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港町トリスタン

誤字脱字など読みにくいこともあると思いますが、よろしくお願いします。

誤字報告とても助かっています。ありがとうございます。

私達は予定通りトリスタンという街に到着した。


トリスタンは貿易が盛んな港町で、外国からもいろんな船がやってくる。


街の門で手続きをして中に入るとモルドールの街とは違う、多国籍な雰囲気にワクワクが止まらない。


「お父さん、あの人が肩に乗せているのはなあに?鳥みたいだけど」


「ああ、あの人はテイマーなんだ。モルドールの街には滅多にいないからね。魔物をテイムして仕事やクエストの手伝いをしてもらってるんだよ」


おお、テイマー。


この世界はそんな人達もいるんだ。


かわいい系やかっこいい系の魔物達と楽しく生活とかいいなあ。


「冒険者には時々いるわよ」


リジーさんが教えてくれた。


「高ランクになるとまあまあ強い魔物をテイムしている人もいるわ。まぁ動物系の魔物が多いかな。スライムを複数テイムして掃除の仕事をしてる人もいたわね」


「へえ、すごいなあ」


「売っているものも珍しい物が多いから、明日は市場を見に行ってみようか」


父が心踊る提案をしてくれた。


「やったー、市場行きたい!」


そうして私達はトリスタンの支店に到着した。


「ロイド会長、ようこそお越しくださいました」


おお、ここもなかなかに大きなお店だね。


モルドールの本店と同じように雑貨と食品がメインの品揃えだが、港町らしく漁師さんが使うような物も多い。


「ああ、みんな頑張ってるね。紅蓮の剣の皆はもう知ってるな。紹介しよう、こっちが娘のソフィアだ」


「ソフィアです。よろしくお願いします」


「会長が自慢していたとおり、すごくかわいい子ですね。それにとても賢そうだ」


「そうだろう、うちの子達は可愛くて賢いんだ」


そこまで言うと恥ずかしい。


そして父は紅蓮の剣の皆さんに


「ひとまず支店に着いたので、出発日まで自由行動でお願いします。宿は前回も泊まったところをすでに取ってあるので、名前を言ってもらえれば大丈夫です」


「おお、それはありがたいな。では2日後の朝に」


マルコスさんとランガさんは宿で休むらしい。


リジーさんは市場を軽く見てくると行ってしまった。


私は父とジェイコブの仕事を見守ろう。


次の日、午前中に父が市場に連れて行ってくれることになった。


他の街を見るのは初めてなのでとても楽しみだ。


「ソフィアはかわいいから、また攫われないようにしっかりお父さんと手を繋いで行こう」


「うん、そうする」


なんせ2度も攫われている身としては3度目なんて考えたくない。


トリスタンの市場はとても賑わっていた。


多国籍な雰囲気で、売っているものも多岐にわたる。


食品、香辛料はもちろん服にアクセサリー、カーペットや何かよくわからない道具もある。


「お父さん、すごく色んなものがあるね」


初めて見るものが多く何もかもが興味深い。


「何か気になるものや食べたいものがあるかい?」


もちろん港町といえば海の幸だ。


「あっちの串焼きみたいなやつ」


私は父の手を引っ張って、帆立の串焼きのような物のところに連れて行った。


「お嬢ちゃん、かわいいね。安くしとくよ」


「おじさん、この串2本ください!」


「はいよ、熱いから気をつけて」


うん、身がプリプリして柔らかく、焦げた醤油の香ばしさがたまらない。


ん、醤油?


「お父さん、コレって何で味付けしてあるの?」


「これかい?これはおそらくショーユだな」


ショーユ!まんま醤油じゃないか!


この世界にあったのか!


「この味つけが気に入ったのかい?うちの商会でもショーユは扱ってるよ」


え?ずっと近くにあったってこと?


時々無性に恋しくなった醤油がそんな近場にあったとは。


嬉しいけれど、もっとはやく知りたかった。


よし、これからは何か気になることは、その都度確認していこう。





読んでいただきましてありがとうございました。

感想のお返事返せないことが多いですが、必ず読んでます。

引き続き次回もお読みいただけると嬉しいです。

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