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幕は上がり盤上を照らす
言うまでもなく真実は一つである。それ自体が普遍の真理であり、一つの真実だ。僕は紛うこと無く夢前 如樹と言う名前の人間だが、朝来 廉という名前も持っている。僕という人間を表す記号として、観測者は僕の名前の一つを使用する。其れは僕と等式を挟んで相対が可能な存在だ。値として真を返す其れ等は彼らにとっての真実だ。此処で発生する問いとは、夢前如樹、朝来廉という値に置いて、または観測者の視点において真実が二分されたのは何故かという物だ。真実が一つという前提条件に矛盾しているように見えるこの問題は、命題の不備によって反証できる。つまる所僕達が真実だと信じていた物は真実ではなく、その影、一側面であると言う事だ。真実とは球体であり、どこから見ても本質を得ているような気がしてしまうが、その実観測者の視点によって変わる物で、裏も逆も対偶でさえ無く、等式の向こう側に代入できるのは自分自身だけだ。他の物でも成り立つならば自分の価値など無きに等しいのだから。
出来るだけ早く続きを書きます。。