクリップで留め、足元はソックスに赤のストラップシューズを履いている。 背中には翼のようなものがあるけれど、翼というよりも『八つの結晶が下がった一対の枝』という方が合っているような特殊な形状だった。
唐突に、その少女はバッ!っとこちらに振り向いて、狂気に歪めた瞳をこちらに向けながら。そして、紅色の三日月のような笑みを浮かべながら、こう言った。
「アソびマシょ?オ姉サマ♪」
と。そんな、狂気に染まった言葉を。
……その時、僕の背筋には、あたりまえのよう悪寒が迸った。
GWの期間難しいよう(>_<)
どうもこんにちは!
毎日投稿最終日(7日目)で明日から普通の日常に戻るASADEです!
ちょっと長いですねw
まぁ、そんなことはさておいて。
遂にこのGW(長い人はまだまだ?ある)も、終盤です。
何かやり切れたことがある人はいますか?
因みに僕はやり切れてません。
ぴえん
まぁ、書くこと思いつかないんでこれだけで。
また始まる日常を、楽しんで下さい。
それではまた。
さよな〜ら!
あ、それと色々とやることがあるので、これからら投稿は控えさせて頂きます。
すみませんm(_ _)m




