65.もなかちゃん先生の思い出作り 1-3
はるにいさまとか、可愛すぎますよ? おいくつなのだろう、本当に。
「はるにいさま!」
「は、はい」
「はるにいさまと一緒にいたいの! 駄目?」
「だ、駄目じゃないよ? で、でも、何でそんな急に……」
「パパが言ってくれたの。はるまと一緒になれば、普通に生きれるって!」
「ふ、普通? あれ、俺は特別な存在なんじゃなかったのかな?」
もなかちゃん先生は、好きで先生になったわけじゃないのかな。そしてパパとは誰のことだろう。
「それよりも抱っこ!」
「うっ……」
「抱っこ!」
「は、はい」
何も断る理由は無いのだけど、何でかイケないことをしている気になる。それくらい小柄な女の子? だ。
「えへへ~」
おお? 可愛い。可愛いけど、もなかちゃん先生は本当においくつなのか。
「も、もなかちゃん、いまいくつ?」
「14歳なのじゃ!」
「……えっ」
ロリ馬認定!? 何で先生なのかは不明だけど、何かざわざわしていたのは気のせいじゃなかった。
「どうしたの?」
「え、えーと……何かイケないことをしているかなぁと」
「それはもなかが子供だから?」
「ま、まぁ……」
もしさやめが近くにいたら、ロリ馬認定だし……円華からは見損なわれてしまうかもしれない。
「ふっ……やはりもなかの見込んだ通りの男じゃな」
「へ?」
「もなかは14歳などではないのじゃ。本当の年齢なぞ、気にするでない。前も言ったが、明空よりも上なのは認めよう」
「では何故、こんなことを?」
「もなかは、思い出の中に恋はないのじゃ。こんなもなかにも思い出が欲しい……明空は、碓氷が夢中になる程の男じゃからの。もなかも優しくされたかったのじゃ」
「い、いや、そんなことは」
「誰しも特別扱いされて、それがいいこととは思っておらぬ。明空もそうなのじゃろう? せめて、レイケの目の届かない所で甘えてみたかったのじゃ」
「そ、そうだったんですか」
実際の年齢はもはや聞けないし、恐らく上だと信じるしかないけど甘えたいとか、恋とか……そういうことだったなんて思わなかった。
「にいさま、もなかを抱きしめて?」
「ふぉっ!?」
「もなかは、はるまにいさまのことは気に入っているの。こんなことをお願いするのも、はるまだけなの」
「それはあの、思い出を残したいってことかな?」
「なの!」
「そ、それなら、だ、抱きしめ……」
――ぎゅっ!
「も、もなかちゃん!?」
「このまま少しの間、にいさまを感じていたい……のじゃ」
「は、はい」
何やらもなかちゃんにも何かの事情がありそうだ。これも俺が特別だとか判明したからなのかもしれない。
特別な庶民な自分と一緒にとか、学園の女子たちには特別なのだろうか。
こうしてしばらく、もなかちゃんを抱きしめてしまった。もちろん、変なことはしていない。
「……ふむ、これが男に抱きしめられるということの幸せなのかの」
「お、お気に入り頂けましたか?」
「うん……ありがとうなのじゃ!」
学園のお姉さん先生といい、もなかちゃん先生といい……寂しいのかな。
「はるま……」
「はい?」
「……ちゅっ――」
「……!?」




