表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
不死王の愛弟子  作者: 時任雪緒
7 フィンランド編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

73/140

7-10 イタリア陸軍不把握体・特殊機構体強硬対策特別執行部対特殊機構体特別捜査課特殊機構体急襲遊撃班


「”防衛”!」

 3人を飲み込んだかに思われた黒犬たちは、突然現れた炎の壁に阻まれ、その炎にもだえ苦しんだ。その炎の壁の向こう側では、「レッドクリフ」と呼ばれる少年、両手をかざしたジョヴァンニが勇ましさを湛えた瞳でヴィンセントを睨んでいる。


 ヴィンセントには何が起きたのか理解できなかった。彼らは人間だ。人間の匂いだ。なのに、ジョヴァンニの、彼らのこの能力は一体なんなのか。

 狼狽するする様子を見せたヴィンセントに対し、ジュリアスは嫌らしい笑みを浮かべる。

「どう? 伯爵。これが、俺の作り上げたSMARTだ」


 SMARTの者達はいずれも、そのベースからして人並み外れている。彼らは自分の意志に沿って、最大限に、精巧に体を動かすことが出来る。そして彼らは、それぞれが特殊な能力を有している。

 同時に膨大な情報を処理・演算することが出来る天才的なレミの頭脳、遮蔽物も透過し、数十キロ先まで見通すことが出来るレオナルドの千里眼、限界以上に筋力を増強し、そして過活動により破壊された組織を即座に修復できるクリスティアーノの再生力、特定の単語によって絶対防御をすることが出来るジョヴァンニのロマンサー。そして、ジュリアスの最強の手札――


「課長、遅くなりました」

 どこからともなく現れたアンジェロがジュリアスに敬礼を取る。ヴィンセントにも不可能な移動、行った事のない土地、海を越えて戻ってきたアンジェロ。彼らは人間だ。間違いなく人間だ。しかし、吸血鬼をも超越した能力を持っている。

 アンジェロが到着したことでジュリアスは満足そうに笑う。現代科学の粋を凝らし、人体実験を重ねて強化人間をベースに作り上げた超能力者、SMART。その中でもアンジェロの能力は突出している。

 レオナルドの千里眼も、クリスティアーノの身体強化も、ジョヴァンニの絶対防御も、レミの天才的な頭脳も、そのほかにも多くの能力を有する特殊個体。


 ふと、アンジェロが片手を上げる。すると、そこにはバチバチと青い電流がまとわりつく。それを見てヴィンセントは目を見開く。その電流はミナが雪かきの時に使っていた電気分解。なぜそれをアンジェロが。

 アンジェロに驚愕の視線を注ぐヴィンセントに、ジュリアスが嘲笑するように言った。

「アンジェロを手元に置いたのは失敗だったな。コイツは「コピーキャット」。敵に出会えば出会う程強くなる感応型」 

 今まで出会った敵や超能力者の能力を全てコピー・模倣して、使いこなすことが出来る最強の超能力、イミテーション。


 そのカードを手にするジュリアスは余裕の表情を浮かべる。

「そっちは戦えるのが2人、こっちは4人の超能力者に俺もいる。伯爵に勝ち目なんかない」

 超然と言い放つジュリアスに、アンジェロが片手を上げて「課長すみません」と割って入った。そして、上げた片手から放った高圧電流によって、ジュリアスは電流の衝撃で倒れ伏してしまった。それを見下ろして、アンジェロはいつも通りの爽やか営業スマイルで告げた。


「申し訳ありませんが、我々は本日をもって退役いたします。もう改造も投薬も、課長のヒステリーに付き合うのもウンザリです。長い間お世話になりました」


 アンジェロはそう言ってクリスティアーノとジョヴァンニを連れて消えてしまった。あまりにも唐突過ぎるボイコットに、ジュリアスは勿論、ヴィンセント達も呆然とした。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ