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ジェイミー・フリールと若いお嬢さん
ジェイミー・フリールは替え子を育てる
ダブリン生まれのお嬢さん
サウィンの夜に刈り取られ
妖精たちに脱穀されし耳と口
唖で聾の咎は彼女にあらず
またジェイミーの罪でもない
ジェイミー・フリールは替え子を見守る
また巡りきたサウィンの夜
古城を訪ねたジェイミーは
妖精たちの酒を奪いて脱兎の風よ
三滴の酒はお嬢さんの喉をすぎ
彼女は音と言葉をとり戻したり
ジェイミー・フリールは替え子を運ぶよ
ダブリン生まれのお嬢さん
お家の父母恋しとほろほろ泣いて
長い手紙を書いて便りて募りしも
妖精の空飛ぶ馬なく徒歩の旅路よ
そうして父母に遭う日は、来たれり来たれり
ジェイミー・フリールは替え子を抱くよ
お嬢さんは立派な乙女になったれど
父娘の名入りの指輪も悲しくて
母しか知らぬ首の黒子も虚しくて
ジェイミー・フリールは身を乗り出して
こうして替え子を育てしと熱く語れり
語る語りに嘘偽りはなく
ただありしは、できるだけ、あるがまま
人々によろしき心がありさえすれば
語る語りで草葉は育つ
ダブリンの花は満開に咲きしかな
ジェイミー・フリールは替え子を育てる
「ジェイミー・フリールと若いお嬢さん」より




