表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
さっちゃんの猫  作者: kai
8/11

7

Sideさっちゃん



自ら知らない内に台風のように巻き込まれた。


2階建ての屋根を降りれない、ちょっと間抜けな猫を保護しまたでは良い。

俺にしがみ付いて『絶対、離れない!』的なしがみ付き方とスリつき方が可愛かったし、飼い猫だろうと思ってたんだ。


ただ、普通の猫と違って外で抱いていても暴れる事もしなければ家に入ってからもビクビクする訳でもなく俺の後をついて回ってた。


トイレの件で変わった猫だと思ったが、飼い主に教えこまれたんだと思えば納得が出来た。


迷子ポスターを作る為に猫を洗ってキスしたら、猫が女の子に化けた…。

違うな。

女の子が猫に化けてたのか。それと沸いて出たような“神様”。


しかも、神様(あいつ)

『まさか1日で、猫の姿から人間に戻るとはねぇ♪』とか言ってたよな。


て事は、風呂場でのテンパリ具合から言うと彼女自身も今日1日、何がなんだか判らない日だったんだろう。


俺に着いて来たのは…自分の立場を逆だったら…やっぱり生活の為かな。


一体俺は、これからどうすればいいんだ?


元に戻る方法なんて考えつくはずもない。

かと言って彼女を猫のまま放り出す訳にもいかない。


2人きりの時は人間でいられるって事は1人の時は?

それに、見た目が猫だから他の猫の縄張り争いに巻き込まれるかもしれない。

そういえば家族は大丈夫なのか?


諸々の疑問もあるがそれよりも、仮に一緒に生活をして行く事になったら…。


目の前にいた彼女は自分の好みド真ん中だった。

大きな目と柔らかい唇。白い体に黒い髪が水に濡れて…


思い出して大きく溜息をつき、湿った前髪をかき上げ目を瞑る。


「…まいったなぁ…。」


外見もそうだが直観的に好きになってしまうかもしれないと思った。まして、猫…。

可愛くない訳がないじゃないか!


くそ!神様(あいつ)は俺を(違う意味で)試しているのか?!


何だか思考がズレ始めたと自分でも自覚した時に脱衣所の扉が開いた。


「あの、ありがとうございました…。」


目をキョトキョトさせて『どうしよう』って顔してるな…。


先に話し合いをしたかったけど、もう少し経ってからの方がお互い冷静に話しが出来るだろ。


「よく温まった?じゃあ、俺風呂入ってくるから出たら今後の事について話合おう。」


顔を赤くし俯き「わかりました。」と言う彼女に冷蔵庫の中から水のペットボトルを渡し、風呂に入った。


俯いた彼女の顔を思い出し本気でヤバイと2回目の溜息をついた。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ