ロイド商会
誤字脱字など読みにくいこともあると思いますが、よろしくお願いします。
ロイド商会に帰ると、商会のみんなが心配して待っていてくれた。
「お嬢の属性はどうでした?」
みんなを代表して聞いてきたのは、私をお世話してくれているニーナさんのご主人であるジェイコブさんだ。
ジェイコブさんとニーナさんはロイド商会が小さな店だった時から働いている家族のような存在だ。
もちろん息子のマークとソルも兄のように思っている。
「それがなんと4属性だったんだよ。光と闇以外の全部だ」
父が得意げに言う。
「4属性だって!?そんなに属性を持ってる人は初めてだよ」
ジェイコブさんも初めて見たのか。
「ソフィア、すごいね」
ニーナさんが頭をナデナデしてくれる。
「まぁ、属性全部使いこなせる人は珍しいらしいんだが、持ってるだけで大したもんだ」
「そうなんですね。それでもすごいですね」
他の従業員達も心配してくれたようでお祝いムードが流れた。
意外に普通の反応だな。
大袈裟に反応してしまった自分が少し恥ずかしい。
前世で魔法のない世界に生きてきた私は、まだ魔法のある生活に戸惑いがある。
しかしこの世界は多くの人が魔法が使える。
そして自分の属性魔法を活かして生活している。
例えば父は風魔法を使って、重い荷物を浮かせることができるし、母は水魔法で洗濯や掃除に役立てている。
もちろん魔法が使えない人や違う属性を使いたい人のために魔石に属性魔法を込めた魔道具というものも存在する。
例えば魔道コンロなどがその例だ。
ロイド商会は魔道具をはじめとする雑貨、食品、宝石や魔石、革製品といろんな物を取り扱っている。
それぞれの分野に担当がいて、それをジェイコブと父と母で取り仕切っているそうだ。
元は雑貨と食品の店ロイド商店という一つの店だったのだが、品質の良さと良心的な値段と良い接客で評判になり、店が急成長していったということだ。
今では私の家族が住んでいるモルドールの街の本店だけでなく、国内に10店舗ほどあるらしい。
あまり増やしすぎても手が回らないので、今のところこのくらいがいいのだ。
「商売は人と人との繋がりだ。縁を大切に」
これが父の口癖だ。
私も今世では人との繋がりを大切にしようと思う。
「ソフィアの魔法見てみたいな」
「俺も見たい!」
マークとソルが私に向かって言った。
そういえば、私もマークとソルの魔法を知らないな。
「私もマークとソルの魔法見てみたい。属性は何なの?」
「僕は土と水」
「俺は火と水だぜ」
ふーん、マークは土と水、ソルは火と水か。
2人とも2属性なんだね。
私も2属性くらいで良かったが、今更言ってもしょうがない。
「普通は3歳から徐々に魔力を感じる練習を始めて、10歳くらいから使えるようになる人が多いよ」
え、そんなに先は長いの?
父の言葉に驚いた。
「ソフィアも焦らずゆっくり練習すればいいわ」
確かフォンティーヌ様がすぐに使えるとか言っていたような気がする…。
まぁ練習次第でもっと早く使えている子もいるらしいのでそんなに問題はないだろう。
後でこっそり試してみよう。
読んでいただきましてありがとうございました。
引き続き次回もお読みいただけると嬉しいです。
よければ評価ブックマークもお願いします。