幸運発揮中
誤字脱字など読みにくいこともあると思いますが、よろしくお願いします。
4歳年下の弟はニックという名前になった。
私と同じハニーブロンドの髪にヘイゼルの瞳のとてつもなくかわいい赤ちゃんだ。
将来的に女性を泣かせるようにはなってほしくないので母と一緒に素直で誠実な男の子になるよう導いて行きたいと思う。
とはいえ私も美幼女なので、前世同様変態に目をつけられないか心配していたところさっそく誘拐されかけた。
それも2回もだ。
しかし運がいいことに、1度目は近所のパン屋のご主人に、攫われかけたところで助けてもらった。
2回目は違う男に口元を手で塞がれ抱えて走り出されたが、こちらも運良く巡回中の騎士団に助けてもらえたのだ。
さすが女神様からもらった運の良さ。
しかし残念ながら、今のところ攫われるのは回避できないのだ。
父と母は自分の身を守れるように魔法を教えてくれた。
両親が休みの日に、父からは風魔法を母からは水魔法を教えてもらっている。
ジェイコブの息子達のマークとソルも同じく魔法を練習中だ。
マークは5歳年上ということもあるのか、なかなか上手だ。
私にも土魔法をアドバイスしてくれる。
ソルは同じくらいかも。
せめて攫われないように、魔法で防御できるようになりたい。
今世は絶対に普通の幸せをつかむのだ。
そんな中、父の支店をめぐる出張の時期がきた。
両親は毎年一度、国内にあるロイド商会の支店を馬車で順番に巡っているのだが、去年は母が妊娠中だった為、父とジェイコブで行っていた。
今年も父とジェイコブで行くのだろうと思っていたら、
「今年はソフィアもついてくるかい?」
と父から誘ってくれたのだ。
「行く!絶対行きたい!」
他の町なんて見てみたいに決まっている。
こうして父とジェイコブと私で行く支店巡回の旅が決まった。
店にて旅の準備をしていると、ソルが羨ましそうに言った。
「いいなあ、俺も行きたいな」
「ソフィアはマリナの代わりに支店を見に行くんだ。それにしっかりしているうえに4属性使えるから旅にも助かるし」
ジェイコブがソルを宥めた。
「でもソフィアはまだ5歳になったばかりだろう?いくら国内とはいえ旅は心配だねえ。街道は盗賊も出ることがあるらしいし」
ニーナさんは旅の危険を心配しているようだが、正直旅には絶対に行きたい。
「そこは護衛を頼もうと思う。明日にでも冒険者協会に行くつもりだ」
冒険者!
冒険者と旅ができるなんて、ますます最高だ。
私は今の所、将来は母のような商人になりたい。
たとえこのロイド商会を弟が継ぐとしても、別で自分だけの店をやっていきたいと思っている。
こじんまりしててもいい。
父のように人と人との繋がりを大切にやっていきたいのだ。
「マリナはどう思うんだい?」
ニーナさんがニックを抱いた母に意見を求めた。
「私は行った方がいいと思うわ。できるなら小さい頃から色んな経験をさせてあげたいの」
母は私に向かってウインクした。
「それにソフィアは運がいいしね。なんとかなるでしょう」
「やった!ありがとうお母さん」
こうして私が旅についていくことが決まった。
読んでいただきましてありがとうございました。
引き続き次回もお読みいただけると嬉しいです。
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