旅の仲間が増えました
誤字脱字など読みにくいこともあると思いますが、よろしくお願いします。
誤字報告とても助かっています。ありがとうございます。
アルバーンに向かう馬車の中、父とリジーさんはガブさんこと大天使ガブリエルに色々話しかけていた。
「ガブさんはどこ出身なんですか?」
「ずっと上の方です」
「ガブさんはいつから旅をしてるんですか?」
「わりと最近になります」
ガブリエルはニコニコと愛想よく全ての質問に答えているが、返答が明らかに怪しいものもある。
天使だと隠す気はないのか。
そして、父とリジーさんはガブリエルのこの世のものとは思えない美しさに返事などあまり気にしていないのか。
ガブリエルは時々チラチラと私を見てくる。
はあ、また面倒になりそうな予感がする。
とりあえず、次の街についたら神殿に行って詳しい話を聞いてみよう。
「おーい、そろそろここらで野営に入ろうと思うがどうだ」
マルコスさんの声がかかる。
「ああ、そうしよう」
父が答えて、早速野営の準備が始まった。
「ソフィア様、何が始まるのです?」
天使は野営を知らなくて当たり前だ。
「次の街に着くまでは、夜は外で食事や眠る用意をするんだよ」
「外で!なんだか楽しそうですね。何かお手伝いできることはありますか?」
天使は料理なんかするのだろうか?
まあ、なんとかなるだろう。
「私は夕食の準備をするからガブさんはそれを手伝って」
私はガブリエルに野菜や肉の切り方を教えた。
さすが天使だかガブリエルが器用なのかわからないが初めてにしてはとても上手い。
「上手だよ、ガブさん。次はそれを鍋に入れて…」
いつもよりずっと早く夕食が出来上がった。
「ガブさん、みんなに夕食ができたって言ってきて」
「かしこまりました。ソフィア様」
ガブさんはそういうと、みんなを呼びに行った。
「んー、やっぱりソフィアちゃんのお料理は美味しいわ」
「トリスタンの街の料理も美味かったけど、嬢ちゃんの素朴な料理もまたうまい」
「ソフィア、腕をあげたな」
みんな口々に料理を褒めてくれるが、今日はガブリエルの手伝いもあった。
「ありがとう、今日はガブさんも手伝ってくれたんだよね」
私が言うと、ガブリエルはその美しい顔をくしゃくしゃにして涙を流した。
「ソフィア様にそう言っていただける日がくるなんて。光栄です。さらにソフィア様の手作りの食事までいただけるとは」
「ガブさんは大袈裟だなあ。そんなにお腹がすいてたんですか?」
父が尋ねるが、もはや涙で周りが見えていない様子。
「ガブさん?大丈夫ですか?」
これはちょっとやりすぎだ。
一度ガブリエルとちゃんと話す必要があるな。
読んでいただきましてありがとうございました。
感想のお返事返せないことが多いですが、必ず読んでます。
引き続き次回もお読みいただけると嬉しいです。
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