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私が始まる

振り回される事に恐怖を感じていた数日間。



ある日、由宇が私に声をかけてきた。



珍しく二人ともお休みの午後だった。



『お茶のみに行かん?』





『あぁ、いいよ』






断る理由もなかったし、断る事も出来なかった。








歩いて10分位のところに京都では割と有名な喫茶店の支店があった。


入り口を入ると彼女は迷わずカウンターに座る。

私も横に座った。



彼女はコーヒーを、私は紅茶を頼んだ。


彼女は普通にカウンターの中のスタッフと雑談を始めた。

知り合いみたいだった。


よくよく聞くと、由宇の彼氏の友達らしい。




その後新京極にお買い物に行ったが、そこでも洋服屋の店員さん、露店のお兄ちゃんや強面のおっちゃんたちと次から次に話していた。





私は思った。

『ああ、私とは別世界の人なんや』




私は私。

私らしく生活しよう。

そう心に決めて彼女との行動を控えることにした。




既にそれは遅い決断だったのかもしれない。





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