ビデオレター
一組のカップルに贈られたビデオレター。
カップルは慟哭した。
喪ってしまった人をおもって。
もうあえない親友をおもって。
最初はその笑顔に惹かれたんだ。
君は独りだった僕を救ってくれた。
君がその時何を思ってたか知らないけれど。
差し延べてくれた手が−僕に向けてくれたその笑顔が−僕の孤独を取り除いてくれたんだ。
次にあったとき君は泣いていたね。
なんで泣いてたのか君は言わなかったよね。
僕は何も聞かず、何も言わずに…そっと隣に座った。
孤独から救ってくれた君に恩返しがしたかったから。
三度目にあったとき君は笑っていた。
少し無理してた笑顔だったけど−僕はあの時の恩返しができたと思ったんだ。
僕は君が好きだったんだよ。
三度目にあったときに自覚したんだ。
これが恋なのだとね。
四度目にあったとき、君と友達になった。
君といるだけで幸せだった。
友達になってから一年目くらいの時だっけ?君に恋人が出来たのは。
僕は…君からそれを聞かされたとき笑えてたかな?
それから三人でいろいろしたっけ?
いろいろなところに行ったね。
君は楽しそうだった。
君は幸せそうだった。
君が付き合い出してから二年目くらいのときだったかな?君の恋人が入院したのは。
駆け付けた僕たちは、笑って元気だといってた君の恋人に安心したっけ?
君の安堵の涙が綺麗だった。
僕は二人きりにするために病室を出たね。
遠慮しなくていいのにと二人ともいってたけど。
その後ぷらぷら歩いてる時に知ってしまったんだ。
君の恋人が重い病気で。
臓器が移植出来ないなら‐そう長くない期間で死んでしまうと。
幸いわかるほど悪化するのは末期だと言ってたけど…。
僕は…君を悲しませたくなくて−病室にかえった時にどうしたのと聞かれて…最初の嘘をついたんだ。
その後毎日お見舞いに行ったね。
そのたびに辛かったんだ。
僕はしってるけど…君達はしらなかったから。
君を悲しませたくなかったからね。
苦しかったよ、言えないことが。
半年後くらいだっけ?医者に余命宣告されたのって。
君達の顔を僕は見れなかった。
言えばよかったと後悔したよ。
君達の慟哭をみてしまったからね。
それからしばらくして、ドナーが見つかったよ。
誰だったと思う?
そうだよ。僕だったんだ。
だけど僕は健康だった。
他にドナーとなりえる人がいないと知って…膝が崩れおちたよ。
他のドナーを見つける程時間が残されてなかったからね。
日々やつれていく君達をみて…僕は−決心したんだ。
それからの僕の行動は早かったね。
君達に嘘をついてそこらじゅうを飛び回ったよ。
脳天気そうに見えてたのかな?
しばらくして、君達にあったとき君達は僕に怒りをぶつけたね。
僕はその時どんな表情してたかな?
僕は何も言わずに立ち去ったけど。
それが最後だったね。
治るって医者に言われたとき君はどんな表情してたかな?
嬉し泣きだったと僕は思うな。
二人して抱き合ってわんわん泣いてるのが思い浮かぶよ。
その後電話かけてくれてたみたいだね。
ごめんね。僕出れなかったんだ。
…言ってしまいそうだったから。
これを見てるってことは無事に手術は終わったんだね?おめでとう。
直接言えないのが残念だけど、仕方ないよね?僕もう生きてないし。
僕が勝手にしたことだから誰もうらまないでね。
せっかく命はってプレゼントしたんだから。
もう時間も残ってないし…最期にこれだけいって逝くね。
好きだよ…〇〇〇〇。お幸せにね。
●●●幸せにしてあげてね?君は僕なんだから。
バイバイ…〇〇〇〇・●●●。
僕幸せだったよ。
元気でね。
寿命で死ななかったら許さないだからね…。
欲を言えば…君達の幸せ見届けたかったなあ…。
最期にいうことじゃない気がするけどね。
私書き終わって涙出ました(;⊂)