素直過ぎるカノジョ
所謂、【恋人】という間柄では無い僕と彼女だが、何度かの体の結び付きの関係はある。
始めたのは、彼女から。
『あたし、両くんと、そーゆうカンケイになりたいなぁ♡』
そう誘われて、断ったら、ーー手を掴まれて、其の儘彼女の胸へと押し当てられる。
『ツバサの心臓、ドクン…ドクン…って、煩いでしょ? 両くんのせいだよ? 』
赤みを帯びた顔に、潤んだ瞳で、そんな可愛い事を言われて…。それにツバサちゃんは、陰で男子からの人気が高くて……。
据え膳食わぬはなんとやらで、僕は彼女の誘いに乗った。
何度目の重なりの後からだろう? 僕は、彼女の事が好きになった。
女性として、元々魅力的だなぁと思っていたが、そーゆう「好き」じゃ物足りない。他の誰にも、彼女を取られたくない…自分の恋人なんだって、公表したい気持ちが強くなったのだ。
だが、彼女は僕の事を如何思ってるか判らない。重たい奴だって、思われたくない。
それに…【恋人】という関係を理由に、彼女を縛りたくないんだ。
彼女は、特定の誰かの恋人になる事を、望んでいるとは、思えないから…。
「……ん……両くん! 」
「!? っ……ツバサちゃん…」
「ボーッとして……ツバサとの時間、つまらなかった? 」
言って、僕の手を柔らかなたわわの片方へと持っていき、押し当てる彼女に、泣きたい気持ちが込み上げてくる。
それは、僕にだけする行為なのか?って。
「ツバサ、ね。両くんとこーやって、くっつき合うの、好き♡」
「っ……」
それは、僕以外の男には、言ってないの? って、訊きたい。
「両くんに優しくされる度に、愛されてるなぁ、って、勘違いしちゃう♡」
「………」
勘違いしてイイよ。だって、愛してるんだから。
そう、言葉にしたいのに、気持ちは喉元で留まってて、声にならない。
僕が素直にならなさ過ぎるのが悪いのか、それとも彼女が歯に浮く様な台詞を平気で口にし過ぎるのが悪いのか…。
僕は、彼女の言葉一つ一つに、嘘が含まれてると思っている。
だって、本気で好きだったら、相手の気持ちを考えて、そんなに「好き」だや「愛してる」って、軽々しく言葉にするとは思えないから…。
「両くん、好き♡」
「ッッ……」
ハニートラップに引っ掛か(か)る男って、こーゆう気持ちなのかな?
騙されてるって解ってるのに、もしかしたら自分を騙そうとしている内に、彼女も本気で僕の事を…って、都合のイイ様に思い込んで、それで……沼に堕ちていくのだろう。
僕は、女に騙されて、振り回される人生は御免だ。そう、思っているのに……ツバサちゃんなら、騙されてもいいや、と思ってしまっている。
「っ……僕も…」
「! …あたし達、両想いなんだね♡」
「………」
ーーツバサちゃん。本当に、僕の事が好き?
そう尋ねたいのに、重たい男だって思われたくなくて、結局また訊く事が出来ずに、彼女のペースに流された。
とある作品を見て、カッとなり…はい‼️(`・ω・´)❤️




