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④ 『生徒会』VS『SVT』

『こちらαリーダー 位置に着いた』

『βリーダー 位置に着いたぞ』

『γリーダー 位置に着いたよ』

『こちら……σリーダー いつでもいける……』

各実働部隊の班長からの連絡有り……

私の名前は冴崎さえざき 美咲みさき

Secret Volunteer Team 略して『SVT』と呼ばれる組織に所属していて ボランティア活動に励んでいる

とは言っても、私の場合はオペレーターとしてボランティアの支援をする事が主な活動なのだが……

「各チーム 厳重に警戒せよ 今回の目標は防衛だから 敵の深追いは禁止 それから誰一人として学習準備室に近づけてはならない」

『『『『了解』』』』

「戦線に待機しているβチームは生徒会の動きが確認できたら報告をする事」

『了解した』

「γチームは階段にトラップを仕掛ける事を命ずる なんとしてもそこは守ってほしい防衛ラインだ」

『了解 直ちに仕掛ける』

「αチームは広範囲の警戒を担当せよ 最後の防衛ラインの一つだから相手を怪我させない程度の攻防を許可する」

『本当に良いのか……?』

「今は緊急事態だ やらざるを得ない」

『……了解した』

「それから、σチーム あなた達の動きはこれからの活動に大幅に影響する 健闘を祈っている」

『了解……全力で防諜する』

ヘッドセットから緊張感が伝わって来る

相手が動き始める前に学校中の監視カメラをハッキングしておこう

この部屋にパソコンは二台あるので もう片方のパソコンに映像を並べる

……ん?

これは……

『こちらβリーダー 生徒会室からざわめきが聞こえる 間もなく開戦かもしれない』

……

「了解だβリーダー 現場で待機せよ」

剣道部が20人ほど武装して体育館で正座しているのは何故だ……?

嫌な予感がする……

「各チーム聞け 今回の敵は生徒会だけではないかもしれない 学習準備室に近づく人影は追い返せ 先生は通しても構わないが 怪しまれないように対処せよ」

『『『『了解』』』』

さて……向こうも時間を気にしているはずだ 来るだろう

『こちらβリーダー 動き始めた!!』

……来たか!

「了解 他のチームも警戒せよ!!βリーダー 敵戦力は!?」

『くっ……少し待ってくれ』

プツンッ

監視カメラで覗いてみると静道せいどう先輩と荒威あらい先輩、五十嵐いがらしが軽く無双をしていた

掌庭やタックルなどの相手に外傷の残らない技で相手を受け止めている

『10人 10人はこちらで抑えている』

「了解 引き続き抑えてくれ」

生徒会室を出ていきなりいた指名手配3人組に気をとられて3分の1ほどの生徒会役員の足止めに成功したようだ

監視カメラの映像の中で任意同行を振り払い続けている 断じて逃げようとはしていない

そう、このポジションで守り続けるのが彼らの役目

っと その映像の隣に並べられている映像に異変が起きる

『こちらσリーダー 何人か釣った』

映像に中で鷹宮たかみや先輩と水爪みつまが廊下を疾走して その後ろを『生徒会』の腕章をつけた人間が追いかけている

「おい、あれは指名手配中の『ショタの水爪』と……誰だっけ」

「もう一人の方誰だっけ……?」

「思い出せない……ハッそうだ!『虚無の鷹宮』!待てぇぇえええ!!」

鷹宮のインカムに入って来ているのか 遠いため小さく聞こえる生徒会役員の怒声が聞こえて来る

「待って水爪君!!ハァハァ」

「ペロペロしたい水爪君をペロペロしたい恥ずかしがって赤くなる水爪君をペロペロしたい泣きそうな目をする水爪君をペロペロペロペロ…………」

「ハァハァハァハァハァハァ……」

……何だこれ

女子が鼻血を捲きながら倒れて行く

過呼吸でぶっ倒れて気絶している奴もいるな……

「こちら司令本部 σリーダー よくやった まだ後方に何人か残っているから できるだけ学習準備室から離れたルートを走行せよ」

『了解……』

監視カメラに映る映像と脳内の校舎のマップを組み合わせる どんどんと離れて行っている

順調だ

『こちらβリーダー こちらで対処していた生徒会役員を全員保健室におくった』

「映像を確認する……負傷者は?」

『こっちもあっちもゼロだ 問題ない』

「了解……あぁ、保健室内部で気絶しているな 確認した 次は三階 階段沿いの警備が薄いから 移動してくれ」

『了解 直ちに現場に向かう』

よし……これで生徒会役員は残り3分の1といったところか……

良い動きだ 警備体制も薄いと言えば薄いが 行けるはず

……!

「こちら司令本部 体育館で異変が起きている 警戒せよ」

『こちらσリーダー……現在体育館横廊下にいる……すでに追っ手はまいた……体育館内の状況を確認する』

「了解 頼むぞ」

『SVT』の中でも最高レベルの隠密コンビだ 彼らが警戒するなら安心だ

『こ、これは……』

「どうした、状況を報告せよ 監視カメラでは音が拾えないんだ」

『報告……富寺とみでら副会長と剣道部が何やら話をしている』

「何を話しているんだ?」

『部費……?部費という単語が聞こえた気がした』

嫌な予感がする……!!

『剣道部が動き始めた!!』

やはりか……!

監視カメラの映像の中で剣士達が一斉に立ち上がった

「σチーム その場を離れろ!相手は武装集団だ!」

『了解!!』

「少し姿を見せて校庭に逃走しろ!そこから隠密でまけ!」

『んな無茶な……!』

「時間は無い 行け!」

……。

「おい、指名手配の奴じゃねーか!?」

「追え!!」

ノイズの混じる中 剣道部と思わしき声が聞こえてきた

監視カメラの映像を見る限り……剣道部は三つのグループに分けられているようだ

一つ目は今 水爪と鷹宮先輩を追っている 追尾殲滅部隊

目標を確認したら撃破する部隊だろう

撃破するまで追い続けるのがあの部隊か……

残り二つ 片方は体育館をでて 少ししたところにある教室を開け放って突入している

本部索敵部隊か……

我々の本部を探し出す部隊 地道でも一つずつ教室を見て回り 容疑者がいれば捕縛 そこが本部だったら差し押さえするのだろう

最後の一つ 八相の構えをして 走り回る武装集団は見てわかる通り あぶり出し

校内にいる容疑者を捜し出して捕縛する部隊

「各部隊よく聞け 剣道部が本件に介入した 連中は我々を血眼で探しているようだ 武装集団を持ち出したと言う事は生徒会も本気モードらしいぞ 一気にけりを付ける気かもしれん」

『『『了解』』』

『σチーム……校庭に出た 追っ手もまだ来ている』

「了解」

『見渡しが良過ぎてまけないぞ……!』

「なに!?」

『くそっ 緊急事態だ!!』

予想外だ……!!こうなるとは……

『こちらγチーム 裁凪さいなぎ 援護する』

と、インカムから聞こえる爆音

『σチーム 目を隠せ!!』

『『……!』』

急いで 窓にかかった遮光カーテンを少し開けて外を見る

ピカーン!ピカーン!ピカーン!

防具を身につけて走る集団とσチームと思わしき二人の間に数発の光が爆ぜた

「閃光榴弾!?」

鎌月かまつきに作ってもらったグレネードランチャーだ 前から訓練していたからうまくいったみたいだな』

「あぁ……いい位置に落ちている」

『こちらσリーダー 援護感謝する それから、状況報告だ こちらの剣道部は全員伸びている』

「了解 放置しておけ」

『了解』

状況を確認……

映像チェック

『こちらβチーム 生徒会役員を逃した γチームの方へ向かうぞ!!』

いま、まさに見ているところで報告が入った

「γチーム対処せよ!」

『こちらγリーダー 問題ないよ』

あぁ……あそこは裁凪先輩と葉城はしろがいるのか……

『はい、捕縛完了』

『即席ネットランチャーがうまくいったっ!!』

葉城の奴……実験もしていない武器をいきなり運用しやがって……

「了解 とりあえず放置しておけ」

映像チェック……今度こそ見逃せない

見つけたぞ!!

「生徒会役員と剣道部のあぶり出しが手を組んで四階フロアに突入した αチーム対応せよ!君たちが最後の砦だ」

『変なプレッシャー要らんよ……敵戦力は?』

「……非武装の生徒会役員が5人ほど 武装した剣道部が6人いる」



冴崎 美咲の言葉を聞いて俺 赤木あかぎ しるべは迷っていた

合計11人……ナイツオブラウンドだ……

攻撃3倍の法則に従えばこちらは負けてしまう

どうする……奇策か?

どうするんだ……

こちらのカードは 俺、銀嶺先輩、鎌月

交渉戦だな……間違いなく

武装集団相手に肉弾戦で戦ったって女子一人男子二人じゃ勝てっこない

銀嶺ぎんりょう先輩 身なりを整えて下さい 鎌月も、少し服装を整えてくれ」

「ん?なにか思いついたのかな?」

「交渉戦……ですね?」

流石 鎌月は洞察力がある

「始めよう 最高のおもてなしで」

俺が呟くと同時 廊下の向こうから集団が現れた

ほぅ……なるほどね……

敵の総大将 生徒会長 御奈沢みなざわ雨羽あまは先輩のお出ましか

ほかの面子は……普通の生徒会役員の末端か

「こんにちは 赤木君 放課後になにしているのですか?」

「ん?あぁ、こんにちは御奈沢先輩 ただの井戸端会議ですよ」

廊下の壁に銀嶺先輩が寄りかかり 俺と鎌月が話しかけてる状況を作った

そこに御奈沢先輩は話しかけて来た

うまく 普通に会話に持ち込む事ができた

このまま会話を続ければ交渉に持ち込める

「女の子でもないのにお話が好きなのね 何の話をしていたのかしら」

「僕は十分 会話を楽しみました 口が疲れてしまったので 先輩の話を聞きましょう そちらの防具を着けた方々はどなたでしょうか?」

「こちらの方達は 先日 県大会にも出場した剣道部の女子チームの皆さんです」

超武力行使……!!

「……なるほど で、僕達に何か御用でしょうか?」

「では単刀直入に話させていただくわ 昨夜 住宅地にて駆け回る黒い服を着た集団が防犯カメラに映ってたのよ あなた達の知り合い静道君と似ている服を着ていたみたいで あなた達とも関係があるとおもうから 任意同行をお願いできますか?」

ついていく訳無いだろ?

「残念ながらついていく訳にはいきません」

ここで敵対 しかしながら御奈沢先輩は始めから暴力措置に出る事は避けるはず……

「まぁ、そうね どうしたらついてきてくれますか?」

条件提示 これでこそ交渉だ

ここから死ぬ気で交渉してやる

「どうしたら僕らを見逃して頂けますか?」

御奈沢先輩の目を見ながら問う こちらのポーカーフェイスの意図だけではない 相手を見る事で感情を読み取る

だが、相手も同じ意図のようで 互いに何も見抜けない状況だ

……。

ここで 右手で目元を覆う

この動作は即席の合図で『銀嶺先輩 援護お願いします』との意味がある

すると 銀嶺先輩が壁から背を離して 生徒会達に対峙する

いや、視線は 剣道部の方向を向いている

「剣道部女子チームの皆さん こんにちは」

剣道部の方へ声をかけた……なるほど

「『美し過ぎる剣士達』と呼ばれているのは 貴女達ですね?県大会での健闘は勇ましく 大変、尊敬していますよ」

紳士の口調 相手をさり気なく褒める ふむ……

「でも、女の子は武器を持つべきではない 可愛い顔を面で隠すのも勿体ない」

ズキュゥンッ!!

銃声が聞こえた気がした

これは……諜報活動ヒューミントの手法の一つ色仕掛け(ハニートラップ)だな

異性を色仕掛けで操り情報を聞き出したり 行動を操る手法だ

確かにこの状況では良い判断かな……空気読めてないけど

「部費を減らす、と脅されたんだろう?でも、君たちは県大会に出るだけの実力の持ち主 生徒会の権限でも部費を減らすに減らせないのが現状だろう?」

「「「「「「…………!!」」」」」」

畳み掛け 相手の返事をする機会を待たずに話を進めることで 相手を聞く一方にする

これは頭の回転が速い人じゃないとできないのだが 銀嶺先輩は見事にやっている

デ◯ノートの天才も同じような口調で話しているしね 効果アリアリだ

「だとすれば その剣を向けるべきは誰かな?無関係の僕らに向けるのか、それとも部費の変更という姑息な手段で迫って来る生徒会なのか……」

ここで、銀嶺先輩の言葉は止まる

生徒会メンバーも顔を歪めているな 御奈沢先輩は思い詰めたような表情で相変わらずこちらを凝視しているが

「……抜刀!!」

ザッ

一人の女子の声が聞こえて 全員が竹刀を抜いた

同士討ち……明らかに敵わない戦力を滅ぼす際に相手同士で戦力をそがせる戦術

「投降します」

御奈沢先輩が両手をあげた事で他の生徒会役員も手を上げて 撤退して行った

……一気に静かになったな

「流石ですね 銀嶺先輩 女子の扱いがうまいです」

「天の囁きのままに動いただけさ……」

鎌月の言葉に厨二病全開で応じる銀嶺先輩

「こちらαリーダー 敵を追い返した」




「あぁ、映像で確認した まだ敵は全滅していないから気をつけろ 司令官を失った事でじきに行動力も落ちるだろうが それまでは油断できない」

『了解』

無事にうまくいったようで良かった 静道先輩の戦力配置は優れている

本当は私も戦場に赴いてみんなの支援をしたいところだがオペレーターの仕事も捨てれない

始めの頃は動きたくてウズウズしていたが 今では慣れたものだ

『こちらσリーダー 空手部が動いていないか?』

……!?

急いで映像をチェックすると いつの間にか体育館に空手の道着を着た集団がいた

いや……これは 柔道部もいる

小さくて確信は持てないが 富寺もいるようだ

「αリーダー 剣道部は何故襲って来たかわかるか?」

『恐らく生徒会に「部費の削減をする」と脅されて命令に従った様子』

外道が……あの富寺!

『全チームへ通達 空手部と柔道部も動き始めている 恐らく奴らも生徒会の使い魔になる』

『『『『……!!』』』』

『こちら裏寡うらか 増援を連れてきました』

突如聞こえて来るバイクの音と 裏寡の声

裏寡は増援を呼ぶのが任務だった……!

「裏寡 増援の戦力は!?」

『喧嘩馴れしている人間が20名と少しです』

人気のない空手部と柔道部は合計しても30人に満たない 直接ぶつければ時間稼ぎに使える……!!

「了解した 裏寡 直ちに増援を体育館に送り込んでくれ なお、敵にも外傷は残さないように増援への通達を頼む」

『了解』

これで……敵戦力はほぼ全壊

勝てた……ね

その後 柔道部と空手部は我々の増援に殲滅され 戦意を失い撤退

15分ほど学習準備室の警備を怠る事は無かったが 結局誰も攻めては来なかった

最終下校時刻を迎え 全員で帰宅した

今回のオペレーションは 少数人数でありながら大軍を相手し 勝った

多分 今晩の『アイスバーン防止作戦』は延期になるだろう

みんなご苦労だった



「御奈沢会長 申し訳ありません」

「いえいえ、あなたが謝る事ではないですよ 私も結局強行作戦の許可をだしましたから 富寺君だけの責任ではありません」

「しかしながら……あれだけ強行しても 部屋の特定はおろか 一人も捕縛する事ができなかったなんて……」

「だから彼らの団結力をなめてはいけないと言ったでしょう?彼らは信じられないほど纏まっているんですよ」

「……」

少し沈黙が流れる

「今日の騒ぎは『PTA』に知られないように注意しなくてはなりませんね」

「えぇ、そうね でも、怪我人はゼロだから問題にはならないでしょう」

「連中、手加減をして来たと言う事ですね」

「そう、本当に私たちの予想する斜めをいく人たちね では、さよなら 富寺君」

「はい、また明日お会いしましょう 会長」

そこで学校ツートップの会話は終わる

だが、戦いは終わった訳ではない

これからが戦いである


久しぶりの更新です

生徒会との戦いがやってきました

これから先 どのように話は進んで行くのか……!!

僕は何も考えていません

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