領域魔法
クルデン王国 市街地 少し前の話
月明かりがきれいな今日は、祭りの日であった。
屋台や踊りなど、様々なことをやっている。
「ねえねえ、あれも買って!」
「ちょっと待ちなさい。」
子供が買ってと急かし、それを止める親、
とっても平和な光景である。
「最近変なことが起こりすぎて疲れたが、こうして平和な様子を見ていると疲れも忘れるな。」
「そうですね、今日は我々も楽しんでいきましょう!」
バルン隊長とエレーナはそういって見回りながらも騎士たちと一緒に楽しんでいた、
「バ~ル~ンた~いちょ~う、これかってくらひゃい!」
エレーナは騎士たちと飲み比べをして、かなり酔っぱらっていた。
「エレーナ君貴様酔いすぎだ。
全くこれから何かあったらどうするつもりっ」
ピカッ
空が一瞬光った。
雷かと思ったが、雨など全く降っていない。
「お母さんあれ何。」
子供が城壁の上を指さす。
その瞬間、
ドーーン!
その方向からとてつもなく大きな音が鳴った
まるで何かが爆発したような、
バルンも急いでその方向へ顔を向けると、
ここクルデン王国とルマ王国境界付近で金色の光が上空に伸びていた。
「なんだあれは!」
それを見ていた人々の中からキレイと声が聞こえるほど幻想的であった。
まるで花びらを広げるように展開した光は7方向に散って大爆発を起こした。
中でも大きかったのは、一番最初に光が延びていた中心だ。
「ふせろー!」
この城壁までの森の上を風のようなものが通り過ぎていくのを見たバルンは叫んだ。
すると、衝撃波が城壁のほうまで飛んできた。
吹き飛ばさる人々、壊れる街
さっきまで幸せな雰囲気だったのが数分後には地獄に変わっていた。
子供が泣いている声が聞こえる。
たくさんの悲鳴が頭の中に響いていく。
なんとか、シールド魔法を使って血だらけになりながらも人々を護ったバルンは意識を失った。
クルデン王国領内 爆心地近くの森
「ん?」
「おっ、起きたか。」
「師匠俺は?」
「初めて月魔法を使い、今のお前は魔力が8割ほど枯渇した状態なのだそうだ。」
「そうなのですか、やはりあれは夢ではなく。」
(あれほど領域魔法を会得するまでは魔法を使うなといったのに、使うとは呆れますね。)
「はい、申し訳ございません。」
「まあ、そこまで言うこと必要はないだろう。あのままでは殺されていたのだし。」
(別に月魔法を使わずとも、スキルだけで勝てたのです。)
「だがあの大軍を一人で倒すにはスキルだけでは時間がかかるだろう。」
「師匠。」
「んっ、なんだ。」
「俺に魔法とは何かを教えてはいただきませんか。この力を制御して、
俺と同じような子が増えないようにしていきたいのです。」
月継は土下座をして頼み込んでいた。
そうか、この目標を違えない限り、道を間違えることはなさそうだな。
「行くべき道が決まったな。」
(そうですね。
では簡単に魔術とは何かを教えましょう。)
「ああ、ではよく聞け。
俺も一旦元の世界に帰っている時に聞いたんだが、魔法とは魔力と魔式があって初めて魔法になるらしい。
魔式とは元から自分の中に組み込まれているそうだ、その魔式はそれぞれ自分に合った魔力に対応して構築される。
そして魔力は、自然の中にたくさんあふれている力のことだ。
だが浮遊している魔力をすべて使えるわけではない。魔式の種類から使える属性に分類される。炎や俺のように氷などの自然の力だ。
その魔力を魔式に流し初めて魔法となる。これを魔力供給という。」
「なるほど、魔力に魔式が上乗せされて、魔法を打てると。」
(ここからは私が説明します。月継の魔法は月の光が魔力となっているので、これだけは忘れないでください。
月がない時、つまり昼や曇りの日などは月魔法は使えません。」
「そうなると、月が出ていないときの対処法を考えねばならないのですか?」
(確かに考えなきゃいけないでしょうね。普通の奴ならですが。)
「普通の奴なら?」
「ええ、そんな不利な時の領域魔法です。」
ガサガサ!
一行が魔法について話している時に森の奥から魔物の気配がした。
「ん?森から何か気配を感じるな。」
(はい。それもかなり強いタイプの・・・)
森の奥から姿を現したのは、ゴブリンロードであった。
「なんとも醜悪な姿の鬼よ。」
(どうやらこちらを攻撃する気満々のようですね。)
「月継も魔力を消費して動けないしな。
俺も神格が上がったから、こいつを向こうで身に着けた魔法で倒してやろう。」
(魔力のコントロールをうまくやってください。魔力で世界を構築するように広げてイメージしましょう。)
「ああ、分かっている。月継!」
「はい!」
「これが、領域魔法だ。」
そう言って雪村は地表に氷を張りそこから氷の刀を取り出した。
そして刀を地面に突き刺し、そこから氷がすごい勢いで遠くの方まで広がっていった。
霧氷風・領域・孔雀明王
月継は目を疑った。
自分がさっきまでいた森は消え、そこには空一面に広がる満天の星空にオーロラがかかっていて、下はどこまでも続く大きな雪原が広がっていた。
邪魔な障害物は何もなく、その光景は今まで見たことのないほど神秘的でした。
「これが領域魔法。」
(ええ、この中ではどれほど大きな魔法を打っても、現実世界には何も影響がありません。そしてここで使う魔法は領域外で使うよりも威力が増大します。)
「悪いが、ここで死んでもらう。」
霧氷風・雀
雪村は前回サイクロプスに使った氷魔法を放った。
氷の刀に白いオーラが巻き上がり、その刀を上に斬り上げた。
すると周りがたくさんの氷柱で囲まれ、さっきまでいたゴブリンロードはただの氷にされていた。
神格が上がりました。
氷魔法のレベルが上がりました。
「初めて使ったが、上出来であるな。」
雪村は、さっきまでゴブリンロードだったものを確認すると領域を解いた。
景色はさっきまでいた森に戻り、自分たちの前にはゴブリンロードの形をした氷があるだけであった。
「前回と違うのは周りが冬景色ではないことか。」
(ちゃんと領域魔法を使えていてよかったです。これでレベル上げに専念できますね。)
俺はこの人に追いつけるのだろうか…
月継はこの魔法で呆気にとられていた。
豆知識
この小説の魔法を簡単に説明すると、
魔力+魔式=魔法です。
異世界人も同じように魔式が刻まれていて、2個以上あるのが稀に生まれるそうです。
そして5つ以上あるのを賢者といい、勇者は聖剣と魔力の多さが異常な存在のことを言います。