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ブラック・レイン  作者: 桐生 彰
崩れた世界、崩れる世界
2/79

1.

 ──彼は誓った。

 この世界にかりそめの平和を築こうと。

 なぜかりそめなのか、理由は簡単だ。



 この世界に、絶対的な平和は存在しないからだ。



 すべての人間が平等に愛される世界。

 すべての人間が平等に優しくされる世界。

 すべての人間が平等に生きてられる世界。

 そんなものはこの世のどこにも存在しない。



 なぜならそれは、人間自身が平等を望んでないからだ。



 それは、遥か太古から築き上げてきたとても長い歴史、人類の歴史がなによりも強く証明している。

 生まれから環境、人間性や体裁、才能や適性。

 すべてが同じ人間など存在しない。

 もし仮に、世界中の人間が平等に扱われるようなことがあれば、それは、誰もが等しく冷遇された世界。

 この世界に平等はない。

 この世界に平和はない。

 でも。

 それでも。

 彼は願った。この世界に、かりそめでもいい。どんな形でもいい。誰もが願い、そして永遠に届かないであろう、平和を。

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