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待ち合わせ


 明けて翌日、サンダルクは昨日ログアウトしたフィフティス西の平原に降り立った。

 周囲に敵影はなし。

 ログイン直後とは言え襲われる可能性はあるので、なるべく安全地帯で落ちるのがこのゲームの常識となっている。

 本来なら宿あたりで落ちるのが確実なのだが、HPをミカンに回復してもらったことと金欠につき施設を使用するのに二の足を踏んだため光はそのまま落ちる事にした。


 そして現在、スイカ達コボルト三人組は近くにはいない。なぜなら昨日ログアウト前にサンダルクは皆と一旦別れたのだ。

 半ば永続的に着いて来るNPCのためログアウトの時はどうするんだろうと思っていた光だったが、その点に関してはすぐに解決する事になる。

 どうやらサンダルクがいない間はモモが【転移魔法(ポータル)】を使いコボルトの村に帰っているそうだ。

 そしてその間にスイカ達は見聞きしたり体験したことを長や村の仲間に広めるとのこと。


「さてと……」


 そして合流するときはどうするのかと言うと、あるアイテムを使うことでスイカ達を呼び出せるらしい。

 別れる前ミカンから貰ったのは『コボルトの笛』と言う特殊なアイテム。これの音を合図にモモが再び【転移魔法】を使いサンダルクのいる場所に現れると説明を受けている。

 早速インベントリから貰った笛を取り出し口に咥え吹くも、何故か全く音がしなかった。

 吹き方を間違えたか、実は音楽系のスキルが必要だったかと不安を感じるのも束の間。目の前の空間が歪み、そこからスイカ達が飛び出してくる。


「とうちゃーく!」


「お待たせいたしました」


「マスター、おかえり!」


 どうやら笛の音はあちらに届いていたらしい。原理は分らないがきっと何か特殊なものでも働いたのだろうと光は深く考えることを止める。

 ちなみに今目の前で展開された【転移魔法】はパーティー合流用の魔法とのこと。村と行き来する通常の【転移魔法】とは別物らしい。


「それで今日はあのねーちゃんとこに行くんだよな」


「うん。まだ時間はあるけどね」


 スイカに今日の予定について答えつつ、昨日のことを思い出す。

 昨日フレンドメールをフリーダに飛ばした後、一分もかからず返信メールがあった。

 中身を見ると光の予想通り今すぐ会う、むしろ今から行くから場所を教えてという内容。

 即返信してくれたのはありがたかったものの、その行動力にどうしたものかと迷っていると再度フリーダからメールが届いた。

 催促メールでも来たのかなぁと内心戦々恐々としつつ開くと、その内容は先ほどの手紙の様子とは打って変わり全く逆のことが書かれていた。

 どうも近くにいたヨッツに説得され、日を改めた翌日を希望するとのこと。どうやら他のクランメンバーもスイカ達を見たいらしく、その調整もあったようだ。


「マスター、その人のところまでどうやって行くの?」


「えーと、確か街中のお店で待ち合わせだね。飲食店であの人の馴染みの店らしいよ」


 フリーダからのメールにはペット(テイムモンスター込み)も同伴可のお店と書いているので、スイカ達を連れて行っても問題なく対応してくれるとのこと。

 店で一悶着が起こりそうにない事に光は胸を撫で下ろしつつ、貰ったメールに添付されていた街の地図を眺める。


「大通りに面してるお店みたいですね」


「迷子にならないように人が多いところを避けて近くまで行くのがいいかな。近くまで行ったら昨日みたいに俺が抱えるほうが良さそうだね」


 とりあえず約束の時間までどうしようかとサンダルクが皆に相談すると、即座に三匹が『街中を散歩したい』と声を揃え返してくる。


「昨日出来なかったお散歩! マスター、時間あるなら街を歩きたい!」


「あー……まぁはぐれなさそうな場所をぶらぶらするぐらいなら良いよ」


『やったー!』


 ぷに、と擬音が聞こえてきそうなスイカとモモのハイタッチを見つつ、光は昨日のケンカはどこに行ってしまったのだろうかとついつい思ってしまう。

 まぁ仲が良い事はいいことだと結論付け、一行はフィフティスの街に向かっていった。



 ◇


「あれは……おい」


「ん、どした?」


「どしたじゃない。あそこ歩いてるやつ見てみろ」


「ん~……って、あいつもしかしなくても! おい、追うぞ!」


「先に行って見張ってろ。他の奴らに連絡したらこっちもすぐに追う」


「おっしゃ! よーやく見つけたぞ、サンダルクぅ……!」


 遠くから街へ向かうサンダルクを見つめる二つの影。

 その二人のプレイヤーが街に向かうサンダルク達を見つめるも、場所が遠いことと最近奇異の視線に晒される事が多い光ではそれに気付く事ができないでいた。



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