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第1話

異世界。人間と半獣人が共生しているから多分異世界で合ってる。 俺ー青山貴博がなぜ異世界に来たか。簡潔に説明すると

本屋で店員にバイトしないかと聞かれる。

はい、と答える。

異世界に飛ばされる。 以上である。

もう少し詳しく説明すると、貴博は学校帰りに行きつけのライトノベル専門店 "DREAM WARLD" に来ていた。 そこで仲良しの店員の優里香に「貴博君バイトしない?」と聞かれた。 しかし、バイトは校則で禁止されている。 バレたら停学だから一度断った。 しかし、自分より少し背の低い制服コスの (ここの店員は全員コスプレをしている) お姉さんに上目遣いで「人手が足りなくて困ってんだけど...」と言われて断れるほど貴博のメンタルは強くなかった。 思わず"はい"と答えると、気がついたら異世界の町の真ん中にいた。町の人は呆然と立ち尽くしている貴博を不審な目で見ている。 心を落ち着かせるために深呼吸をする。 いろいろとツッコミたい所は沢山ある。しかし、ここに優里香はいない。それどころか行くあてすら無い。


(こんな所で俺どうすればいいの...)


少し考えてから、酒場に行く事にした。ゲームでは、酒場に行くと色々な情報がもらえることが多い。 幸い酒場はすぐに見つかった。 中に入って情報をくれそうな人を探す。 主人と思われる人を発見し、声をかける。


「すみません、この辺でバ


「お前まだガキだろ。 ここはガキが来るところじゃねえ」


つまみ出された。


(なんで...酒飲みに来たわけじゃ無いのに...)


異世界に飛ばされて、酒場でつまみ出されて貴博のメンタルは限界を迎えていた。そんな貴博に声をかけてくれた女の子がいた。


「大丈夫ですか? なんか大変そうな感じですけど」


「大丈夫じゃないです。 あと大変そうじゃなくてマジで大変なんですよ!」


「...何があったんですか? 」


「こっちが聞きたいですよ! 気が付いたらここにいたし」


「やっぱりこの辺の人じゃないんですね」


「わかるんですか?」


「初めて見る服だったので。 それで、ここで何するんですか? 私に出来ることだったらお手伝いしますよ。」


「えっと、バイト探してんですけどどこかでやってないですか?」


「バイト?」


「クエストとかそんな感じのやつです。」


「それだったら役所で募集してますよ。 一緒に行きましょう。」


そう言ってね歩き出す。 貴博もそれに続く。 役所は3分くらいで着いた。


「ここです。 私はすぐ近くの薬屋にいるので何かあったら気軽に来てくださいね。そろそろ戻らないといけないので私はこれで。」


「ちょっと待って下さい。名前はなんですか?」


「私ですか?私はアンナです。あなたの名前は?」


「青山貴博です。」


「貴博さんですか。それでは貴博さん、いつでも待ってますよ。」


そう言って店の方へ行った。 貴博のメンタルが少し回復した。アンナに会わなかったら多分そのままのたれ死んでいた。


「早く終わらせて元の世界に帰ろう」


そうつぶやいて役所の中に入る。 しかし、本当に大変なのはここからだった。

ふとカバンの中身を見る。入っていたのは教科書と筆箱とスマホ。 それと初めて見る文字が書いてある紙とコインが入った袋。 そして、"貴博君へ"と書いてあるノート。 開いてみる。


貴博君へ

バイト先は異世界です。 内容はモンスターの討伐です。バイトして生活費を稼ぎながら頑張って生きてください。 魔王を倒したら願いが叶えて貰えるとかそんな感じのやつはありません。

私は異世界に飛ばす方法は知ってますが、元の世界に戻す方法は知りません。 元の世界に戻す方法がわかるまで待ってて下さい。あと、死んだら終わりなので、死なないようにして下さい。 生き返るとかそんな便利な魔法みたいなのはなかったと思います。

それでは、異世界生活を楽しんでください。

応援してるよ‼︎

優里香


最初の1ページにそう書いてあるだけだった。不安MAXだった。


「...なるほど。要するに俺は異世界でフリーターになるのか...」







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