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チャイルド  作者: ポン汰
2/6

あいつ

ブーブーブーブー


朝―



目が覚める。いつもここで。

どうやらここから先は思い出さないように無意識のうちに自分でストップをかけているようだ


はぁっ・・はぁ・・・・


鼓動が速くなる。息苦しくなる。


(汗ビッショリだし。風呂はいろ。・・あ、今日着ていく服どうしよ)

タンスを適当にあさぐって白のキャミに紫のカーデ、Gパンを手にとって

誰もいない、ガランとしたリビングをぬけて風呂場へ向かう。


〜♪〜♪携帯が鳴った。

ゆずの夏色。あたしが好きな曲。


「・・・もしもし。」


「なっきちゃ〜〜〜ん!!!グッモーニン!!ところで、今何時でしょう??」


電話口からハイテンションな声。ってか、うるさいんですけど。

よく漫画とかで耳がキィーンってなるけど、こういうことかって思った。

「今〜は、1時・・・・」

はっ!!そうだ、今日12時にバナコって約束してたんだ!!やべーべ!!

「あ、ごめん今起き」

「10分まってやるよ」

電話の向こう側にあやしい微笑みのあいつが見えた。

お風呂を諦めたあたしは急いで着替え、喫茶バナコへ向かった・・



チリン。。

「いらっしゃいませ、お一人様ですか?」


「あっ、いえ、待ち合わせですから・・」



―目が泳いだ。手が震えた。あたしは人が怖い。視線が怖い。

いつも来ているのに、本当はこの小さな喫茶店でも精一杯だ。


あいつは・・探すまでもない。入口入って右側の隅っこの席。壁で隔ててあるから個室みたいになってる。これなら他の客のテーブルを通りすぎる必要もない。


あいつはいつもここにいた。


「なき!!遅いんだけど。10分でこいっつたろが」

遅刻したことにお怒りはごもっとも。・・・でもさ、10分は無理なんだよね。じっさいダッシュできたのに30分かかったからね。

野良犬が遊んでくれてるとか思ったのか、後ろからあたしと同じようにダッシュしてきたよ。

あたし犬苦手だからさ、怖くてさらにダッシュしたよ。

「ごめんってば」

まだお怒りですか。犬の件について自分がどれほど頑張ったのかアピールしようと思ったけどやめた。なんかくらだなくなった。

でも、ずっと怒っているのでなんだか腹が立ったあたしはあいつの頭を叩いた。

いって〜とうめき声をあげた。

「こっちの事情も知らないくせに」

「はァ?!どんな事情だよ?!」

話してないもんね。ごもっとも。

「・・・いい」(だってくだらないし)

「また、どうせバナナで滑ったとかくだらないことだろうがな」

そこまでくだらないくないわっ!!腹が立ったあたしは再びあいつの頭を叩いた。





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