友達以上恋人未満
狩俣正志
正志は誰よりもあたしのこと理解してくれる人。
あたしには正志だけいればいい。
そう思える人。友達以上恋人未満。
「・・こいく?なき・・なき!!!」
正志の声でハッとする。
意識とんでました★てへっ
正志の怒りメータさらにアップ。
「はぁ〜・・お前って絶対俺に興味ないよな」
次は呆れてため息ですか。って、フォローしなきゃ(汗)
「あたし正志大好きだし!!興味ないワケないじゃんか!!」
一瞬・・正志の目が見開かれて、顔がほんのり赤くなった(気がした)
しばらくの沈黙の後、彼が一言
「じゃあ俺と付き合ってよ」
「ムリ〜」
すかさずあたしも一言
その間、なんと0.001秒
「また駄目か・・・いつになったら振り向いてくれるんだい?マイハニー」
「さぁ?一生だめかもね★ダーリン」
いつものようにおどける正志に
いつものようにおどけて答えるあたし
「まっ、とりあえずでるか〜〜〜!!」
気を取り直したように明るく言う。
正志が立ち上がり、あたしの前を歩く。
その背中の向こう側で正志がどんな顔をしているかあたしは知ってる。
あたしはずるい。
「やべっ!200円たりね!なき〜」
「カッコ悪!」
焦る彼。ホント、カッコ悪い。
「サンきゅ」
彼の大きな手があたしの頭を撫でる。
そして、太陽みたいな満面の笑顔。
すべてを包み込んでくれるような。
不覚にも顔がほてる。なんだか恥ずかしくて、うつむいた。
レジのお姉さんにも同じように微笑む彼。
少し黒い感情がわきあがった。
いつからだろう・・・こんなに好きになったのは。
「さあ、どこいきましょうか〜?姫。ってお前姫ってキャラじゃねえ」
声をあげて笑う正志。すかさず正志の脇腹にパンチの制裁。
悪かったわね。
チリン。。。
外にでると、雲ひとつない青空が広がり、太陽があたしたちを照らした。
正志の柔らかい茶色い髪が太陽の光を浴びて一段と明るくなった。
男の人の茶髪はあまり好きじゃなかった。なんかチャラチャラして見えるから。
でも、正志の茶髪は好き。なんでだろう、不思議だ。
・・・触れたい。
突如湧き出たその思いを悟られるのが怖くて、少し正志から離れた。
正志、気づいたかな?
いや、気づいてないな。
犬のフンらしきものを踏んで何やらあたしに訴えている彼を見て確信した。
「なき!ちょっ・・マジ靴交換して!!」
「ふざけんな!バカ正志」
・・・好きだよ。
友達以上恋人未満。踏み切れないのはあたしの方。
この距離が一番心地いいんだ。
ごめんね、正志。




