リゴール11
誤字脱字など読みにくいこともあると思いますが、よろしくお願いします。
誤字報告とても助かっています。ありがとうございます。
「私はロイド商会会長のクリストファー=ロイドと申します」
父は改めて名乗った。
「はあ、ロイド商会会長さんがウチに商品の依頼をしてくださるのですか?ありがたいのですが、うちは見ての通り人員が足りなくて、今ある仕事も減らそうと思っています。ですからこれ以上仕事をお受けすることは難しいかと」
親方は申し訳なさそうに言った。
父はにっこり笑って言った。
「ご心配には及びません。人員不足はすぐに解消するでしょう。少々お待ちください」
そう言って父は外に出ていった。
ガチャ。
父が出ていったと思ったらすぐに戻ってきた。
「お父さん、何してるの?」
「今にわかるよ」
父はドアを開けたまま外に向かって言った。
「皆さんどうぞお入りください」
すると、男性たちが数人ゾロゾロと工房に入ってきた。
「お前達、戻ってきてくれたのか!」
親方が大きな声で言った。
「俺たち、工房が大変な時に出て行って…ずっと後悔してたんだ。出来るならもう一度この工房で働かせてもらえませんか」
その中で一番年長と思われる人が言った。
「もちろんだ。元はといえば全部俺のせいだ。本当にすまなかった」
親方は再び頭を下げた。
「残った奴らには本当に申し訳なかった。また一緒にやらせてもらえるだろうか?」
今度は男たちの中の他の人が、工房に残った職人さん達に向かって聞いた。
「おう、もちろんだ。いつ戻ってくるのかと思ってたぜ。遅かったな」
皆、なんていい人たちだ。
私もガブリエルもイーツ君も涙腺崩壊して話すことができない。
「それじゃあ私は子供達を迎えに行ってこようかね。2人共そろそろ帰りたがっていたから喜ぶよ」
おかみさんが涙を拭いて笑顔で言った。
「ああ、久しぶりに会えるのが楽しみだ」
親方はとても嬉しそうだ。
私もなんとか涙を拭いて父に尋ねた。
「お父さん、どうして出ていった職人さんたちを連れて来られたの?」
「ふふふ、商人たるもの色々なことに気がつくものだよ」
何かよくわからないが、こんな父だからこそ商会の会長が務まるのだろう。
「ともかくこれで、この工房はもう安心だ。イーツ君、改めてお願いしたい。今すぐとは言わない。この工房が落ち着いた1ヶ月後、モルドールのうちの商会の専属として来て欲しい」
父はイーツ君に向き合って言った。
「でも、お世話になった親方を置いて行くのは…。まだ見習いですし…」
それを聞いていた親方と先輩職人がイーツ君の所にやってきた。
「イーツ。お前には才能がある。ロイドさんの所はお前の才能を存分に伸ばしてくれるだろう。チャンスを逃さずやってみろ」
「そうだぞ。俺たちのことならもう心配いらない。自分のしたいようにやったらいいんだぞ」
2人も後押ししてくれて、イーツ君も前向きになったようだ。
「それなら僕もロイド商会にお世話になりたいです。1ヶ月後でよければ是非お願いします」
やったー!
イーツくんがうちに来てくれるなら楽しくなりそうだ。
「ああ、こちらからもお願いするよ。1ヶ月後、ロイド商会の馬車を迎えに行かせる。モルドールで会えるのを楽しみにしているよ」
父がこのタイミングで更にイーツ君を勧誘したのは計算だったのか?
父の方をチラリと見ると得意げにウインクしてきた。
恐ろしい父だ。
絶対に敵にしたくないタイプ。
読んでいただきましてありがとうございました。
引き続き次回もお読みいただけると嬉しいです。
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