天使落ちてました
誤字脱字など読みにくいこともあると思いますが、よろしくお願いします。
誤字報告とても助かっています。ありがとうございます。
誘拐事件の次の日はしっかり休んで、予定より1日遅れた早朝に私達一行は次の支店に向けて出発した。
次の目的地はアルバーンという街だ。
主要な街道沿いの中継地とも言える町で、多くの旅人が食べ物を補給したり、宿で休んだりと商人や冒険者でいつも賑わっているらしい。
「しかし嬢ちゃんにとっては初めての旅で災難だったな」
マルコスさんが馬車に並んで歩く馬から話しかけてくる。
「驚いたけど、誘拐は初めてじゃないから大丈夫ですよ」
「誘拐なんて慣れるモンじゃないのよ」
リジーさんが慰めてくれる。
「確かに。今まで無事だったからといって、次も無事だとは限らない。二度と起きないように何か対策があればなあ」
お父さん、心配かけるねえ。
「そうね、私たちもずっと一緒にいるわけには行かないし」
「なんとか魔法で防げるといいんだけど」
そんな話をしてると、御者台にいるランガさんが声をかけてきた。
「街道を誰か歩いてくる。1人みたいだ」
「よし、馬車を止めろ。俺が様子を見てくる」
マルコスさんはそう言って馬を走らせた。
マルコスさんは街道に1人いる人物と少し話をすると、こちらに合図の手を振った。
合図を受けて私達は街道にいた人物の元へ近づいた。
「初めまして、私は旅の行商人ガブと申します」
銀色の髪と瞳のやたら綺麗な男性だ。
「ガブさんは、旅の途中魔物に襲われ馬を失い、ここで立ち往生していたらしい」
マルコスさんが先ほどガブさんに聞いたらしい説明をする。
「お恥ずかしい話ですが、命からがら逃げ出してここまで歩いてきたのです」
「それは大変でしたね。よければ一緒に馬車にお乗りください。どこに行く予定でしたか?」
父がガブさんに尋ねる。
「一人前の商人になるために、街から街へ旅をしていた途中でして、特に目的の場所はあるわけではないのですが次はアルバーンの街を目指していたところです」
「ほう、アルバーンでしたか。それは私達と行く先が同じですね。よければアルバーンまでこの馬車に乗って行きませんか?」
父、いくら美形だからって警戒心が無さすぎない?
「よろしいのですか?それは私にとっては願ってもない申し出ですが、素性もわからない私を旅に同行させるなんて」
ガブさんも流石に心配そうだ。
「ロイドさん、ガブさんを疑うわけじゃないけど、一緒にアルバーンまで行くのはちょっとどうかな。ソフィアちゃんもいるし」
リジーさんも心配そうだ。
「私は人を見る目は確かなんだよ、大丈夫」
父はリジーさんと私に向かって笑ってみせる。
ここはガブさんには申し訳ないがステータスを確認させてもらうか。
ガブさんを見ながら心の中でステータスオープンと唱える。
大天使 ガブリエル 天使族。
大天使だと!
そしてレベルも使える属性魔法も桁違いだ。
なんだこれ?インベントリ?空間転移?
そして最後のソフィアの守護天使ってどういうこと?
聞いてないんだけど。
「とりあえず、危険な人ではないみたい」
私が言うと、父は
「ソフィアの人を見る目は私よりさらに確かなんだ。これで決まりだな」
とガブさんをさっさと馬車にのせてしまった。
読んでいただきましてありがとうございました。
感想のお返事返せないことが多いですが、必ず読んでます。
引き続き次回もお読みいただけると嬉しいです。
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