PowerPointとペイント3Dだけで画像を作るたったひとつの冴えたやりかた
※アルファポリスで画像と具体例込みのものを公開しています。「PowerPointとペイント3Dだけでアルファポリスの表紙を作るたったひとつの冴えたやりかた」というタイトルです。
https://www.alphapolis.co.jp/novel/972009051/80597027
※上記は表紙作成に特化しているので、一般向けに少しだけ改稿しています。
※操作手順だけでいい、まとめて読みたい、文章をPDF保存したいという方向け。
テキイチと申します。私は仕事で説明用の画像を作る機会がそこそこあり、パワポで画像を作るのが趣味の一つです。英文和訳っぽい文章を考えるのも好きです。
デザインに関してはド素人なので、見栄えのよい画像の作り方は書けないのですが、パソコンの操作技術は多少書き残せるなと思ったので、これはとりあえず簡単なものでいいから自分で作りたいという方のための記録です。
タイトルを「たったひとつの冴えたやりかた」としていますが、もちろんこの作成方法が唯一という訳ではありません。普段ラノベ風の長いタイトルをつけることがないので(自分が覚えられないからです)、ここぞとばかりに荒ぶってしまいました……。一度でいいからタイトルで釣ってみたかった……。申し訳ないです……。テキイチ、お前はジェイムズ・ティプトリー・Jr.に全力で謝れ。
私はあくまでもこういう方法もあるという記録を残すだけですので、なんらかの不利益が発生した場合も責任は負いかねますことをあらかじめご了承ください。自己判断・自己責任でお願いいたします。
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画像作成に必要なソフトは以下の2点です。
・ Microsoft OfficeのPowerPoint(筆者のバージョンは2016)
・ ペイント3D(Windows 10以降に入っています)
今回はこの2点に限らせてください。「他社の類似ソフトじゃ駄目?」「Macだとどうすれば?」みたいな需要はおそらくあると思うのですが、私が持っていないので、動作確認を行えないからです。
PowerPointはOffice Personalには入っていないので、「WordやExcelじゃ駄目?」というご質問も想定できるのですが、やはりPowerPointに限らせてください。作成自体はできない訳ではないのですけど、Wordはフォントや画像の配置が面倒で、Excelはサイズ調整が少し難しいからです。そこを説明・検証する気力と体力と時間が私にはなかった。基本的に怠惰。
手順は以下の通りです。
事前準備 商用使用可能なフォント・画像・フレームの入手
↓
PowerPointの作業
1.A4サイズに設定し、図形の四角形をキャンバスにする
2.フォントや画像を配置する
3.効果をつけ、図として保存する
↓
ペイント3Dの作業 サイズ調整をする
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■ 事前準備(商用使用可能なフォント・画像・フレームの入手)
フォント
権利関係で問題が出ないように、私は商用使用可能なフォントを使うことにしています。そのように明記されたフォントを購入することもありますし、無料公開されているものをダウンロードすることもあります。検索をかける場合は、「筆記体 フォント 無料」「日本語 フォント 無料」のように、目的に応じてキーワードを設定するとよいと思います。
私がよくお世話になっているのは、コリスさん(https://coliss.com/)のまとめです。
https://coliss.com/articles/freebies/japanese-free-fonts.html
フォント以外の情報も充実している、大変ありがたいサイトです。感謝しかない。
あとはGoogle Fonts。素敵なフォントがたくさんありますし、言語での絞り込みも可能。
https://fonts.google.com
権利関係の確認を取った上でダウンロードし、解凍して、移植してください。
画像
写真が得意でしたらご自分で撮影するのもよいかと思いますし、無料の画像も検索したら出てくると思います。
SVG画像の宝の山だなあと思ったのはSVG Silhさんです。
https://svgsilh.com/ja/
権利関係大丈夫かな? と検索をかけたところ、GIGAZINEさん(https://gigazine.net)で「無料で商業利用可能」というレビューが出ていたので、ほっとしています。
https://gigazine.net/news/20211222-svg-silh/
フレーム
質量共に神と崇め奉るイチオシのサイトは、デザイン枠専門サイトFRAME Designさんです。種類が豊富な上、拡張子を選べるのが素晴らしすぎる。
https://frames-design.com
ファイル形式はSVGを強くお勧めします。ベクター形式だからです。拡大しても図が荒れないですし、色を後から変えられるのが利点。なにより軽い。サイト上でも色指定はできますが、私は黒で保存することが多いです。
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■ PowerPointの作業 1(A4サイズに設定し、図形の四角形をキャンバスにする)
特定のpxサイズの画像を作りたい時に、PowerPoint側でpxをcmに換算して作成すると、画像が結構荒くなってしまいます。そこで、PowerPoint側は規定のサイズで作成し、ペイント3Dで調整するという手順を踏むことにしました。
サイズは「デザイン」タブの「スライドのサイズ」から設定します。「ユーザー設定のスライドサイズ」をクリックし、「スライドのサイズ指定」は「A4」、「スライドの印刷の向き」は「縦」を選択します。横長にしたい場合はもちろん「横」を選択すればよいです。この設定だと最大2000px×2844pxの画像が作れます。
「新しいスライドサイズに拡大縮小」は「最大化」でよいと思います(既存のファイルを使い回す場合は、『サイズに合わせて調整』の方が上手くいくこともあります)。
サイズ設定できたら、「ホーム」タブの「新しいスライド」から白紙のスライドを挿入し、デフォルトで表示されているタイトルスライドを削除します。タイトルスライドのテキストボックスが邪魔だからです。
A4サイズのキャンバスとして、図形の四角形を挿入します。テキストボックスの余白が欄外にはみ出ることがあるのですが、はみ出した部分は透過画像になってしまうのでサイズが狂うのです。ペイント3Dでカットすればよいのですが、キャンバスがないとどこまでかがわかりづらくなってしまう。なので、私は必ず最初に設定することにしています。
「挿入」タブの「図形」から「四角形」の「正方形/長方形」を選択し、スライド上でクリックすると正方形が描かれます。この正方形をドラッグして、左隅に移動させます。赤い点線が表示されたら左隅に突き当たった合図です。
今度はスライドの右隅に向かって拡大します。こちらもちょうどよい大きさになった時に赤い点線が表示されます。
四角形の色を白に変更し、枠線を消します。右クリックで色の選択ができるので、「塗りつぶし」は「白」にし、「枠線」は「枠線なし」を選択します。
これでキャンバスとしての四角形の設定は終わりです。「スライドの複製」をして、フォントや画像を削除すれば、別の表紙作成に使い回せます。
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■ PowerPointの作業 2(フォントや画像を配置する)
PowerPointは、新しく挿入された画像・図形類が上に重なるようになっています。ということは、フレームの類を最初に挿入すると手間が少なくてすむ(重なりの順序を変えなくてよいので)。
「挿入」タブの「画像」の「このデバイス」からフレームのSVGファイルを挿入します。
SVGファイルは使用できないソフトもそれなりに多い気がするのですが、PowerPointはSVGファイルを読み取ってくれるのです! ヤッター!!
挿入したSVGファイルの向きが違った場合、「グラフィック形式」タブ(SVG画像をクリックしていると追加されるタブです)の「回転」から「右へ90度回転」を選択します。
SVG画像を拡大後にキャンバスの色を変更しようとすると、画像を移動させて戻す手間が入るので、先にキャンバスとSVG画像の色変更をします。
右クリックの「塗りつぶし」から選択するのは四角形と同じです。パッと見て「好みの色がないな」という場合、「塗りつぶしの色」というところから好きな色を選択できます。「色の設定」をクリックし、「標準」タブだと既定の色から選択でき、「ユーザー設定」だと細かい設定が可能です。
PowerPointのサイズとファイルの比率が違う場合、場合によっては縦横どちらかの余白を多めに取らないとバランスがおかしくなります。
SVG画像のフレームをつける場合は、余白を多めにしたい方向の拡大を少し控えめにすることで調整します。SVG画像本来の縦横比は違うので、「縦横比を固定する」のチェックを外し、数値を直接入力するとよいです。
「縦横比を固定する」のチェックが入っていれば、四隅をドラッグするだけで同じ比率で拡大縮小できます。チェックを外している場合でも、Shiftキーを押しながらドラッグすれば縦横比を保ったまま拡大縮小できますよ!
線は右クリックの塗りつぶしで変更します。以前使った色と同じものを使う場合、履歴の「最近使用した色」から選択すると便利です。
サイズ調整した画像をドラッグして、ガイドの赤い点線が十字に表示されたら、ど真ん中に配置できた証拠です。厳密にやりたい人は「配置」の「上下中央揃え」等を利用してください。
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■ PowerPointの作業 3(効果をつけ、図として保存する)
配置が決まったら、フォントや画像を少し目立たせるために光彩をつけます。文字の輪郭は太くするとフォントに侵食して却って見づらくなることがあり、調整が難しいです(上手く調整できるとくっきり見えてとてもよいです!)。
フォントの光彩は「図形の書式」タブの「ワードアートのスタイル」の「文字の効果」の中にあります。選択肢が限られているので、「光彩のオプション」から色と数値と透明度を設定すると早いです。
画像の光彩は「グラフィック形式」タブの「グラフィックのスタイル」の「グラフィックの効果」の中にあります。バージョンによっては「図形の書式」タブの「図形のスタイル」の「図形の効果」かもしれません。指定の方法自体はフォントの光彩と同じです。
文字をグラデーションにしたい場合は、テキストボックスに文字を書き、右クリックの「図形の書式設定」をクリックして、右に出てくる画面で設定するとやりやすいです。
「文字のオプション」をクリックし、「文字の塗りつぶし」で「塗りつぶし(グラデーション)」を選択します。「グラデーションの分岐点」の横の+マークで分岐点を増やせるので、好きな色と位置と透明度を設定します。透けない色にしたい場合は、透明度を0%にするとよいです。
効果を付け終えたら、いよいよ図として保存です。
フォント・画像・図形等、全ての要素を選択します。ショートカットはCtrl + Aです。選択したら、右クリックの「グループ化」で1つにします。この作業をしないと、図として保存したのにフォントが表示されなかったり絵がなかったりと、欠落が生じます。
PowerPointのバージョンによっては、SVG画像とフォントや図形をグループ化できない場合がありますが、その時は全選択のみしてください。
グループ化(または全選択のみ)したものを再度右クリックし、「図として保存」を選択します。保存画面が出てくるので、PNG形式で保存をすれば、表紙の元データが完成です。
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■ ペイント3Dの作業(サイズ調整をする)
ペイント3DでPNGファイルを開いた時、はみ出した部分がある場合は、トリミングを行う必要があります。テキストボックスやワードアートは、フォントの種類によっては余白がたくさん必要な場合があるため、はみ出すことが結構多いです。
画面左上の「トリミング」をクリックし、線の中央にある○部分をドラッグして、キャンバスのサイズに合わせればよいです。「サイズはどうでもいい。とにかく図ができればいいんだ!」という場合はこれで完成です。
サイズ調整が必要な場合は、縮小して微調整を行います。
例:「500px×711px」に調整する場合。
画面上方中央にある「キャンバス」をクリックし、幅に「500よりも大きい数値」を入力します。微調整をトリミングで行うため、500よりも数値が大きくないと駄目なのです。
幅に「506」と数値入力すると、綺麗に縮小できました。高さは自動的に縮小し「731」と変更されます。
再び「トリミング」をクリックし、作業がしやすいようにズームを100%にします。
幅を「500」、高さを「711」と入力し、配置をずらした方がよければ画像をドラッグして微調整をします。F12キーを2回押すと上書き保存されるので、完成です。
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最後に想定問答集です。
Q1.
指定pxサイズだとなんだか画像が荒いんですがどうすれば?
A1.
倍数で保存すれば、少し綺麗な画像になってくれます。「500px×711px」の場合、「1000px×1422px」や「2000px×2844px」で保存。ペイント3Dで調整する際、幅に「1000(2000)よりも大きい数値」を入力して、後は同じ手順です。ただし、倍数のファイルを受け付けてくれるかどうかは相手方の対応によります。
Q2.
PowerPointをA4サイズに設定するとペイント3Dでの微調整が難しいんですがどうすれば?
A2.
PowerPointのサイズを「3:4」「16:9」「B4」等で設定してみるとやりやすいかもしれないです。また、「このサイズにしたい!」という明確な数値があるのなら、「スライドのサイズ指定」を「ユーザー設定」にすれば指定できます。
以下、テキイチ自身のための用紙サイズ早見表です!
Aサイズ
A0 → 841×1189mm
A1 → 594×841mm
A2 → 420×594mm
A3 → 297×420mm
A4 → 210×297mm
A5 → 148×210mm
A6 → 105×148mm
Bサイズ
B0 → 1030×1456mm
B1 → 728×1030mm
B2 → 515×728mm
B3 → 364×515mm
B4 → 257×364mm
B5 → 182×257mm
B6 → 128×182mm
作成したファイルサイズを変更する場合、最後に出てくる「新しいスライドサイズに拡大縮小」の部分の選択肢で結構レイアウトが変わります。「最大化」と「サイズに合わせて調整」、両方をご確認の上、より適切な方をお選びください。
Q3.
ちょっとテキイチー! 文章だけだと説明の意味全然わかんないんだけどぉー! ユーザビリティ悪すぎィー!
A3.
アルファポリスで画像と具体例込みのものを公開しています!
「PowerPointとペイント3Dだけでアルファポリスの表紙を作るたったひとつの冴えたやりかた」というタイトルです。
https://www.alphapolis.co.jp/novel/972009051/80597027
あらすじと前書きにも書いてはみたのですが、見ない(表示されない)人も多いでしょうし、大事なことなので2回以上言っておきます!
とりあえず、現場からは以上です。みなさま、素敵な画像作成ライフをお送りください!