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「海神の唄」  ~Takaの唄~  作者: Taka多可
2/9

<<1:男か女か>>

「ね~多可谷(タカタニ)ぃ?」

「なんです?海神(ワタツミ)さん」

「結局君は女の子なの?男の子なの??」


.        がごん!!


・・・・・・北風の恩恵を受ける・・海と道の大地。


小さな町のそんなに大きくもない、小学校。

その児童食堂に、妙な音が響いた。

まぁ、あたし・・・【海神 このは(ワタツミ コノハ)】のせいだけどね。


・・・・あたしは、この『可愛らしすぎる』名前が苦手だ。

性格とあってない気がする。

セミロングの外撥ねパンキーヘアでこげ茶色の髪。目は黒っぽいかな。

歌うのと運動するのが大好きで、勉強は・・・・とりあえず平均点。

どこにでもいるフツーの女の子。


  海神 このは


「おい海神、あんまり変な質問するなよ。多可谷 困ってるじゃないか。」

「だって、わかんないんだもん・・・・」

「・・・どっちだと、思う?」

コカした飯碗とテーブルをあたしの渡したティッシュで拭きながら笑いかけてくる。


「ん~・・・・女の子だといいなぁ。」

フレンチフライポテトをほおばりながら言う。

「どう見たって男じゃん。」

「ぇえ~?私も女の子だと思ってたけど・・・・」

「「・・・・ ざわざわ ・・・・ ・・ ・・・・・」」


あたしたち6年1組のクラスに転校してきた【多可谷(タカタニ) (サトリ)】は 男とも女とも、とれなかった。

左足が悪いらしく、補助器具をつけている。

黒くてきれいなショートカット。

長いマツゲに凛々しい眉。

黒と茶色のコントラストのはっきりした瞳がすごくきれい。

背もそこそこ高い。

けれど、字がすごく下手だった。 (笑)


  多可谷 悟


ウチの学校の出席簿は男女混合の〔あいうえお〕順。

それに転校生は一番最後に入るから、男子なのか女子なのか・・わからないのだ。

先生に聞いてもなぜかはぐらかされた。何かを隠すかのように・・・・・・・

コドモだからって、気が付かないと思ってるんじゃないの?

まぁったく・・・・・


それに、一人称が「自分」だったことも介錯する。

トイレ? 障がい者用(男女兼用)を使っている。

まっさか・・・・・後をつけるわけにも行かないでしょ。無理。


「あのさ、海神さん?」

「んぇ?らに(何)?」 ←口の中いっぱい(汗;)

「名前・・・なんていったけ?」

「(ごくんっ!)あぁ。【海神 このは】だよ。」

「・・・苗字か名前かどっちでよんだほうがいい?」

「苗字で呼んでよ。それに呼び捨てで良いしさ。『このは』なーんて 恥ずかしくて・・・・」

「可愛いじゃないか、いい名前だと思うよ。嫌いなの?」

「う~~ん・・・嫌いじゃないけど、似合わないような気がするよぅ・・・・」


名前は嫌いじゃない。

ただ、極度の照れ屋・・・・・さっきも言った(書いた?)けど、こういう女のコ~な名前は(しょう)に合わないと言うかなんと言うか・・・


「そーいう多可谷は?自分の名前好きなの? もしかして、『名前が男か女かはっきりしないから自分もそうしてる』とか言わないでしょうね!?」

びしっと飯粒だらけのしゃもじを多可谷に向ける。

「嫌いじゃないし、そのつもりだけど?」

「「だぁあああ~~!!」」 そのへんにいたクラスメイトたちごとすっ転んだ。


「多可谷ぃ~~~~!」

「あははは!ゴメンゴメン。  ・・・でも、もしかしたら自分の名前はそう言う理由なのかもしれないかな・・・・」

「ぇ?何 聞こえなかったんだけど・・・・」

「ううん、なんでもないよ。 海神、自分もご飯お代わりするからしゃもじ貸して?」

「ぇ、あ・・・はい。」



やっぱり、不思議な人・・・・・

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