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ざまぁの好みとその周辺への雑感

作者: 甘以蔵

 こちらはざまぁへの提言エッセイが複数上がった頃にメモアプリに書き留めてた文章になります。

・注意と前提として


 個人の好みの話です。

 私は文章にさえ『性格の悪さが滲み出てる』(悪意ある見解)と言わしめるくらい性格が悪いようなので、極端な意見だと思います。

 カタルシスが好きなのとシャーデンフロイデに開き直って消極的肯定する人間の話です。


 ちゃんとそれ以外の小説も読みますし更新を楽しみにしている小説も多々あります。因習系ホラーとか推理ものとか。


 私は自分で創作をする時、キャラクターは物語のコマで愛着を早々抱かないタイプです。

 社会性をまぁまぁ理解してる方だと自分では思っているので、サイコパス(意味を深く考えず軽率に使われる方)ではありません。

 ただ純粋に性格と底意地が悪いだけです。


 以上が前提となります。




 ざまぁタグを検索するのは手軽な気持ちでカタルシスを味わいたい時です。

 ですが、そんな時気持ちよくなれない作品もあります。

 きっと共感してくれる人もいるんじゃないか?と以下に列挙します。



・ざまぁが肩透かし


 主人公が虐げられる期間と内容が長ければ長いほどざまぁ対象には簡単に死んでほしくないんですよね。

 対象者が訳もわからない内に死ぬとか、ざまぁされる側としては数あるエンドの中でも大分救いの方じゃないですか。

 思い入れというものが発生する以上、創作力学的に主人公の苦境は敵の何十倍も重いものだと思うので、主人公の苦痛の何十分一な報いを受けても「は?」ってなります。

 カタルシスのカの字の半分くらいのものです。

 望めるなら苦渋を舐めつつ底辺を這いずり回って後悔してほしい。

 そしてそれを読者の目に見えるようにしてほしい。

 簡単にフェードアウトされると消化不良な気持ちになるので、そんな話は無かったことにしてスパッと忘れることにしてます。




・急に改心するざまぁ対象


 これは小物だと『まぁその程度のイキり方なら……』と飲み込めるのでそれほど気になりません。

 ただ持論なんですが、自分の利益のためにどえらいことしでかす奴って早々反省しないと思うんですよね。

 そこで改心するなら最初からしねぇだろみたいな。自己保身のための何かか、改心したっていう思い込みの類でしょう。

 だって善悪の悪の方に100振ってる人間が10善側に戻ったところで悪90じゃないですか。


 ちなみにそんなざまぁ対象キャラの育った環境とか教育とかそういうのも考慮はあまりしません。非実在人物なので。

 ざまぁを見に来たんだし、しないという選択肢を選ばなかったキャラクターだろ苦しめくらいのもんです。




・急に更なる巨悪が出てきて最初のざまぁ対象が苦しむ前に消費されて目標が変わってしまう


 驚きます。

 人間関係ドロドロを堪能したくて昼ドラを観てたら、急に少年誌連載のバトル漫画原作のアニメが始まった感じです。

 まぁとりあえず見ますが個人的には☆1も付けなくていいか…って気持ちになります。




・ざまぁの行方が尻切れとんぼ


 肩透かしと似た感じですが、『ざまぁ対象は不幸になるのが目に見えていますが、後はご想像にお任せします』みたいな終わり方。

 別にそこに重きを置いた作品じゃないならいいんですよ。ただ『ざまぁ?』だの『ざまぁ風味』だの予防線を張らず、直球で『ざまぁ』タグで釣っておいて量刑を誤ってると釣りもしくは詐欺かなって気持ちになります。

 マイナス検索用だとして『ざまぁは少し』くらい言ってもいいと思います。そのざまぁで弾かれるんだから。


 逆に『ざまぁはありません』とか言ってると、『ざまぁ』って文字列で弾いてる読者にベストマッチなのにその人に届かないんだけど、そこはどう思ってるんだろ。

 チャンス逃すとか迂闊すぎない?


 あとユーザーミュート機能を積極的に使ってタグ詐欺する輩にざまぁするのって良くないですか。






・ざまぁについて雑観


 私は日本人なので、日本のことと『日本という極東に住む人間から見た諸外国観』で勝手に考えました。


 昼ドラやらアジア圏のドラマを見ると、陰湿側に寄ってます。

 まあ西欧諸国のそれにも権力闘争とかいじめとか足の引っ張り合いはありますけど、あけっぴろげな暴力沙汰成分が多い気がします。


 裁判になった時早めに有罪判決が出るのと、証拠足りないとか言い訳できるせいで長引くやり口なのの違いというか……。

 ※勝手なイメージです。


 これは環境の違いなんじゃないかと愚考しています。


 ナーロッパの元ネタであるヨーロッパの文化・思想・習慣の下敷きって大雑把に言うとヤハウェの宗教ですよね。

 ヤハウェの宗教って砂漠の宗教じゃないですか。

 環境が厳しいから同じ民族や同じ宗教というコミュニティの外=異教徒を殺してでも奪い取るし、コミュニティを維持するために兵隊やら駒がいるので子供が生まれる異性愛以外の形を許さない。

(素人考えですが、この当時の教義が統治や治安維持に便利だからって近代まで続けて、相互監視かつ人口が増えて多様化という概念が出てきた現代まで慣例的にダラダラ変えない/変えられないせいで齟齬が起きてる気がします)


 一方日本は島国で、水に恵まれてるので荒地みたいに奪わなくてもそれなりに食っていける(冷夏からの飢饉などのイレギュラーは除く)。

 ただし可住面積少ないし、大規模農耕で協力するために他人と寄り添いながら生きる環境。


 密な人間関係に角や波風を立てない変わりに腹の底でいろいろ思って後ろを向いて舌を出すのが日本人だというのが個人の感想です(ちなみにそういう親切で日和見で人畜無害に見せる割りに底意地の悪いところが良くも悪くも好きです)。

 そんな民族性もざまぁが流行る理由なのでは。


 余談ですが、大陸のアジア圏はおっかない宗主国の顔色伺いでそういう性質を持ったのかな?という。


 ホラーの違いもそこからかもしれない。

 アジア圏の幽霊はおどろおどろしく化けて出るし祟り殺す。

 だって幽霊の元になった人間は根に持つし執念深いし自分なら絶対に許さないって思うからああいう感じなのでは。



 SNSやらネット社会で浮き彫りになっただけで昔からこんな感じなんですよ。

 小説投稿サイトに進出してきただけで、スカッと系の書き込みは四半世紀前からネットには溢れてますし。


 昭和〜の時代劇見ると勧善懲悪とか多いじゃないですか。

 それの懲罰部分が過度に行き過ぎたのがざまぁだと思います。


 ストレスフルな世の中なので気軽にざまぁで解消したいんですよ。

 現実でそんなざまぁなんて早々できない/見れないじゃないですか。

 創作物で済ましてるだけ社会性あると思いますよ。


 また何か流行があればそっちが増えるでしょうし、好きじゃない人は気にせずざまぁをマイナス検索して見たいものだけ見ればいいと思います。

 ランキング占拠に疑問を呈したところで、農耕定住生活に入って明治になるまで育んだメンタリティなんて早々変わらないので、こういう因果応報自業自得勧善懲悪過重懲罰譚は無くならないんじゃないですか。

 変わったように見えるのは、この150年で波風立てないよう外に合わせるのが上手になったんでしょう。



 提言程度で変わるなら陰口もいじめも戦争もとっくにこの世から根絶してますよね。




次回

『異世界恋愛の長編小説の聖女系主人公学習しなさすぎてざまぁ対象が世にはばかる問題』(嘘)

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