ドリス⑥
誤字脱字など読みにくいこともあると思いますが、よろしくお願いします。
誤字報告とても助かっています。ありがとうございます。
「さっきオベリオンが花びらを撒くのを手伝っていましたよね」
「確かに妖精から花びらを撒くのを手伝ってやるって言われたけど」
何か話が噛み合わない。
「そもそも妖精が見えるのもオベリオンの祝福の影響ですよ」
ん?
「妖精って見える人は見えるものじゃないの?」
「私の知る限りでは、人間は妖精から祝福を受けないと妖精の姿を見ることはできないはずです」
「私、妖精の祝福なんて受けたっけ?」
そんな記憶ないんだけど。
「昨日オベリオンから受けてましたよ。妖精王からの祝福を」
「ようせいおうのしゅくふく…?」
オベリオンから妖精王の祝福…。
「えっ?オベリオンって妖精王なの?」
「そうですよ。ご存知なかったのですか?」
やっと話が噛み合った。
まさかオベリオンが妖精王だとか思わないでしょ。
「すいません、ずっとご存知なのだとばかり…」
「ちょっと、こっちこっち」
私はガブリエルを脇の路地に引っ張って行った。
「ステータス」
パッと私の前に自身のステータス画面が現れる。
そこの称号の欄には、妖精王の祝福と書かれていた。
「あああぁーっ!マジか!」
私は頭を抑えて地面にしゃがみ込んだ。
また、普通じゃない称号を得てしまった。
「イヤイヤ、妖精が見える人なんて他にもいるし」
「妖精王からの祝福を受けた人はまずいないですけどね」
ジロリとガブリエルを睨んだ。
現実を突きつけないでいただきたい。
「ま、まあ祝福なんてもらって困るものじゃないでしょ」
ポジティブ、ポジティブ。
「そうですよ、妖精の祝福は、ホラ、ドリスの街の皆さんも欲しがって祭りを開くくらいですし」
何かを察したガブリエルが必死でまとめようとしたいる。
「そうそう、そうだね。妖精王の祝福に他にどんな効果があるのか考えないようにするよ」
そして私は新たな称号のことは棚にあげた。
私服に着替えて、商会に帰ると皆んなが出迎えてくれた。
「すごく素敵だったわよ、ソフィアちゃん」
リジーさん達が褒めてくれるのが嬉しい。
「ありがとうございます。いい経験になりました」
「ほんとだな、ソフィア。お前は運がいいな」
父に言われ改めて今世での運の良さを実感した。
「疲れたかい?今からどうする?部屋で少し休むかい?」
父はそう聞いてくれたが、興奮しすぎて休むどころじゃない。
そして体力もあるし、体も丈夫だ。
「全然疲れてないから、もっと祭りを見て回りたいな」
そうして父と私とガブリエルは祭りの残りとドリスの街をしっかり堪能したのだった。
読んでいただきましてありがとうございました。
感想のお返事返せないことが多いですが、必ず読んでます。
引き続き次回もお読みいただけると嬉しいです。
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