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勝利の女神は我にあり  作者: サータン
2/4

第1話 メイドと父

2/7追記修正しました

目が覚める。


「ご気分はいかがですか?昨晩はひどい熱で大変でした。急に倒れてしまわれたのですから」


「何ともないよ」


どうやら、この茶髪ショートのメイドの娘が言うには、ここは名のある領主の屋敷で、俺はその長男だそうだ。そして昨日突然倒れて一晩中看病してくれていたらしい。


「お父様も心配なさっています。御体調が優れているようでしたら、是非お会いになってください」


「すぐ行くよ」


俺の部屋は3階にあり、今父親は1階にいるらしい。

それにしても、動きづらい。なにせこの体は10歳くらいの大きさである。今まで大人の体だった分、小さな体に馴染めない。


あれこれ考えているうちに、一階に着く。


だだっ広いリビングらしき中世風の部屋に、若い黒髪の、風格のあるガタイのいい男が立っていた。日本人に見えなくもない?


「もう体調は良いのか?心配したぞ、リョーマ」


リョーマ。それが俺の名前らしい。言わずと知れた日本人の名前のようだが、どんな理由なのだろうか。


とにかく、知らないことが、多過ぎる。そこで俺は、思い切って言ってみた。


「実は、目覚めた時から記憶がないんです」


と。


父親は一瞬驚いた顔をしたが、意外なことに笑って言った。


「お前のリョーマという名は俺の曽祖父からとっている。曽祖父もお前と同じように記憶を失い、今の領主という地位まで上り詰めた。ひょっとしたらお前は、そういう人間なのかもしれない」


父はにかっと笑い、こう言った。


「俺はナオタラード・アンダスロープ。改めてよろしくな」


この人は信頼出来る。直感でそうわかった。

坂本直足さん。うん。名前覚えた。

気を取り直して。


「こちらこそよろしくお願いします」


がっしりと握手した。


「私は側仕えのセシルと申します。よろしくお願いします」


メイドの娘が遠慮がちに言った。改めて見るとスタイルいいな。俺の見立てでは83,53,78(※個人の感想です)だ。


「彼女は博学で、記憶を失う前もリョーマの教師役だった。これから色々と教えてもらうといい」


そうして父親、ナオタラードとの初めての対面は終わった。



ーーー



3階の部屋に戻ると、俺は開口一番こう尋ねた。


「母さんは、今どこに?」


「残念ながら、去年に流行り病を患われてお亡くなりになりました」


「そうですか…」


またか、と落胆する。母親に愛されてみたかったが、叶わぬ夢となってしまったのか。


「安心してください。リョーマ様の周りには味方がたくさんいますから。私に出来ることなら何でも頼ってください」



その後、この世界について色々と質問をした。


「この世界の大勢はいまどうなっているの?」


「ここは大陸にあるアソト王国アンダスロープ領です。近隣の国々にはアムストアス王国やウーソーク国があり、同盟を結んでいます」


「そして、この世界はいたって平和です。今まで戦争の一つも起きたことがありません」



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