2 マリエール
マリエールの前世の記憶は特定の個人の物ではないようだ。魂の集合体の記憶のような物だ。遥かに高い文明の記憶もあれば現世の記憶もある。
2 マリエール
マリエールには前世の記憶ある。誰々の記憶という物ではない。何時の何処の記憶かも判らない。今よりも遥かに優れた文明の記憶だ、しかも鮮明に記憶している。そしてこの世界の事も良く知っている学んでもいない事を何故知っているのだろう。更に宇宙や天界魔界の知識まである。マリエールは何時転生したのかも判らない。極生まれて間もない事は判る。マリエールはおそらく個人が転生したのではないと思っている。魂の集合体のような物が転生したのではないかと思っている。それでは個性がないようだがマリエールというアイデンティティが個性を形成している。世界の人々を幸せにしたいという希望がある。
分身体を100体ほど作った。分身体は容姿も年齢も自由に変える事ができる。この世界は10歳から冒険者になれる。就労に10歳から就けるからだ。しかし10歳では魔獣討伐は難しい。冒険者にした分身体はいずれも15歳以上だ。分身体はマリエールと共有アイテムボックスを持ち意思疎通も念話出来るし、しなくてもお互いの考えは判る。念話を使うのはやって貰いたい事がある時だ。
今日もアベルに冒険に商人の護衛依頼だ。王都までの護衛だ。アイテムボックスの有無で報酬が違う珍しいケースだ。だから是が非でもマリエールをアベルは連れて行きたい。アベルは、
「マリエールお願いだ。きみの力が必要なのだ。」
マリエールは、
「判りました。兄上、特に問題はありません。」
伯爵家は珍しく子ども専用の側近がいない。子どもの自由を奪いかねないと考えるからだ。だから、マリエールはアベルと2人で出掛ける事ができる。勿論6歳のマリエールが冒険者活動をしているとばれるわけにはいかない。分身体を屋敷に置く。
依頼主の商人はマリエールを見て驚いた。まさか依頼を受けたのがこんな少女だとは思わなかったろう。但しマリエールがアイテムボックスを持っていると聞いて納得していた。マリエールがアイテムボックスに商品を収納して出発した。商品を収納したので馬車一台で出発だ。馬車の中には商人とその妻と娘とマリエールだ。アベルは御者の隣だ。商人の娘はマリエールと同じ年頃だ。
道中マリエールは商人一家と話しをした。始めマリエールが伯爵令嬢だと聞いて動揺したが話しをしている内に打ち解けた。むしろマリエールの博識に感心した。マリエールは、
「あまり知られてないですが、オークの肉はゴブリンの肝臓と混ぜて野菜炒めすると美味しいですよ。今夜料理しますよ。召し上がって下さい。それにゴブリンの肝臓は効能があります。細菌の増殖を抑える効能があり食中毒になり難いですし傷の炎症を防ぐ効果があります。またゴブリンの胆嚢は鎮痛解熱剤と混ぜると効果が薄いエリクサーになります。子どものかんの虫などには効果があります。」
マリエールの話しは巾広い知識の裏付けがある。商人向けだったり妻向けだったり娘向けだったりした。3人はマリエールの知識に驚いた。
アベルに護衛依頼を誘われた。幼児に何をさせるのだと言いたいが引き受ける。分身体を出して屋敷で留守番させる。




