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「先輩!」
「甘利ちゃん?」
甘利十和が息を切らせていた。手を膝に置いて肺を酷使するように、空気を吸っていた。
「驚きましたよ。いつの間にか先輩がどっかに行ってしまったから、甘利は心配で心配で仕方がなかったんです。探したんです」
「それで、私の部屋に?」
「ええ、そうです御津さん。最近先輩が危なっかしくて甘利は見ていられないんですよ。昨夜私の部屋で凄い笑っていたのも作り笑いにしか見えなくて、心配してしまうんです」
甘利が駿河の瞳を見据えた。
「どうして、私に何も言ってくれなかったんですか、先輩の馬鹿」
兎みたいに目を真っ赤にしているのが分かった。真剣な面持ちで駿河を睨んだ。怒っていた。駿河は謝ったが「謝っても済みませんよ、本当に心配したんですから」どんな言葉もその言葉で止められてしまった。




