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第23話「クリス・セブントラッド」(挿し絵あり)

 次の日の放課後、俺は一人で冒険者ギルドに来ていた。

 今日は、シオンのパートナーであり、剣聖の息子であるクリス・セブントラッドとパーティーを組むことになっている。

 実際に会ったことはないので、どんな人なのかはわからないが、前回の試験を一人で合格した事を考えれば相当な実力の持ち主だろう。


「シオンは冒険者ギルドで待ってれば、向こうから声をかけてくるって言ってたけど……」


 きっと俺より身長が高くてイケメンなんだろうな……。

 さらに女子生徒達からもモテモテで、かわいい幼馴染や義妹がいるに違いない。

 そして、許婚の美少女が突然やってきて、幼馴染や義妹との正妻戦争が始まるのだ。

 ……ってこれは最近、息抜きで読んでる小説の話だ。


「おいシンク、今日は依頼を受けないのか?」


 話しかけてきたのは冒険者ギルドで受付をやっているヴァンブーさんだった。

 ヴァンブーさんは、アーリア達と冒険者の登録をした時にいた受付の人だ。

 最初はやたらと俺に厳しかったが、依頼を何度も受けるうちに普通に話すようになっていた。


「今は人を待ってるんです、その人が来てから依頼を受けようと思います」

「そうなのか?そういや今日は珍しく一人だな、いつもは女連れのくせによ」


 そう言われてみると、俺は男子生徒とパーティーを組んだことが無い。

 シオンとカティアさんは男だけど、俺的には男子生徒とは違う存在だ。


「今日一緒に行く人は、男なんですけどね」

「へぇ、どんなやつなんだ?」

「会ったことはないんですけど、剣聖の息子らしいです」

「剣聖の息子ってことはアイツか……」


 ヴァンブーさんは、何か知ってるのだろうか?


「知ってるんですか?」

「ああ、何度かこの冒険者ギルドに依頼を受けに来てるからな」


 だとしたら俺が気づかないだけで、すれ違ったりしてるかもしれない。


「その人っていったいどんな……」

「おーい、ヴァンブーさん受付頼むよー」


 俺が質問しようとしたら、カウンターの方からヴァンブーさんを呼ぶ声が聞こえてきた。


「おう、今行く!!それじゃあ俺は仕事に戻るから、依頼を受けるなら後でカウンターに来な」


 そう言って、ヴァンブーさんは受付をするカウンターに戻っていった。


「まあ、いいか」


 結局、剣聖の息子がどんな奴なのかわからないままだが、待っていればそのうち話しかけてくるはずだ。

 そう思っていると、俺と同じ学院の制服を着た男子生徒が近づいてきた。


「キミがシンク・ストレイア君だね?」


挿絵(By みてみん)


 男子生徒の身長は俺より少し低く、顔はやや童顔で青い長髪を後ろで束ねており、腰のベルトには二本の片手剣を携えていた。


「そうだけど?」

「はじめまして、僕はクリス・セブントラッド、シオンから話は聞いてると思うけど今日はよろしく頼むよ」


 クリスはそう言うと、俺に向かって右手を差し出してくる。


「あ、ああ……よろしく頼む」


 俺はクリスの差し出した手を握って握手する。

 なんか想像してた奴と違う気がする、確かにイケメンではあるのだが、てっきり俺様は強くてカッコイイぜって感じのキザなイケメンだと思っていた。


「シンク君、キミには感謝しているんだ……シオンを救ってくれてありがとう」


 よくわからないが、なぜかお礼を言われてしまった。


「えっと、何の話だ?」

「キミは、シオンの心を救ってくれただろ?」


 もしかして、シオンが男子寮に来た日の夜の事を言ってるのだろうか?


「最近、シオンは僕に会うたびにキミの話をしてくるんだ、あんな風に楽しそうに話すシオンを見たのは初めてだよ」

「そうなのか?」


 シオンが俺の話って……いったいどんな事を話してるんだろう?


「シンク様がシンク様が……って、あれだけ言われるとパートナーとしては少し嫉妬しちゃうかな」

「えっと……」


 こういう時は謝ったほうがいいんだろうか?でも考え方によっては嫌味っぽく聞こえる可能性もあるし……。


「ごめん、こんな話されても困るよね……シオンにも僕が話した事は内緒にしておいてもらえるかな?」

「ああ、別にいいけど」

「ありがとうシンク君、これからもシオンと仲良くしてあげて欲しい」


 なんだろう……クリスって実はいい奴なんだろうか?

 パートナーとしてシオンの事を大事に思ってるっぽいし、シオンと仲良くしてる俺に対しても特に敵意は感じられない。


「シオンは友達だからな、言われなくたって仲良くするさ、クリスだってシオンと友達なんだろ?だったら……」

「僕は違うよ」

「えっ?」


 クリスの予想外の発言に俺は話を途中で止めてしまう。


「僕は彼女の事情を知りながら、何もできなかったんだ……」


 そう言ったクリスの表情は、なんとなく寂しそうだった。


「父さんの指示で僕はシオンとパートナーを組むことになったんだ、おそらくシオンも女神教団から僕と組むように言われたんだと思う」


 シオンとクリスがパートナーを組んでるのは、剣聖と女神教団の指示だったのか……おそらく剣聖と教団には繋がりがあるのだろう。


「僕達はお互いの立場もあったせいか、表面上は仲良くしてるだけの、形だけのパートナーだったんだよ……今はそれを後悔してる」

「後悔してるなら、これから仲良くすればいいんじゃないか?」


 クリスの詳しい事情は俺にはわからない、でもその後悔はきっとやり直せる後悔だと思う。


「えっ……」

「別にシオンに嫌われてるわけじゃないんだろ?だったら問題ないさ」


 そもそもシオンがクリスを嫌っていたら、俺とパーティーを組む事を頼んだりしないと思う。


「俺で良かったら協力するからさ、もう一度やり直してみたらどうだ?クリスならシオンの友達になれると思うぞ」

「シンク君……わかったよ、シオンとちゃんと話してみる」

「おう、がんばれよ」


 シオンに心を許せる友達が増えてくれたら嬉しいし、クリスにはがんばってもらいたい。


「それじゃあ、そろそろ依頼を受けに行こうか」

「いいけど、どんな依頼を受けるつもりなんだ?」


 いつもどおりモンスターの討伐だろうか?


「さっきキミに話しかける前に、ギルドの掲示板で丁度いい依頼を見つけてね……ほら、これだよ」


 クリスは掲示板の前に移動すると、貼り付けられた一枚の紙を指差す。

 そこには……。


 『盗賊の捕縛』

 依頼主 アリアドリ商人協会

 条 件 S~Dのすべてのランクの冒険者

 報 酬 2000~4000G

 内容:アリアドリの街から東の山道に出没する盗賊達の捕縛、もしくは討伐。


 ……と書かれていた。


「盗賊を捕まえる依頼か」

「もしくは討伐だね」


 討伐……つまり殺すということなのだろう。


「シンク君、キミには人間との戦闘経験を積んでもらう……キミに殺意を持った人間のね」

「なるほど、それでクリスとパーティーを組まされた訳か……」


 シオンは、俺にもしもの事が無いようにクリスと組ませたんだと思う。


「僕としては、こういう特訓のやり方はあまり好きじゃないんだけどね、対人戦の特訓をするなら闘技場で安全にできるし」


 確かに闘技場の戦闘用スペースなら安全に特訓することができる。


「シオンは、それじゃあダメだと判断したんだろ?だったらその依頼をやるだけだ」


 シオンは言っていた、短期間で強くなるなら実戦あるのみだと……なら俺はそれを信じて実行するだけだ。

 サラサと戦った時はアーリアに、黒い槍の男と戦った時はソフィーに、黒いキラービー達と戦った時はシオンに……俺は助けられてばかりだ。

 だから少しでも強くなりたい、大切な仲間を守れるように……例えそこに危険があったとしても……。


「なら、僕はシンク君を全力でサポートさせてもらうよ」

「そうですね、私もシンクさんをサポートしてあげます」


 気が付くと、俺の隣に仮面を着けた銀髪の女子生徒……カリンがいた。


「カリン、なんでここに!?」


 もしかしてカリンもシオンに特訓を手伝うように頼まれたんだろうか?


「シオンからは、僕以外に誰かが来るなんて聞いてないけど?」


 どうやらシオンに呼ばれたわけでは無さそうだ。


「偶然冒険者ギルドの中を通りかったので、お手伝いしようと思いまして」


 偶然こんな所を通りかかるなんてありえない、いったいカリンは何を考えているのだろう?


「だったら必要無いよ、僕一人で十分だ」

「そういう自信過剰な人は、つまらない事でミスをするものです、だから私も付いていきます」

「忠告ありがとう、だけどキミが一緒に来てしまったらシンク君の特訓にならないと思うんだ」

「私は邪魔にならないようにしてるので、気にしないでください」


 理由はわからないが、カリンは俺達に付いて来たいようだ。


「困ったね……それじゃあシンク君に決めてもらおうか」

「えっ、俺?」

「シンクさん、この男ホモです!!たぶんシンクさんの体を狙っています!!私を一緒に連れて行かないと変態なことになりますよ!!」


 そこは『変態』じゃなくて、『大変』だと思う。


「彼女はいったい何を言ってるんだ……」


 クリスは呆れた顔をしている。

 やはりここはカリンにちゃんと付いて来たい理由を聞こう。


「カリン、なんでそんなに付いて来たいんだ?何か理由があるんだろ?」

「その男は信用できません、だから私も付いていきます」


 クリスの方を向き、カリンはそう答える。


「どうしてだ?」

「その男は、昨日の夜に女神教団の人間と接触しています……シンクさんならその意味がわかるでしょう?」


 ようするに、カリンはクリスが教団の回し者だと言いたいようだ。

 だけど、カリンはどうしてそんな事を知っているのだろうか?


「カリンは、なんでそんなことを知ってるんだ?」

「シンクさんには、以前の事件でお世話になりましたから……私からのお返しとして、いろいろと調べさせてもらいました」


 もしかして、前に俺の部屋に来た時から、教団について色々と調べてくれていたのかもしれない。


「まさか見られていたとはね……確かに僕は教団の人間と会っていた、でもそれはシオン達に手を出さないように釘を刺すためさ、これでも剣聖の息子だからね」


 剣聖が女神教団と繋がりがあるなら、息子のクリスでも教団の連中に圧力をかけられるのだろう。


「ですが、そんな証拠はありませんよね」

「そっちも僕が教団の人間と会っているのを見ただけで、話は聞いていないんでしょ?」

「……」

「……」


 クリスとカリンはお互い無言で睨み合う。

 まあカリンの場合は仮面を着けているので、実際睨んでいるのかはわからないが……。


「じゃあ三人で行こう」


 そう提案すると、二人は俺の方を向いた。


「僕は嘘をついていない、剣聖である父に誓ってもいい!!」


 クリスは自分が疑われたと思ったのか、そんな事を言ってくる。


「勘違いしないでほしい、俺はクリスが嘘をついてるなんて思ってない、そもそも本当に疑ってるなら依頼自体受けないだろ?」


 クリスとはまだ会ったばかりだが、シオンの事を後悔していた彼が教団の回し者だとは思えない。


「確かにそうだね」

「だから、カリンを連れて行ってクリスが嘘をついてない事を証明しよう」


 一緒に来て何もなければ、カリンも納得してくれると思う。


「そうですね、あなたが嘘をついていないなら私が一緒に行っても問題ないはずです」

「……わかった、ならキミも一緒に行こう」


 こうして俺達は、3人で盗賊退治に行く事になった。





 俺達は、街の東にある山に向かって街道を歩いていた。


「きょ、今日はいい天気だな~」

「……」

「……」


 クリスとカリンは俺の発言を無視して無言で歩き続ける。

 街を出てから二人は、ずっと無言のまま何も話していない。

 正直空気が重い、ここは俺がなんとかしないと……。


「そ、そうだ!!せっかくパーティーを組んでるんだし、お互いの武器や使える魔法を知るために自己紹介をしないか?」

「そうだね、念のためやっておこうか」

「あまり気は進みませんが、いいですよ」


 今度は無視されず、二人から反応があった……ちょっと嬉しい。


「そ、それじゃあ俺から……」


 よし、ここは何かおもしろいネタを仕込んで場を盛り上げてやろう。


「あっ、シンクさんの事はもうわかってるのでいいです」

「僕もシオンから聞いてるからいいよ」

「そ、そっか……わかった」


 せっかくのネタは出番も無く終わった。


「じゃあ僕から……僕は騎士科のクリス・セブントラッド、武器は片手剣で剣術にはそれなりに自信があるよ、魔法は治癒と火、水、風、土の属性なら中級まで使えるね」


 剣術に関しては問題ないとして、それよりも騎士科の生徒で五種類の中級魔法が使えるというのは結構すごい。

 普通の騎士科の生徒なら、魔法が使えても下級魔法が一種類か二種類だ。


「さすがは剣聖の息子ですね、魔法に関しても万能ということですか」


 クリスの使える魔法の多さに、カリンも感心しているようだ。


「いやまだまだだよ、父さんはもっとすごいからね」


 剣聖の魔法に関する話は聞いたことはないが、もしかしたら上級魔法を使えるのかもしれない。


「では、次は私ですね……私は騎士科のカリン・シララギです、武器は短剣と仮面型の魔導機『サーチアイ』です、使える魔法は闇属性の下級だけですね」


 カリンの実力に関しては、一緒に戦ったことがあるのでわかっているが、魔導機の名前が『サーチアイ』というのは知らなかった。

 闇属性の下級魔法は、使用条件が限られているので、あまり使う機会は無いだろう。


「学院の生徒が魔導機を持ってるなんて珍しいね」

「私はマリネイル王国の生まれですからね、聖王国よりも魔導機が入手しやすかっただけです」


 カリンは聖王国では珍しい褐色の肌をしていると思ったら、やはり違う国の生まれだったようだ。


「カリンはマリネイル王国の出身なのに、どうしてこの学院に入学したんだ?」


 マリネイル王国に住んでいたなら、わざわざ聖王国の学院に入学する必要があるとは思えない。


「私は、お嬢様に付いてきただけです……詳しい話を聞きたければシンクさんが直接お嬢様に聞いてください」


 カリンの口から話すつもりは無いようだ。


「マリネイル王国といえば傭兵団だね、噂によると最近は聖王国にもやってきてるって話だよ」


 そういえば、カリンも自分が傭兵団の人間だったと前に言っていた気がする。


「おそらくマリネイル王国で稼げない低ランクの傭兵団が、仕事を貰うために傭兵団アピールしてるんでしょう」


 聖都では『傭兵団=強くて危険』というイメージなので、傭兵団と名乗るだけで仕事がくるのかもしれない。


「じゃあ高ランクの傭兵団はどうなんだ?」

「高ランクの傭兵団は、基本的にマリネイル王国から出てきませんし、そこまで気にしなくても大丈夫でしょう」

「もし何かあっても、この国には聖王騎士団がいるし、父さん達がなんとかしてくれるよ」


 クリスの言うとおり、団長の剣聖がいるなら、聖王騎士団が傭兵団に負けることは無いはずだ。


「あっ、そろそろ山道だな」


 街道の少し先に山道への入り口が見える。


「さて、おしゃべりはここまでにしておきましょう」

「そうだね、ここから先は気をつけて進もう」


 俺達は山道に入ると、辺りを警戒しながら進む。

 山道の周辺は林になっており、盗賊が隠れるのも容易そうだ。

 しばらく歩くと、道の途中で誰かが倒れているのを発見する。


「あれは……行ってみよう!!」


 近づいて調べて見ると、それは血塗れの女性の死体だった。

 服は着ておらず、背中には何度も刃物を刺した跡があり、指はすべて切り落とされ、目玉がくりぬかれていた。


「これは酷いな……」


 殺し方を見る限り、モンスターではなく人間がやったのだろう。


「この殺し方は、まさか!?」


 カリンが死体を見て驚いている。


「どうしたカリン?」

「い、いえ、なんでもありません……それより向こうにも死体があるみたいです」


 カリンにそう言われ、山道を進むとそこには八人の死体があった。

 死体の見た目は10代後半から20代前半の女性で、さっきの死体と似たような殺され方をしているのもあったが、中には足を切断され、体中に針が刺されているモノもあった。


「なんていうか、拷問された後に殺されたって感じだね」


 確かに、じわじわと苦しめてから殺された感じがする。

 アーリアやカティアさん達には、残酷過ぎて見せたくない光景だ。


「でも、なんでこんな山道に女性の死体ばかりあるのかな?」


 クリスの疑問はもっともだ、若い女性が大勢で山道を通るなんて普通はありえない。


「辺りを調べてみよう」


 依頼書に書かれた盗賊がやったにしては、あまりにも残酷すぎる。

 もしかしたら別の誰かが犯人かもしれない。


「それなら私が魔導機を使って、調べてみます」


 カリンがそう言うと、サーチアイの目の部分の色が変化する。


「ふむ……そこの草むらの岩陰に何かありますね」


 カリンに言われた場所を調べてみると、男物の衣服がいくつも散らばっていた。


「なんで男物の服がこんなにたくさん……」

「殺された女性達が着ていた服なんじゃないかな?」


 女性が全員男物の服を着てるなんて、どう考えてもおかしい。


「シンクさん、一旦戻って冒険者ギルドに報告しましょう……これを盗賊がやったとは私には思えません」

「そうだね、もし別の事件が絡んでいるのなら、冒険者ギルドに報告した方がいいと思う」

「わかった、それじゃあ冒険者ギルドに戻って……」


 その時、俺に向かって木の上からナイフが飛んでくる。


「なっ!?」


 それは完全な不意打ちだった、俺は慌ててマルチウェポンで防ごうとするが、今からでは間に合わない。

 だが、俺の近くにいたクリスが素早く鞘から剣を抜き、ナイフを弾き飛ばした。


「へぇ、完全に気配を消していたと思ったんだけどね……やるじゃないか」


 木の上から声がしたと思ったら、マントに身を包んだ人物が降りてきた。

 すると別の木からも、同じようにマントに身を包んだ人物が三人降りてくる。


「そんな!?サーチアイで調べた時は、木の上に人なんていなかったはずなのに……」

「そんな旧式の魔導機で、最新鋭のミラージュマントを視覚できるわけがないだろ」


 驚くカリンに向かって、マントに身を包んだ人物はそう言い放つ。


「おまえ達は何者だ?」

「アタシ達は傭兵団さ……傭兵団『イビルレイス』」


 そう名乗ってマントを脱ぎ捨てると、カリンと同じ銀色の髪をした褐色の肌の女性が現れる。

 見た目の年齢は二十台後半くらいで、大きな胸を強調した黒いボンデージ型の鎧を着ており、左手には不気味なタトゥーが彫られていた。

 それは行方不明事件の犯人である黒い槍の男と同じ、髑髏のタトゥーだった……。


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