童話 にせものの岩のきもち
とてもかたい いわ。
そのいわは とてもかたい。
でも さいしょは かたくなかった。
もっと むかしは やわらかかった。
だけど みんな たたくから、
そのいわを おもしろがって たたくから、
だから いたくて しょうがなかったから、
いたくならないために かたく なるしかなかった。
みためがいわ だから、
いわのような みためだから
きっと たたいても いたくないって、
たぶん みんな そうおもったんだ。
でも にているだけで、
ほんとうは いわなんかじゃなかったから
そのにせもののいわは たたかれたら いたい。
やめてと いえたら よかったけど
ちゅうとはんぱに いわににていて
しゃべれないとこだけ いわににていて
じぶんのきもちを つたえられなかったから、
にせもののいわ だけど、
ほんもののような いわになるしか なかったんだ。