またですか
誤字脱字など読みにくいこともあると思いますが、よろしくお願いします。
誤字報告とても助かっています。ありがとうございます。
「よし、お腹が膨れたら次は珍しい物がないか探しに行こう」
父は支店巡回に行った街で、目新しい商品がないかいつも見て回っているそうだ。
魔法袋に入れておけば簡単に持ち帰れる。
父は異国の凝った織物やアクセサリー、紅茶の茶葉などを買った。
「次はあの道具屋をみてみよう」
「いらっしゃいませ」
綺麗な女性の店員さんが出迎えてくれた。
「へえ、変わった店だな」
「ウチは魔道具を中心に取り扱っているんですよ」
ん?あれは扇風機じゃないか。
「これは心地よい風を作り出す魔道具ですよ」
やっぱりそうか。
「よければ、もっと珍しい物があるのですがご覧になりませんか?」
美女店員さんは店の奥を指し示した。
「ああ、見せてもらおう」
私と父が奥に向かおうとすると、
「奥は壊れやすいものが多いから、お嬢ちゃんはちょっとここで待っててくれる?」
と言ってきた。
「ソフィア、待てるかい?」
「うん、待ってるね」
ちぇっ、私も珍しい魔道具みたかった。
しかし幼児お断りならしょうがない。
私がひとりになったその時だった。
「こいつはかなりの上玉だな」
急に後ろから声が聞こえたかと思うと視界が真っ暗になり、乱暴に抱き上げられた感じがした。
ああ、これはアレだ。
どうやらまた、誘拐された。
一瞬意識を失ってしまったらしい。
気がつくと、私は見知らぬ部屋で横たわっていた。
周りからすすり泣きが聞こえる。
私はむくりと起き上がり、あたりを見渡した。
窓のないがらんとした倉庫のような部屋だ。
私と同じような年頃の女の子が4人、私を入れて5人だ。
どうやら今回は途中で助けられることはなかったらしい。
「あっ、目が覚めた?」
私より少し年上のような美少女が声をかけてくれた。
「ここは…」
「私達誘拐されたみたいなの」
ああ、やっぱりまた誘拐されたのか。
3回目ともなると慌てることもない。
「そうみたいね」
そこへ、ガチャリと柄の悪そうな若い男が1人入ってきた。
「お前らメシだぞ」
それぞれにパンと水を渡される。
「起きたのか」
私にパンと水を渡しながら男は私をじっくり見てきた。
「こりゃあ高く売れそうな子供だな。今回は大当たりだ」
「私たちはこれからどうなるんですか?」
私は冷静に聞いた。
「お前らは貴族達に売られるんだ。運が良ければ可愛がってもらえるだろうな」
全く、どこの誰だよ、こんなことをしてるのは。
ほんとに許しがたい。
誘拐犯の1人が戻って行ったあと、他の子供達と話をした。
こうなったら皆揃って無事に助かりたい。
「私はソフィア5歳、皆いつからここにいるの?」
最初に声をかけてくれた子が答えた。
「私はクロエ、7歳よ。一昨日に旅行でこのトリスタンの街に来て攫われたの」
黒髪に瞳は紫だろうか。
しっかりしてそうな綺麗な子だ。
「私はアイシャ6歳、私もお父様とお母様と旅行に来て攫われたんだ」
思い出したのか目に涙を浮かべた茶色の髪にグリーンの瞳の子が言った。
クロエとアイシャはどうやら他国の貴族のようだ。
2人とも家族と旅行に来ていて攫われたらしい。
あとの2人も6歳で、この国の子なのだそうだ。
私が1番年下のようだ。
多分精神年齢は私が一番上だが。
「大丈夫、絶対に助けが来るから、諦めないでいよう」
読んでいただきましてありがとうございました。
感想のお返事返せないことが多いですが、必ず読んでます。
引き続き次回もお読みいただけると嬉しいです。
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