表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
眼帯娘とオカルト先輩  作者: 水戸
HINOTAMA
33/59

32


 黒澤駿河は大学に着くやいなや違和感を覚えた____またか、もううんざりだ。そう思った。どうして今日はこんなにもそれを感じるのだろうか?


 やけに学校内がざわついていた。

 まず、こんな雨だというのに人が多い。外にだ。何本もの傘があっちの方に____7号館の方に、花が、咲くようにさされているのが幾つも見えた。白い傘がやけに多かった。


 遠目に大きな青いブルーシートが張られていたのがチラと見えた。


 ブルーシートの周りに沢山の人がたかっていて、ざわざわと騒がしい。……何かのイベントの為の用意か? なにもこんな大雨の中やらなくてもいいじゃないか。何か怒鳴り声を上げて人を整理している。……何があったのだろう? 体が重くてあまり考える気にはならなかった。




*

 コチコチ。

 コチコチコチコチ、と時計の長針が鳴る音が雨の降りしきる中に、静かに聞こえていた。雨も随分と落ち着いて、柔かな雨へと転じていた。


「……遅いな。紗綾ちゃん」


 そんな独り言も口をついて出てきた。


 喫茶店の時計を見ると予想していたよりも短針一つぶんくらいは遅い。時間がやけに早く流れているという感覚はあるのに、長針が異常なくらいに遅く動いているように見えた。


 今日一日、いい気分で過ごせたとはとてもじゃないが言えなかった。人の出入りも多い上に、やけに学内はざわついていた。知り合いに聞こうにも今日、一つだけとっている哲学の講義に、知り合いはいなかった。


「何があったんだ?」


 駿河は気に留めないふりをしながら喫茶店の時計を見た。新しいものに変わっていた。


「先輩」


 鈴が鳴るような声。


 振り向くと、駿河は期待していたものとは別の影だった事に気付いた。


 甘利が呆然と立ち尽くしていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ