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鋼鉄の意思は壊れない  作者: kazuma1998713
プロローグ『FCTW』編
8/13

オワリ・ト・ハジマリ(前編)

アレンvsゼノン


2人の戦いは最早音すらを置いてく速さであった。ゼノンは8個のヨーヨーを駆使してアレンを攻撃する。アレンは突出した身体能力を最大限に駆使して、ゼノンを攻撃する。一進一退の攻防。互角の戦い。


「今日はやけに飛ばすな」


「お前だって、人の事言えねえだろ!」


2人が音速より速いレベルで動けている理由をここで解説しようと思う。

まずゼノンは、肉体の電気信号を強化して、更にボス部屋全体に電気のレール敷いているからである。ゼノンの速度強化は二段階ある。一段階は肉体の電気信号を強化するものでこれを『陣雷』、更に上が電気のレールを作ることだ。これを『雷翔』と呼んでいる。

次にアレンだが、彼はデビルウィルスをある程度は抑制している。それを少しづつ解放している。完全にウィルスを解放すると最早人間ですらなくなる為、抑制している。


「『雷閃』!!」


「『掌打旋風』!!」


雷が槍となり、アレンに襲いかかるが、アレンは前方に掌打を撃つ。それによって2つの技は相殺される。


「どうした? 攻撃が薄くないか?」


「大丈夫だ! 今に目にものを見せてやるよ! 『雷槌撃閃』!!」


ヨーヨー1つ、1つが雷を纏いアレンを襲う。ヨーヨーの割合は、刃物が3、鈍器が3、針が2となっている。針はヨーヨーの周りに針がついているが、1つ、1つがドリルのように回転しており、肉を貫く装備となっている。


「複数に雷を使っているから威力が低いな。この程度とは失望したぞ!」


「そうだな。1つに全てを集中したからな」


アレンの左肩に痛みが走る。刃物のヨーヨーがアレンを捉えていた。刃物は高速に回転している。


「『黒稲妻』。受け取れ!!」


黒い雷がアレンを襲う。肩の痛みで少し反応が遅れ、ガードする前に雷が当たる。


「ついでに食らえ。『稲妻流星』!!」


まるで、隕石の様な雷がアレンへと次々と落ちてくる。それはボス部屋全体を振動させた。


「まだ…………、まだ…………出てくるな……………。俺は…………自分…………の意思…………で勝ちたいんだ……………。貴様は………………俺では無い!! だから俺はまだ………自分の意思はシンでいない!!」


アレンの体はボロボロだが、口は笑っている。そしてアレンは瓶に入った薬を飲む。それを見て、ゼノンは体にオーラを集中させる。


「『モードウロボロス』!! 全てを喰らう!!」


「『大魔神の書庫』!! 世界の真実をここに書き示す!!」


そして2人の戦いは激化する。





アイン、レギオン、フェリス、クレイルvsスカルザウルス。


作戦はシンプルで、まずフェリスとアインは後ろに下がる。アインはサポート、フェリスは技の準備。フェリスが技の準備をしている間はクレイルとレギオンでスカルザウルスのヘイトを稼ぐ。


「『ダイナマイトナックル』!!」


「『次元斬り』!!」


クレイルの拳がスカルザウルスを貫き、レギオンの斧がスカルザウルスを斬る。だがすぐにスカルザウルスは再生する。


「いつまで、これをやっていればいいんだ? ずっとは持たないぞ!!」


「もう少し持たせろ! フェリスの技が決まればこっちは確実に勝てる!」


「分かった!」


2人はスカルザウルスとの戦いを続ける。






アリサ、イオナvsダスク。


ダスクの戦闘スタイルは、守りこそ最強の攻撃。彼の能力は『ダメージカウント』、食らったダメージに応じて反撃の種類が変わる物。


「『剣の嵐』(ソードストリーム)!!」


「『ダメージカウント』!!」


アリサの剣技『剣の嵐』は四方八方から斬撃がくる物である。だが、ダスクの『ダメージカウント』の防御力は凄く、壊す事が出来ない。


「防御は私に!! 『鋼鉄の盾』!!」


イオナのスキル『鋼鉄の盾』は、対象が食らうダメージを無くす事が出来るスキル。ただこれは、自分にはかけれない、サポート専用である。


「その程度では、私にダメージを与える事は不可能ですよ!」


「その通りね。けど、剣帝を舐めて貰っては困るわ! 『剣の花』(ソードフラワー)!!」


1つだけ咲いた小さな花。花は、花びらを飛ばす。花びらが落ちたところからまた花。それが永久に続く。


「『花の世界』(フラワーワールド)」


アリサは優しくそう言った。そこはボス部屋ではなかった。一面の花畑。照りつける太陽。そして、何もない綺麗な青い空。そこはまるで幻想の世界だった。


「ここにいるのは、私とダスク、貴方だけよ。この花の世界ではありとあらゆる物は干渉出来ない。そう、貴方のスキルさえも」


「どうやら、気付かれていましたか。私のスキルの弱点を………」


ダスクのスキルは絶対的な防御が出来、なおかつ様々な種類のカウンターが出来る。そんな強力なスキルをプレイヤー単体が出来る物では無い。ダスクのスキルにはダメージを吸収する為の装置が必要である。その装置の干渉を防げれば弱体化、もしくは無効化出来ると考えたのだ。


「さあ、私達の戦いを始めよう!」










ジョッシュ、ガオウvsロイヤルナイツ。


ジョッシュとガオウの相性は良く、ロイヤルナイツを倒していくんだが、幾ら攻撃しても、HPゲージが0になることはなかった。


(このスキル。俺の予想通りなら厄介だな。奴等は多分、肉体の限界すらを超えて動き続ける兵士達。そんな事をしたら、現実にどう影響が出るか分からないぞ?)


このゲームは脳の信号をヘッドギアが読み取る事でプレイが可能である。その為、ゲームをプレイしている時は現実世界の自分の体は一切動かない。だが、長時間に渡ってのプレイは身体にどんな影響が出るかはまだ分からない。死亡した際に500秒間、全く動けないが、それは脳の休息の為、ヘッドギアがスリープする時間でもある。この世界で寝るという動作を行うのも同じ事だ。

そして、もう1つ問題となるのが、痛覚についてだ。この世界も痛覚はちゃんとあり、どんな攻撃で、どこに、どう影響するのかを細かく再現されている。死亡した時の500秒は痛覚を消すためでもある。その痛覚を休息無しに永遠と働き続けたらどうなるか? 勿論、脳にダメージが行く。それはかなり重大とも言えるだろう。そして、この事を踏まえて2人はなるべく痛覚が無く、なおかつ大ダメージを与える方法で敵を攻撃している。


「ジョッシュ、分かっているな。常に一撃必殺を心掛けろ!」


「そんな事、分かっているよ! さっきからヘッドショットしかやっていねえよ!」


2人がとった行動は一撃必殺。一撃必殺は、銃ならヘッドショット、ナイフや格闘なら急所への攻撃、魔法なら死亡魔法がそれにあたいする。一撃必殺は、痛覚が無い攻撃の為、脳にいくダメージが少なくなると考えたのだ。


「俺は一撃必殺持っていないから峰打ちしか出来ないんだよな〜。まあこれでも食らっとけ!」


ガオウの得物はスーパーボールである。変わったところは特にないが、強いて言えば、普通より、かなり大きく跳ねる事だろう。ガオウはスーパーボールを上手くコントロールして攻撃する。顎や頭に当たり、敵は気絶する。


「これでも、奴等は進撃を止めないんだな」


「俺たちはこいつらをライガ達の方に行かせなければいいだけの話だ。それさえ出来れば俺たちは勝ちだ」


「その通りだな!!」


2人の戦いは止まる事は無い。








タケル、ライガvsアナザー。


「私と戦うのは君達か……。何と無くは予想出来ていたがね」


アナザーの得物は大剣。ライガの得物はハンドガン、そしてタケルの得物は………


「『死神の数字』(デス・ナンバー)展開」


タケルの後ろに全長1mくらいの骸骨が出て来る。骸骨は銃と剣でバッテンが作られている。額には?と描かれている。


「それが、君の得物かね? タケル君」


「その通りだ。デス・ナンバー5展開」


骸骨の口から、槍が出て来る。槍には5の数字が刻まれている。


「お前は前衛に行け、俺は後方でサポートする」


そう言ってライガは、後ろに下がる。タケルは槍を構える。アナザーも大剣を構える。


「さて、始めようか! タケル君!!」


「行くぞ!!」


タケルは槍で刺突。それをアナザーが受け止める。


「その程度か? タケル君? それなら期待外れだな!」


「そう言ってられるのも、今の内だぜ!! 『刺突乱舞』!!」


槍に刻まれた5の数字が光る。タケルの後ろで無数の槍が出て来て、槍がアナザーを襲う。


「そう来なくてはな! 『大陸斬』!!」


アナザーは剣を振り下ろす。巨大な斬撃が槍を弾く。槍の光は弱まって行き、槍は消える。


(槍が消えた? 時間制限か、あの様なスキル使用で、消えるのか………。ハンドガンでは火力不足になるな。なら……)


ライガはグレネードランチャーを取り出す。引き金を引く。出て来た弾は、焼夷弾。タケルはそれをローリングで横に回避する。タケルの影から焼夷弾が来て、アナザーに直撃する。そこから炎が上がる。


「まだだ! これもおまけに食らっとけ!!」


続いて、炸裂弾と雷撃弾が発射される。無論両方ヒットする。


「デス・ナンバー10展開」


骸骨の口から出たのは、双剣。タケルはそれを構える。

そして、炎が止み、煙が晴れる。それと同時にタケルはアナザーの方に走り出す。


「流石の速さだ。だが無意味だ」


そう、アナザーは既に構えをとっていた。グレネードランチャーをどうやって回避したかは分からないが、そこにタケルが来る事を予想していた。


「ナンバー10をあまり舐めない方が身のためだぞ」


双剣に刻まれた10の数字が光る。そして、タケルは双剣を振る。誰が見ても届かないところで、剣を振った。アナザーの肩から血が流れた。それを見てアナザーは後ろへ跳ぶ。それをライガは見逃さなかった。


「そんな見え見えの隙を逃す程、俺はお人好しでは無いんでね!」


ライガはアナザーの着地地点に向かって投擲型の地雷を投げる。地雷は地面についた後、ピピという音を鳴らして爆発した。


「タケル、分かっているか?」


「ああ。ここから、奴は戦いを始める。今までは前哨戦だ。俺も本気を出す」













クレイルとレギオンは絶賛苦戦中であった。スカルザウルスはブレスという攻撃は使えないけど、対象を一時的に行動不能にする技、咆哮を使う。2人が大技を使おうとすれば、咆哮を使い、それで怯んだらすかさず追撃というコンボを繰り出す為、かなり厄介と言ってもいい。


「ソロソロ、ジュンビデキタヨ」


フェリスが3人に向かって言う。その言葉を聞いて、クレイルとレギオンは後ろに下がる。


「一体どんな大技が来るんだ?」


「タノシミ二シトクトイイネ」


スカルザウルスが4人に向かって走る。それを見て、アインが言う。


「そんなにゆっくりしていていいの? 相手、こっちに来てるけど」


「まあ、待っとけ、大丈夫だし、動きが止まったから」


スカルザウルスの動きが止まっている。いや正確には動けないと言ったほうがいいのだろうか。スカルザウルスの精神と肉体が分離されたとでも言っておこう。


「『災禍のからくり人形』(アヤツリニンギョウ)」


スカルザウルスのあらゆるところに糸がつけられている。そして、フェリスの指には糸がある。


「コレデサヨウナラネ」


フェリスが指を少し動かすと、スカルザウルスは音を立てて倒れて行き、骨も塵となって跡形も無くなった。


「あれが、フェリスのスキル『アヤツリニンギョウ』だ。相手の全身に糸をつけないといけないが、その作業さえ終われば、塵となるか、操り人形になるかのどちらかを選択出来る。まあ、はっきり言ってチートだな」


「タタカイモオワッタシ、ツギイクヨ」


そう言って4人は他のところに向かった。








アリサとダスクの攻防は続いている。アリサの『花の世界』(フラワーワールド)によって、ダスクの『ダメージカウント』は封印出来たものの、流石『堅将』。守りは堅い。だがアリサも負けてはいない。アリサの武器は『レイピア』。斬るというよりかは、刺すという武器である。彼女の攻撃は素早いが、ダスクの盾はそれなりに面積があるため、中々本体に攻撃が通らない。


(中々、崩れないわね。あのスキルはとっておきたいし、薬も使いたくない。なら…………!)


アリサら後ろに跳ぶ。そして、詠唱を開始する。アリサの周りを花が包む。


(このスキルは発動させてはマズイ! なら、早く崩すまで!!)


ダスクの盾の中心が開く。盾が砲台となる。砲台に光が集まる。


「発射!!」


極太のビーム砲が発射される。それが花に当たる前に、花が散り、ビームが弾かれる。


(弾かれている!? フルチャージのビーム砲が!? くそ!! 早く砲台をしまわなければ!!)


ダスクはそう考えた瞬間、彼女はそこにいた。剣を構え、目はガラ空きとなった喉を狙っている。


「貴方の敗因を教えてあげるわ」


剣にオーラが集まる。


「貴方は『将』が『帝』に勝とうとした。ただそれだけよ」


剣がダスクの喉を貫く。


「頭が高い。ひれ伏せ」


ダスクは糸が切れた、操り人形みたいに、倒れる。










アレンとゼノンの戦いは、止まらない。ゼノンの『大魔神の書庫」は常に本を持ち続けないといけないが、このゲームの全てのスキルをコピーし、最善の手を自動的に打つというスキル。アレンの『モードウロボロス』は、常に自分の限界を超え続けるスキル。だが、これは自分の体への負荷を考えないので、長く使い続けるとそのうち体が崩壊する。


「貴様との戦いは血湧き肉躍るな! ゼノン!!」


「意見が合うのは不本意だが、その通りだな! アレン!!」


最早、人間の枠組みを超えた戦いの中で、2人の顔を笑っていた。1秒間に何回の行動を起こしているのかすらも分からない。


「まだまだ、行けるな? ゼノン?」


「こっちはまだ2割も出してねえよ!」


「ならよかった。次は3割で行くぞ!!」


2人の戦いはまだ終わる気配がしない。2人はこの激闘を楽しんでいる。2人の戦いは白熱する。






タケルは上の服を脱ぐ。上半身はかなり鍛えられており、分厚い胸板に鍛えられた腹筋。腕にも筋肉があり、腕はかなり太い。その瞬間、周りの空気が変わった。煙を切り払い、アナザーが出てくる。アナザーは大剣を構える。タケルは手刀を作る。


「それが、君の本気か? タケル君?」


「まだ1段階だけどな。見失うなよ」


タケルの速さは音すらも置いていき、アナザーに向かう。アナザーは大剣でタケルの攻撃を受け止める。その時、爆音みたいな音がなる。


「手刀二刀流。全ての装備を外し、身軽になることで、光速くらすの速さを出すことが出来る。下手に受けようとするなよ」


アナザーの全身に傷が入る。タケルはガラ空きになっていた片手で攻撃していた。再び風を切る音がする。タケルは後ろに回り込んでいた。


「『流水』。このスキルを受け止めてみろよ!!」


流れるような動作で、アナザーを斬りつけていく。水のように鋭く、水のように流れ、水のように激しく、アナザーを斬りつけていく。


「その程度なら、私は君を過大評価していたようだな!!」


その瞬間、タケルの目の前に剣があった。タケルは攻撃を中止して、回避行動に入る。大剣は何も無い所を斬る。


「私もそろそろ、戦うために動こうか」


アナザーの体にオーラが集まる。タケルはアナザーの背後に鬼が現れたのを感じた。ようやく、アナザーが剣を握った。戦いまだ、始まってもいなかった。タケルは恐怖と興奮を覚えた。腕に集中していたオーラが全身に広がる。アナザーもまた、タケルの背後に龍を感じた。そうして、鬼と龍の戦いの火蓋が切って落とされた。









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