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集団召喚、だが協力しない  作者: インドア猫
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城内戦・クレルス

無言で死ノ鎖を使い机の影から攻撃を仕掛ける。気取られていない。確殺の一撃だった。が、しかし。


ヒュッ


結果は空振りに終わる。見えていなかった筈だ。しかし避けられた。ならば今度は数の力で勝負を仕掛ける。


ヒュッ、ヒュッ、ヒュッ


それも全てかわされる。野蛮そうな見た目に反して機敏で全く無駄のない動き。敵ながら見事。惚れ惚れするような動きだが、それでは困る。


「どうやら搦め手で倒すタイプか。あぁ?なら相手が悪かったな。何せ勘がいいもんでな、不意打ちは通じねぇよ」


直感系統のスキル持ちか。父さんや母さん、酒牙さんやコボルト、ミノタウロスの長持っていたが、そうなると厄介だ。直感スキルがあれば奇襲は通じない。確かに相性が悪い。


「ちんたら考えてっと、死ぬぜッ‼」


地面に亀裂が入り、爆発が起こったのかと思うような音がなり、アマゾネスが接近してくる。猪かよ。攻撃は両手剣を片手で縦に振り下ろすだけ。


普段ならこれを避けて攻撃に繋げるところだが、今の踏み込みを見た以上、そうはいかない。衝撃波で吹き飛ばされても不思議ではない。


転移を使って直ぐに離れる。転移は集中しないと出来ない上に、燃費が悪い大飯喰らいだからあまり乱発はしたくないのだが背に腹は代えられない。


案の定床が貫かれ、衝撃波が走る。ギロッ、と擬音がつきそうな勢いで睨まれる。しかしその目は威嚇、威圧というよりは裁定、見定めといった目だった。


正直言うとあまり気分のいいものではない。むしろ嫌だ。昔から大人のこちらを計るような目が嫌いだった。不快だとばかりにこちらも睨み返す。


再び踏み込んでくるアマゾネス。死ノ鎖を一本天井に突き刺し、高速移動を行うことによって避ける。残りの三本と魔弾でアマゾネスを追い詰める。


「しゃらくせぇッ‼」


鎖を避け、魔弾を剣で切り裂く。そこへ死ノ鎖の短剣部分を右手に持って切りかかる。異常な動体視力と瞬発力で両手剣を盾にガードされる。だがそれは予想通り。


この密接状態から蹴る。だが相手もそれに合わせて拳で対応。空間が爆ぜる。竜鱗と硬化を使って蹴っているのに相手は拳を痛めた様子がない。


尾を使ってアマゾネスの足を叩き、バランスを崩させる。だがアマゾネスは倒れながら両手剣手を離し、側転しながらクレルスの右手を足で掴み、そのまま投げる。


死ノ鎖を伸ばし、壁に固定。それによって壁に打ち付けられるのを回避する。だが数秒の隙が生まれる。アマゾネスにとってそれは十分すぎる隙だ。

再び爆進。いつの間にかその手には両手剣が握られている。


「【魔壁】」

「チッ、邪魔だッ‼」


拳で魔壁が薙ぎ払われる。左手の死ノ鎖を手放し。アマゾネスの両手剣を持っている方の手を掴む。勢いに押されそうになるも、靴が破れるのに構わず足から竜爪を出し、地面に突き立て、何とか耐える。


「【魔纏・雷】‼」


手に雷を纏わせ、敵を痺れさせる。雷がアマゾネスの肌を焼く。さすがに厳しいと感じたアマゾネスは空間を爆破させ、距離を取る。


あわよくばダメージをと思っていたアマゾネスだが、クレルスは硬化と竜鱗を使ってしっかりと防御する。


「搦め手だけの軟弱男かと思えば、なんだ?意外に根性あるじゃねぇか。小僧、名はなんだ」

「ならまずお前から名乗ったらどうだ」


いつぞやバトル系のマンガかアニメで聞いたテンプレート的なセリフを吐く。さすがにベタすぎたか。


「あぁ?そーいや名乗ってなかったな。こりゃ失敬。オレはミラ。ミラ・ゾナスだ」

「クレルス・ベルクだ」


意外だ。一見荒々しく見えるがしっかりと礼節を弁えていて謝罪もできる。もっと雑で沸点低い系の脳き・・・、パワータイプかと思っていた。


「さて」  「じゃあ」

「「様子見は終わりだ‼」」

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