9-6 限度って言葉知ってる?
爆発の起きた中心地から、波紋のように衝撃波が広がる。
「うきゃぁぁっ」
「くっ」
その衝撃波が衝突し、ヴィンセントとミナまで吹き飛ばされて、きりもみ状態で飛んでいくのをみつめるクライド達。
「やりすぎだろ」
「完全にオーバーキルだよね」
「本当にあの二人は怒ると見境がないわね」
べしゃりと雪上に落下する二人を見て、3人は呆れて溜息だ。
テレパシーを貰って迎えに来たアンジェロ達は、爆心地に視線をやる。数メートルも降り積もって、最早岩盤と呼べるほどに固まっていたはずの地面の雪が、クレーター上に綺麗になくなっている。
真っ白だったはずの雪原は、辺り一面紅い血液で華やかに彩られて、爆発に煽られて紅い雪は更に広範囲に広がり、周囲にぽつりぽつりと紅い花を咲かせている。
「……」
「……」
「……一体、なにを?」
ちょっと引きながら尋ねたアンジェロに、ヴィンセントは少しバツが悪そうに、ミナはてへぺろな様子で答えた。
「「中性子爆弾」」
やりすぎちゃったーと笑う二人に、SMARTはやっぱりドン引きだ。
そうこうしていると、地面が震えて地鳴りが聞こえる。すわ、敵襲かと思いながらミナ達は振り向いて、目を丸くした。
「あ」
「あ!」
「やば!」
振り返ると、ミナ達に迫っていたのは、もうもうと白煙を上げる雪の災害。
「雪崩だー!」
「きゃー!」
「逃げろー!」
「もう、爆弾なんて作るから!」
「別荘がぁぁ!」
「む、いかん。棺が壊れる!」
「あぁっ! 散らばったらテレポートできないじゃないですか! ちょっとぉぉぉ!」
今回もてんやわんやでの引っ越しとあいなった。




