花束
僕の声は雨粒に押され 地面に埋もれてしまう
でも、僕の声は君への喜びの言葉だから
きっと、いい栄養になるだろう
だからきっと、きれいな花が咲くだろう
そうしたら、その花を摘んで君に贈ろう
僕の大切な言葉がたくさん詰まった花を君に贈ろう
花には言葉が詰まっているのだから、言葉を声に出す必要はない
何も言わずに渡すだけで、僕の思いは伝わるはずだ、きっと、そうに決まっている
君は受け取ってくれるだろうか?
雨の止んだ昼下がり
虹がかかる
あの角を曲がれば、君がいる
君は喜んでくれるだろうか?
無言の愛を、君に贈ろう
僕は静かに、花束を握りしめ、深呼吸をした。