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さっちゃんの猫  作者: kai
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遅くなりましたが、10話目がやっと書けました…。


瑞希を見ると怒りで手が震えてる。


そりゃそうだろう。


初対面の好きでもない男と1日3回キスしなきゃ元に戻れないって…。

女の子にとったら拷問だよなぁ~。


俺にとっも、ある意味で拷問…。さっき、思わず頭撫でた時でさえドキドキしたもんな。

それよりも、もう1枚の手紙は瑞希に見られないようにしなければ。


『PS.ガッツキすぎて瑞希ちゃんに嫌われないようにね!てへっ☆』

てへっ☆って何だよ!

てへっ☆って!!


本当にあいつは何がしたいんだ…。


「さっちゃん、私もう諦めて猫で暮らす事にするよ」

「あぁ…ん!?」


考えてたらとんでもない言葉が聞こえたぞ?!


「そんな事とてもさっちゃんにお願いできないよ…」


やーめーてー!

そんな潤んだ目で俺をみないでくれ!!


「それに本当にいつ戻るか解らないし、神様って酷いよね…」

俯いて涙声になってる瑞希をみて抱きしめずにいられなかった。


「俺は瑞希だったら全然いいよ。」

「え?」

「瑞希は俺とキスするのは嫌?」

極力優しく瑞希に問いかけてみる。


「さっちゃんは嫌じゃない?今日あったばっかりだし、猫になるし。」

「嫌だったらもう既に追い出してるよ。」

「でも、後々もっと面倒事が増えるかもしれないよ?」

「その時はその時だろ?もう一回聞くけど、俺とのキスは嫌?」


顔を真っ赤にした瑞希は少し考えた後小さく

「嫌じゃないです」と言った。


取り繕うように「そっか」と言ったものの内心凄い嬉しかった。


まだ腕の中にいる瑞希を見ながら2枚目の手紙を思い出した。



…あいつ…判ってやってるよな…



今度あったらどうしてやろうか。


風呂場でちゃんと顔覚えたからな!!

風呂場…あれ…?今日もキス3回しないといけないって事か?


「瑞希さん?とても言いにくいんですが宜しいでしょうか?」

「はい!!何でしょう?!」


顔を真っ赤にしながら若干ひっくり返った声で返事が返ってきた。

可愛い…。


「今日のキスってあと2回?」

「いえ…猫の時に1回とお風呂場で…」

顔を真っ赤にしながら俯いた。


俺…聞き方間違えたかも。


しかし、猫の時にキスしたっけ?

相手が猫だっただけに全然記憶が…。


「気が付いて良かった!あと10分足らずで12時だからね。」

「は…はい!あの、よろしくお願いします!!」


…瑞希ってそんなにキスした事ないんじゃないか…?

「質問があるんだけど…いい?かなり失礼な質問だけど。」

「…どうぞ?」

「瑞希ってキス…した事あるよね?」


赤い顔が更に真っ赤になった。

これは…



「さっちゃんが初めてです…」



ファーストキスが猫(しかも俺は覚えてない)、セカンドキスが裸でお風呂…

今日一日で、どれだけヘビーな体験なんだ。


可哀相になって思わず「なんか・・・ごめん。」と謝ってしまった。


「いえ!!貴重な体験でしたです!!」


あぁ~、テンパってる。

でも、俺が初めてなんだ…。


優しく頭を撫で、頬っぺたにキスをした。

「さ…さっちゃん?」

瑞希と目線をあわせゆっくりと目を瞑り、瑞希にキスをした。


さすがに、雰囲気は作らなければと思ったけど少し後悔してる。



気まずい。そして、俺…抑えられないかも…。

うん。寝よう!

寝ましょう!!


「そろそろ夜遅いし寝よっか。」

「あっ…はい。」

「じゃあ、脱衣所前の部屋が寝室だから今日からそこ使って。」

「えっと…さっちゃんも一緒に寝るんですか?」


俺の事を察しての言葉だと解っていながら意地悪な事を言ってしまいたくなるよね。


「え?一緒に寝て欲しいの?」

「いえいえ!!ご遠慮します!!!さっちゃんはどうするのかなぁ~と…」

「俺はリビングのソファーとか作業部屋のベッドがあるから大丈夫だよ。」

「私がソファーでいいですよ。置いてもらう身ですし。」

「俺が作業部屋に居てると隣のリビングまで丸聞こえだし、何より生活習慣が違うからね~。

仕事で深夜、明け方帰ってくる時もあるから寝室に居てもらった方が俺的にはいいんだけど?」

「そういう事なら…」


瑞希を寝室に押し込めて、タバコを1本取り出しゆっくり吸った。

今日は色々あったけど、仕事はしないとな…。


仕事…出来る気が全然しないけど。

それにしても、意外と俺って手が早いのかも。

頭撫でたり、抱きしめたりって言うのが押さえられなかったって所が。


これからの事を思い、今日何度目か解らない溜息をつきながら作業部屋に入ろうとした時、足元に見慣れない鍵が落ちていた。


「一昨日飲んだメンバーの忘れ物かな?」

亡くさないようにテーブルの小物入れの中に掘り込み、リビングを後にした。


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