悪役令嬢モノを葛之葉が書くとこうなる。
「あら、御機嫌ようシャーロッティーネ=アネルダンティウス=マットリーハウゼンシュタット」
長い金髪を器用にロールしている悪役令嬢のアリスティーネ=エウゼンドルクティース=ディアスハントエウゼンが、シャーロッティーネ=アネルダンティウス=マットリーハウゼンシュタットに向けて見下した笑みを浮かべる。
シャーロッティーネ=アネルダンティウス=マットリーハウゼンシュタットは、悪役令嬢のアリスティーネ=エウゼンドルクティース=ディアスハントエウゼンを弱々しい態度で迎える。
「あの、アリスティーネ=エウゼンドルクティース=ディアスハントエウゼン様‥‥‥」
シャーロッティーネ=アネルダンティウス=マットリーハウゼンシュタットが言葉を発しようとしたその時、背後から声が響いた。
「シャーロッティーネ=アネルダンティウス=マットリーハウゼンシュタット、無事か! ‥‥‥アリスティーネ=エウゼンドルクティース=ディアスハントエウゼン、貴様、またシャーロッティーネ=アネルダンティウス=マットリーハウゼンシュタットをっ!」
走り寄ってきた皇子のカインフェルツ=シュバルツェハイト=ロッテンマイヤーと、護衛のクロウヘインツ=ベルフォレンドルフ=キルダットヤードが、シャーロッティーネ=アネルダンティウス=マットリーハウゼンシュタットを庇うように立ち塞がる。
そんな三人を悪役令嬢のアリスティーネ=エウゼンドルクティース=ディアスハントエウゼが冷めた目で見ながら言った。
「人名なげーよ! 話がサッパリわかんねーよ!」
【葛之葉が悪役令嬢物を書くとこうなる】完