13通 #準備万端の時ほど思うようにいかない件
ーー週末、デート。
「海里くん、イルミネーション綺麗だね!!」
「そ、そうだね……」
街の広場はまるで宝石箱を開けたように、色とりどりの光で溢れ、冬の空気をきらめく魔法のように染めるが、俺の尻は新たな扉を開き、淫靡な蜜で溢れ、今はそれどころではない!!!!
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ーー遡ること1時間前。
「今日は問題のデートの日!!!」
そう、俺はこの日のために、毎日毎日『準備しておいてね』について調べたのだ!!!
だが、でぃるど(?)を買う勇気が出なかったのと、|その練習(?)《尻でのマスターベーション》をすることが出来ず、ついに、この日を迎えてしまった!!!
つまり、ぶっつけ本番!!!(※でもローションは買った!!!)
「うぉおぉおお……この我の指先で……未知なる境地の核心に肉薄するというのか……!!!(訳:自分の指で尻をほぐす)」
ドキドキしながら、ズボンと下着を脱ぎ、指先に潤滑剤を垂らす。うん、とても、ぬるぬるする。こっ、こんな状態の指を後ろに!!! ベッドに寝転がり、指先で窄みを触った。
「いっ…いざ……戦地へ突撃!!!」
つぷっ。くちゅ…。
「んあっっ…はぁっ…ちょっ…あってるの? これ……んっ……」
ほぐすとは一体、どの程度やるべきなのか……どのくらいまでやれば、ほぐれたになるのか……そこまで考えが至らなかった!!! でも柔らかくなってきたような…気持ちよくなってきたような……。
つまり……どういうこと?!?!
指先があるところで止まる。なんかよく分からないけど…ここ、きもちいい……。感じるところを押し上げた。
「はあっ…あっ…やばっ…んっ…そろそろ…やめないとっ…でもっ…はぁ…もう少し……みなみちゃ……あっ…」
ほぐすことが目的だったはずなのに、いつの間にか、南ちゃんに責められている想像をしながら、指先を動かしている自分がいる。
くちゅ…ぐちゅ。
「んあっ…はぁ…やめなきゃ…でもっあっ…はぁっ……」
気持ち良さで、息は荒くなり、目尻が垂れ下がる。こんな姿、絶対見せられない。ましてや、南ちゃんで、マスターベーションしてるなんて知られたら……。
それでも気持ち良さには勝てなくて。我を忘れ、無心に指先を動かし続けた。
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ーーデートに戻る。
ほぐすだけで良かったはずが、いじり過ぎた故に、大変なことになっているという訳だ!!!
歩くたびに、尻がキュッと締まり、とても気になる。手入れが甘かったのか、若干、腿に何かが垂れてくる感覚がする。
どうしても、そちらの方が気になって、デートに集中出来ず、そわそわしてしまう。
「なんか、今日の海里くん変じゃない?」
「俺はぜんぜん普通だよ!!」
「それ、イカれたやつが言うセリフだから」
南と手を繋ぎながら、イルミネーションの光のトンネルをくぐる。尻がイカれていても、今日は南ちゃんとデート。南ちゃんには楽しんでもらいたい。
「さ、寒くない??」
「海里くんの手、あったかいから大丈夫」
冷たい風の中、繋がれた手のぬくもりが、寒さを忘れさせるような温かさを保つ。南の手をぎゅっと、強く握ると、同じように強く握り返された。
「キスでもする? 海里くん」
「う、うん」
南がパッと手を離し、俺の頬に触れた。背伸びをして、顔を近づける姿が可愛くて、屈みたくなくなる。
「屈んでよ」
「……やだ」
「なにそれ。別にいいけど」
光の中で南の笑顔が映え、ゆっくりと唇が重なった。南の背中に腕を回し、ぎゅっと抱きしめる。初めてする、恋人みたいなことが、胸の中を暖かい気持ちで溢れさせた。
こんな夜がもっと続けば良いのに。
……続けるための『準備しておいてね』をやってきたんじゃなかったのか?
「南ちゃん……俺……準備してきたから!!」
「は?? なんの??」
「それは……その……南ちゃんが……次はちゃんと準備しておいてねって…言ったから……1人でっ……」
「えっ? ちょっと待って。え?? は?? え?? 嘘でしょ」
急に南に片尻を掴まれ、身体がびくりと震える。今そこはタブーです!!! 南ちゃぁあぁあん!!!
「南ちゃ……だめ……お願い…はぁ…やめて……」
「へぇ。避妊具用意しておいてって言ったつもりだったけど、僕の為にほぐしてきてくれたんだ?」
「ちょっ……揉まないで……んっ…はぁ…」
南の指先が割れ目に入り、頬が染まる。たったこれだけでも、自分でやった時とは比べものにならないくらい、感じてしまう。どうなってるの? この身体。
「これは今日、いちゃいちゃしなきゃだね~~っ!」
「いっ……や……えっとぉ……あるぇ??」
俺は何かを間違えた?!?! クスクスと笑う南に手を引かれるまま、怪しい雰囲気のあるホテル街へと、歩き出した。




