64.もなかちゃん先生の思い出作り 1-2
「こ、ここがもなかちゃん先生のお家ですか」
「そうなのじゃ。目の前には見渡す限り、碓氷家の壁が見えているのじゃ」
「何というか、格式高いかと思っていましたけど、所帯じみた外観というか何というか……」
「親しみを感じてくれたら、もなかは嬉しいのじゃ」
「近いです! もなかちゃん先生のこと、一気に親近感が湧いたと言いますか」
「ならば、家の中ではもなかのことをもなかと呼ぶのじゃ! もなかは、明空のことを兄と呼ぶ!」
先生なのに妹のように感じてしまうのは、やはり小柄すぎるせいもあるのか。
「さぁ、入るのじゃ!」
「お、おじゃましまー……」
外観通り……いや、それ以上に中も普通過ぎた。かと言って他に家族がいるわけでもなく、一人暮らしみたいだ。
大きい一軒家にもなかちゃん一人とか、実はさやめのような特別な先生だったりするのか。
「どうしたの、はるにいさま?」
「ふぁっ!?」
「び、びっくりしましたよー! 何ですかその、どこぞのお姫さまみたいな口調は」
「もなか、おかしなこと言った? じっ……」
ナニコレ……小柄な子からの上目遣いは何かのお仕置きですか。
「いや、その……」
「……はるにいさま、抱っこ」
「ふぉっ!?!」
妙義もなか
学園の先生で二年の担任。
その正体は……?




