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不死王の愛弟子  作者: 時任雪緒
10 オーストラリア編
101/140

10-11 男だけで盛り上がらないで下さい



「少しずつ体を集めながら、生霊になってまでミナを探し回った、僕の気持ちがわかる?」

「日々伯爵の氷の視線を浴びて、日常的に死の恐怖に晒されてた俺の気持ちがわかるか?」


 と、アンジェロとアイザックの頑張りを台無しにしていると、二人から怒られた。ついでにヴィンセントにも怒られた。



 はた、とアンジェロとアイザックの目が合った。


「やぁ、アンジェロ。久しぶり」


 ぱぁっと後光が煌めく様なときめきスマイルで、アイザックの先制攻撃。


「アイザック。こんな遠いところまで、はるばるご苦労さん」


 アンジェロもバサッと華を背負った営業スマイルで応戦。


「君が人間だって知った時は驚いたよ。てっきりご主人様に不毛な片想いをしている、不思議な猫ちゃんだと思っていたからね」


 アンジェロの営業スマイルにピキリとひびが入る。 


「俺も驚いたぜ。まさか元カレが生霊になってまでストーキングしてるとは思わなかったからな」


 アイザックのときめきスマイルにもビシッとひびが入る。


「ん? 僕の聞き間違いかな? 今、元カレって聞こえた気がしたんだけど?」

 

 アイザックの周囲に風が吹き荒れ、足元から空気の渦が立ち上る。


「聞き間違いじゃないと思うぜ。今カレが言うんだから間違いねぇ」


 アンジェロの周囲の空気が緊張を帯び、パリパリと青い閃光が走る。


「あれ、何を言っているのかな? 猫として可愛がられているのを勘違いしているんじゃない?」

「そっちこそ、いつまでも彼氏ヅラしてられるって勘違いしてんじゃねーか?」


 竜巻を纏ったときめきスマイルと、雷を纏った営業スマイルが激しく睨みあう! 気圧の低下が著しい為、今夜は大荒れの模様です!




 その頃のミナ。

 

「なんかさぁ、別に私いらなくない? あの二人で決めればいいんだよ、もう」


 やっぱり仲間外れにされて不貞腐れている。

 ミナは三角座りでレミに愚痴っていた。


「僕はまだ子どもですから、大人の話は難しくてよくわかりません」


 面倒臭くなった天才少年は、子どもであることを利用して逃げようとしていた。


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