婚約破棄をした王子には、どんなざまぁがふさわしいのか?
「女神様。ざまぁなど止めてください。確かに、私は王子に一方的な婚約破棄をされて、理不尽な追放処分を受けました。ですが、私はざまぁなど望んでいません」
「これは面子の問題なのです。この女神の祝福を与えた聖女のあなたをないがしろにした人間の王子を、このままのさばらせることは私の女神としての資質が疑われます。ようはなめられたら終わりなんです」
神罰を決行しようとする女神に、哀願する聖女。
「それならば、せめて、軽い罰でお願いします」
「なりません。王子には厳しい罰を下します」
「どうか子供達だけでも見逃してください」
「え?」
「大人たちはもうしかたがありません。ですが、子供達の命だけは助けてください」
「もしかして、私が無関係の人にも罰を与えると思っているのですか?」
「王国自体に大災害を与えるのですよね」
「ええっ?」
「ざまぁってそんなもんでしょう」
「人間こわい」
「ざまぁを与えるのは王子だけなんですか」
「なんで、残念そうな顔しているのよ」
「そんなことはありません。女神様、王子へのざまぁはなるべく軽くしてあげてください」
「なりません。王子には厳しいざまぁをします」
「では、なるべく苦痛は短く死なせてあげてください」
「ちょっと待って、殺すの前提なの?」
「殺さないんですか?」
「私としては、王子の身分を剥奪して庶民の生活を経験させて己の未熟さを思い知らせるつもりなのですが」
「あの王子、女神様の悪口、言ってましたよ」
「聖女こわい」
「王子と一緒になって、私の横領の冤罪をでっちあげた、花の乙女はどうするのですか?」
「もちろん、王子とまとめてざまぁするつもりです」
「そりゃあそうですよね。あのコスプレエッチ女には当然の末路です」
「コスプレエッチ女?」
「あいつらひどいんですよ。私を聖女から失脚させるために、私が聖女の仕事をさぼっているって噂をながしやがったんですよ」
「コスプレエッチ女?」
「あげくの果てに、横領の冤罪の偽証拠まででっちあげて」
「コスプレエッチ女?」
「私、下手すれば処刑されるところでしたよ」
「ちょっと話を止めていい?コスプレエッチ女って、何?」
「あれ?女神様、気がついてなかったんですか。花の乙女の奴、私から王子を奪って得意になって、私にだけみえるように王子と手をつないだり、いちゃついたりしたんですよ。それで、あいつら、もりあがちゃったらしくて、王宮のいたるところで隠れて抱き合ったりキスしたりして。それで、エッチもするようになったんです」
「おっほほほほ。それはいけませんね」
「女神様の像の下で、エッチしていたこともありましたよ」
「うほほほほ。ますますいけませんね」
「女神様って、ゲスな話、好きですよね」
「宗教は、勤勉さを主体にゲスさをスパイスにするといい感じになるのです」
「それで、あいつらエッチするときのシチュエーションに凝るようになって、あいつらのお気に入りが、敵国に捕まった姫が無理矢理エッチされるってやつで」
「うひょひょひょひょ」
「で、囚われ姫のコスプレするのに花の乙女は無断で王妃の王冠を持ち出して、王子は敵国の軍服を着こんで、コスプレエッチをしていたわけですよ。あいつら、頭おかしいですよね。国宝の王冠でいかがわしい行為することも、王子が敵国の軍服を着ることも、国賊行為ですよ」
「それはいけませんね。ぬっほほほほほ」
「あいつらの偽証で処刑されそうになったから、あいつらの証言は信憑性がないと、コスプレエッチしていた事実を、王宮、王国全土、周辺国にばらしたんです。それで、王政自体ひっくり返りそうな大騒動になって、王子の奴が私に対して追放宣言しやがったんです。女神様、あいつらにふさわしいざまぁをお願いします」
女神はしばし考えた後で言った。
「もうざまぁ完了してるわよね」
おわり




