12通 #好きだからこそ触られたい件
「僕に触られたかったの?」
「っん……あっ…ちょっ…はぁ……んっ……」
南の指先が俺の幹を撫でる。ズボンの上からとはいえ、なんか…やっぱり……恥ずかしい!!! ここは入念に(?)心の準備をしてからじゃないと無理かも!!!
「南ちゃん……やっぱ待って……」
「僕が待つと思ってるの?」
「へ? あっえっ待っ…だっだめっ!!」
ズボンのボタンが南に外され、下着の中を南の手が這う。南の手のひらが、俺の幹を包み込んだ。
「待っ待っ待っ待って!!!!」
「はぁ? 『触ってぇ~~』って、僕にお願いしておいてうるさいなぁ」
「そんな言い方してない!!! 第一、俺の家、ご、ごむ(?)とかないから!!!」
「童貞かよ。まぁ、今日はなくてもいいや」
「へ? あっ…んっ……はぁっ……」
擦り上げられる幹に、快感で肩がびくりと上がる。どうせ童貞ですよ!!! なんか俺がシたいって思われてる!!! 恥ずかしさと気持ち良さで頬が染まる。
「今日は抜いてあげるけど、次はちゃんと準備しておいてね。海里くん」
「…………(準備とは?! なんの?!)」
「返事」
「は、はいっ……」
南の手が下着の中で上下する。全身に気持ち良さが広がり、背筋に寒気が走る。これがゾクゾクするということ? 身体の中は下腹を中心に、熱が巡った。
「海里くん、気持ちいいの?」
「っん…はぁっ…あっやっ…気持ちいいっ…ぁあっ…」
先端から蜜が滲み、南の手を滑らせる。いやらしく、ねちゃにちゃと水音が部屋に響いた。容赦なく責め立てる手に、一際大きく、膨らんでいく。
気持ち良さで下がる瞼を、一生懸命開けて、南を見ると、顎が掴まれ、強引に口唇が重なった。
「んんっ……んはあっ…んっ…みなみちゃん…おれっあっ…もうっ…」
「イッていいよ、海里くん」
南の手が、より一層早く、俺の幹を擦り上げた。
「ぁあっやめっ…んっ…あっ…はぁあっ……」
「あはっ」
激しい快感に打ち震え、身体が一瞬、強張る。下着の中に広がる、生暖かい感覚。望んだことではあるが、恥ずかしい。南の手が下着の中から引き抜かれた。
「いっぱい出たね、ほら」
「見せないで……」
南がクスッと笑いながら、俺に白濁で汚れた手のひらを見せ、そして、手のひらについた白濁を、ぺろりと舌先で舐めた。中学生とは思えない妖艶さに、思わず息を飲む。
いや、まず、いい加減、服着て!!!
「南ちゃん、これ……服!!!」
「ありがとぉ~~」
「早く着替えて!!!」
「なにもぉ~~あ、触りたくなった? 触る?? いいよ??」
「違うっ!!! 早く着替えろ!!!」
南の服を奪い、頭から被せる。南ちゃんの裸なんて見てたら、またえっちな気持ちになってしまう!!! もう今日はお帰り頂こう!!!
「んわあっ!! もぉっ!! いきなりやめて~~」
「手!!! 手通して!!!」
「子供じゃないんだからさぁ~~」
よし!! 着替え終了!! 立ち上がり、南に手を差し出した。
「家まで送る!」
「いや、いーよ。別に」
「じゃあ、近くまで!」
「近くまでなら……」
南が俺の手をぎゅっと握り、立ち上がる。俺ばっかりしてもらって、帰ってもらうのは、なんだか悪いなぁ。
そうだ!! キス…キスしよう!! 俺から!!! 南の手を引き寄せ、口唇を触れ合わせた。
がち。
「ん゛……」
「……歯が当たりましたけど」
「……ゴメンナサイ」
俺の拙い口付けに、頬を赤らめて、笑う南の姿を見て、笑みが溢れる。情事の時は大人っぽく見えるけど、こういう笑顔は可愛い。そのまま握った手を重ね合わせ、指先を絡めた。
「週末、デート楽しみだね」
「うん~~」
南を途中まで送り届け、家に戻り、お茶を飲んで一服する。ふと、あの言葉が頭を過ぎった。
『準備しておいてね』
これは、週末のデートの時には済ませておけということなのか? そもそも準備とは? 分からない。調べよう。スマホをポケットから取り出して、検索する。
「じ……自分で……ほぐす……だ……と……?!」
まじかぁあぁあぁあ!!!! 自分の指で?!?! 尻…ん×@ぬある?!?! ぁあぁあぁああ!!!!
「無理っ!!! 絶対無理!!!! どうしよう!!! でもしないといけないのかな?!?!」
スマホ片手に、汚れた下着を変えるのも忘れて、何かに取り憑かれたように、深夜まで調べた。