第3話 運と不運
やることは決まっている。
ただ運に頼るだけでは勝てないこともある。
まあ最終的には運に頼るのだが。
まずは思いついた数字を言う。
「まずは13、1,638、3,340、5,469だね」
セシルに衝撃が走る。
(あっさりと言ってくれますね。一体どんな仕掛けがあるんでしょうか。でも、証拠を掴めば私の勝ちです)
俺は、この先に苦労していた。
(ここから先は、さすがに勘では出ないか…最終手段はまだ取っておきたいしな…)
このゲームでの条件は、
•紙に1〜1万までの数字を書く。
•見ないで紙に書いた数字を当てる。
工夫出来るとしたら上の「紙に1〜1万までの数字を書く」のところだ。
俺ならどうする…?
選択できるのは限定されていないところ。
「何枚の」「何でできた」紙に1〜1万までの「何の」数字を「いくつ」「どうやって」「どこに」書くのか、と思いつくのはざっとこんなもんだ。
紙の枚数はこの際数字を全て当てれば良いので関係無し。
同じく材質も関係無し。
何の数字を書いたか、これはさっき言ったので全てだろう。だが、これは勝負に直接関わる以上、細工されている可能性もある。
いくつ数字を書いたか。
‼︎
さっき言ったのは数字の「種類」であって「数」ではない。
ここまでくればあとは運で全て当たる。
どうやってどこに書いたのか、は書かれた数字の数、種類には関わらない。
「答えは、13、13、1,638、3,340、5,469じゃあないかい?」
「違います。私の勝ちですね」
勝ち誇ったように言う。
「正解は?」と問う。
「232です」
⁉︎俺が言った数字と全く違う。一体どうして‼︎
まあ、この手が使えるだなんて、俺は本当に運がいい。
「正解は232だ‼︎」
高々と声をあげて、振り向く。
「え?」
セシルは拍子抜けした声をあげる。
「だって、答えて間違えたじゃないですか‼︎しかも答えを言った後に答えるだなんて反則です‼︎」
「別に最初は答えを尋ねただけで、回答したわけじゃない。そもそも回答回数は決まっていない。それに答えを『見ないで』答えた。何にも反則はしていない」
「それはそうかもしれませんけど、始めの回答からおかしいです‼︎イカサマしてたとしか思えません‼︎」
「ただの運だよ」
「そんな訳ないですよ‼︎」
「イカサマ『発覚』は敗北でも、バレなきゃ敗北じゃないんだよ。勝負はついた。負けを認めろ」
「うぅ、全く運が悪いです」
幸薄そうな顔をして言った。
「じゃあ、これから言うことを聞いてもらおうか」




