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集団召喚、だが協力しない  作者: インドア猫
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死ノ鎖

「今日の訓練は終わりです。お疲れ様でした。あとは各自、ゆっくりしてください。では、解散です」


そう聖女が言って締めくくる。母さんによるとこの聖女、剣の腕が滅茶苦茶立つ人類最強の戦乙女(ヴァルキリー)らしい。


大群のバックアップがあって他の仲間を牽制されていたとは言え、人間相手に本気で戦って負けかけたのは聖女が初めてだとか。


『クレルス、クレルス、聞こえるか、私だ、魔王ケリーだ。お前の母が言うところのけーちゃんだ』


『ぅおっと、念話ですか。あぁー、取り敢えず落ち着いて話して下さい。キャラが完全に崩壊してますよ。深呼吸です深呼吸。ヒッヒッフー』


あれ?これ陣痛のときの呼吸だったっけ?忘れたな。まぁいいか。それより魔王様から直々に念話が来るとは。何があったんだ。


『その呼吸法は何か違うような気がするが、まぁいいだろう。今時間はあるか』


『ありますけど、どうかしましたか?魔王様から直々となると相当な大事件だと思うのですが』


『それだがな、端的に言う。帝国の奴らが攻めてきおった。それも大群で、獣王国と同時にあちこちにな』


『そんな馬鹿な。今後の攻勢は勇者の育成が済んでからだった筈です』


『それについては恐らく帝国と獣王国の独断先行だと思うぞ。はぁ…帝国に獣王国にアマゾネス、なんで奴らはこうも戦闘狂なのだ』


『で、何処に向かえばいいのですか?』


『話が早くて助かる。オーガとゴブリンの主要都市の辺りだ。そこに一番多く兵が集まっている。君一人に頼るのは申し訳ないがかなり危険でな。早急に行ってくれると助かる』


『了解しました。直ぐに』


状況は不味そうだな。さっさと行かないとな。王国騎士団長様が本気ではないしマジの普段使いの武器ではない段階であれだけ強い。


一般兵がどんなものなのか知る必要があるな。やばくなったら速攻離脱。それを理念にだったな。


「クー君、一緒に遊ばない?暇だし」


「悪りぃ、ちょっと用事あってな。こっちで散歩してるときに会ったお爺さんにお茶に誘われたんだ。そっちが先約だ」


「何かいつのまにか交友関係増やしてるし、じゃあ瑠花ちゃん、美奈ちゃん、行こっか」


瑠花は遠山の下の名前、美奈は学校でも美少女と持て囃されてる華谷美奈の事だ。しかし華谷と一緒にいると男子の視線が痛いから嫌いだ。


少し歩いたあと転移でオーガとゴブリンの街、軍事都市ハキオネに飛ぶ。


「あそこかっ!」


鎖短剣を飛ばして地面に刺し、引っ張ると言う強引な移動で速攻で移動する。謎武器が謎武器たる由縁。それは四十七の隠し技能、作った本人曰く、死ノ鎖の闇技能。


厨二病か。そして何処ぞのアイドルかよってツッコミたくなるような数だ。


因みに説明書は婆ちゃんが貰ったらしい古びた紙束。破れた部分が多くて読めないところが多い。だがまぁメインでよく使うギミックは教えて貰ったから問題ない。


その一つ、ブースト。魔力によって銃弾のように速く鎖短剣を飛ばすギミックだ。そっからの魔操。魔力で自由自在に鎖を操れる。


日魔流闘術 月落し


上から下に拳を打ち付けるだけ。ただひたすらに速く、強く、振り落とす、究極に単純で最強な奥義だ。


「どうも、加勢に来ました。取り敢えずお二人とも、大丈夫ですか?」


「ハハハハ、まさか本当に来るとは。流石サーシャ・シルバーの息子だ。凄いな。フフ。だが有難い。あそこにいる剣士には気を付けろ。あれは強い」


「了解、じゃあこっちで俺がどこまでやれるのか、見ものだな」

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