恋愛感情
小説本文 人の少ない平日昼間のカフェ。
「でね、やっぱり浮気してたんだよぉ。どうしよぅ~・・・」
背の低い1人掛けのソファーに座る私の対面には
同じ型のソファーに座り、デカい声で自分が浮気された事を話す彩奈。
彩奈の無理に作った高い声を聞いていると私の喉は釣られてギュっと締め付けられる。
どうしよぅ~って聞かれてもねぇ。
と、考えてる振りをしながら彩奈の後ろに掛かっている時計を覗くとかれこれ3時間もこうして話している。
人の恋愛話ほど退屈な話はない。
当人だから面白い話だったり、ムカつく話になるのだろうが、
周りからしてみれば、大した話ではない。
大半が、へぇそうなんだ。大変だね。で終わる話。
そんな話を3時間に渡り聞かされているこっちの身にもなって欲しい。
既に冷めてしまったココアに口を付けて、はぁ。と小さくため息を吐きながら目線を上げると、
足を組み返す度に見たくもない彼女の黒い下着が見え隠れする。
大きなため息が出た。
恋愛なんてものは、ゲームと同じだ。
当然、目的はクリアする事なのだけれど、プレイしている時間が楽しいのであって
クリアしてしまえば、他のゲームに目が行く。
恋愛だってそうだ。
付き合えるまでの駆け引きやドキドキ感は楽しいが、付き合ってしまえば
他の女や男を攻略したくなる。
それを浮気だなんだと言うんだろうが、じゃあ、君たちは違うのかと聞きたい。
今の彼氏や彼女と、付き合う前と今とではどっちが楽しいのかと。
所詮人間だって動物なのだから、本能のままに生きたっていいじゃない。
と、私は思う。
浮気だなんだと喚き散らしている奴に限って、自分自身が浮気をしているものだ。