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運だけあればそれでいい

誤字脱字など読みにくいこともあると思いますが、よろしくお願いします。

「幸運…ですか?」


異世界の女神様の頭にハテナマークが飛んでいる。


「はい、幸運です」


「それはチートと言えないかも知れないですよ」


「はい、チートじゃなくて幸運がいいんです」


地球の姉女神様が乗り出してきた。


「運は大なり小なり人にはみんなつけられるんですよ。幸運はもともと持たせるとして、チートは基本3つまで選んでもらえるので、運以外にあと3つつけるというのはどうでしょう?」


「そうですね、それがいいですね。では、3つのチートはなんにします?」


「あとはいらないです」


「「え?」」


前世で能力の高さに妬まれてきたのだ。


次の生では平凡で幸せな人生を送りたい。


「転生先も商人の国の、普通の商人の子供でお願いします」


「え?王族や聖女でなくていいのですか?」


「はい、それでお願いします」


「それではお詫びにならないのでは」


妹女神様が心配そうにしている。


「さっき言った、幸運と健康な体と魔力、言語習得があれば大丈夫です」


「そんな普通で大丈夫なのですか?」


「はい。大丈夫です」


「あなたがそう言うのなら…でも心配なので何かあればいつでも連絡が取れるようにしておきますね。各国の神殿や教会で祈れば私と話せるようにしておくので、落ち着いたら神殿にきてくださいね」


妹女神は心配性らしい。


「私は女神フォンテーヌです。地球と違い宗派は一つなので、どの国にも街に行けば神殿や教会があります」


「わかりました。神殿に行けるようになったらお祈りしますね」


「何か困ったことになったら、いつでも頼ってくださいね」


それは心強い。


「はい、ありがとうございます」


「そうですよ、遠慮なくフォンテーヌを頼ってくださいね」


姉女神は人任せだな。


「では、転生を始めます。準備はいいですか?」


「はい、お願いします」


「それでは高梨牡丹さん、来世は良い人生を」


女神フォンテーヌの言葉と共に白い光に包まれ、意識が薄れていった。


「あ、外見と能力は今のをベースに私が決めておきますね」


あ、外見と能力を普通にというのを忘れた。


まぁ、今まで運が悪くても頑張ってきたのだ。


運が良ければきっとなんとかなるだろう。


そうして私は新しい世界に生まれ変わったのだった。


新しい名前はソフィア=ロイド、ロイド商会の長女だ。


父は、若いながらも小さな商会の会長をしている。


なかなかのイケメンで茶色の髪を短く刈り上げて、少しのあごひげがある。


瞳は濃いブルーだ。


母は、父と共に商会を立ち上げた非常に頭の良い女性らしい。


会長夫人として色々な方面に指示出ししながら、経理も担当している。


ハニーブロンドのストレートの髪とヘイゼルの瞳の美女だ。


そして私は、母からハニーブロンドのストレートの髪、父からブルーの瞳を受け継いでいる。


父も母も生まれた私をとても可愛がってくれている。


出産後まもなく仕事を再開しつつある母をサポートするための乳母のニーナさんもとても優しい肝っ玉母さんだ。


ニーナさんのご主人は父の商会で働いていて、ご主人との間には2人の息子がいるらしい。


5歳のマークと2歳のソルだ。


2人は普段は祖父母が世話しているらしいが、時々はウチにやってきて私をかまってくれる。


なんだか兄ができたみたいだ。


こうして私の新しい人生は順調に始まった。


読んでいただきましてありがとうございました。

引き続き次回もお読みいただけると嬉しいです。

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